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まだ夢の途中にいるんだと伝えたい

私が小学校を卒業して、今日でちょうど10年が経つようです。

そこで、今日は小学校の卒業文集の自分の文章に対する答えのようなものを書きたいと思います。

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私にとって、「書く」ことの始まりは小学校の卒業文集といっても過言ではありません。

もちろん、卒業文集以前から色々と書いてはいたのですが、5年日記を買う前の日記はいつの間にかどこかに消え、昔書いていた小説もみな、どこかに姿を隠してしまったのです。教科書に紛れて一緒に捨ててしまったのか、まだ我が家のどこかに潜んでいるのか、それは分かりません。

真相は何であれ、現時点では、私が書いたものの中で一番古いものが小学校の卒業文集ということになります。

けれど、私がこの文集を特別視しているのは、単に古くからあるという理由からのみではありません。

私の「書く」の原点がそこにあり、「書く」を支え続けてくれた言葉がそこにあるからなのです。

ですから、今日はこの卒業文集に対して、今の私からの返答となるものをここに書いておきたいと思います。

とはいえ、返答の方だけを載せても、これをお読みになる方には何が何だか分からないと思います。

卒業文集の内容をそのままここに載ようかとも思ったのですが、まだその文集を持っている人がこの世にいることを考えると、あまりいいことではない気もします。

そこで、卒業文集の空気感が伝わるように、文体と内容の雰囲気を残したダイジェスト版をここに載せることにしました。

小学校の同級生たちがこれを読むことはそうそうないでしょうが、もし、「あれ、この内容に見覚えがあるぞ」と思っても、どうかそっとしておいてください。


では、12歳の私の、小学校卒業に際しての言葉をお楽しみください。

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「自分の世界をつづる」

もし、世界中の本を読むことができたらーー。

本は、私を夢中にさせた。
私にこんな思いを抱かせてくれた。
私から本をぬいたら何も残らないのではないかと思えるほど、
この6年間で本が好きになった。

私を夢中にさせてくれた本を、
今度は自分が書きたい。

本への思いは、
作家になるという夢に変わった。

とにかく、未来の自分には、
今の自分の夢をかなえてほしい。
いろいろな物語をつくってもらいたい。

今、改めて過去をふり返ると、
少しずつ私の世界は広がってるなって思う。
未来の私の世界は今より
広いんじゃないかなって考えて、
ちょっとうれしくなる。

だから、そんな世界を
物語として書いてもらいたいと思ってる。
その日がくることを楽しみにしてるよ。

いつか、
自分の世界を
自分なりの言葉でつづって。

応援してるからね!


……応援されているんですよ、私。
過去の自分に。
12才の子どもに。

卒業文集を開く度に、応援されるんですよ。

時々、「書く」ことに対する自信を失うんですが、この文章を見ると、「いやいや、ここで自分に負けたらダメだぞ」って思えるんですよね。

この純粋な自分に顔向けできないような気がして。

だからこそ、10年越しに、私はこんな言葉を返したいと思います。
過去の自分に。
12歳の子どもに。

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「まだ夢の途中にいるんだと伝えたい」

まず初めに、謝らないといけないことがあるね。
私はまだ学生で、社会人にすらなっていなくて、
あなたが望んでいた作家にもなれていないんだ。
夢を叶えられていなくて、ごめんね。

でも、私はまだ夢の途中にいるんだと伝えたい
夢を忘れたわけじゃないんだよ。

今は小説を書くのはやめてしまったけど、
諦めたわけじゃないんだと伝えたい。
核心は変わっていないんだよ。

自分の世界を綴ること

それはずっと変わらなかった。
これは、私の中で
「書く」ことの核心であり続けてくれた。
小説を書く時も、エッセイを書く時も。

根っこの部分が変わらずにいられたのは、
あなたが書いてくれたからだよ。
心の奥底にあった大切な気持ちを、
素直に言葉にしてくれたからなんだよ。

ありがとう。

ずっとそばにいてくれる文章を
私に贈ってくれたから、
支えとなる言葉を私に贈ってくれたから、
だから、私はまだ夢の途中にいられるんだよ。

本当にありがとう。

そして、今も、私の世界は
毎日広がり続けているんだと伝えたい。

10年前の私には、
想像もできなかったことばかりだよ。
いいことも、悪いことも。
今はまだ何とも判断できない沢山のことも。

きっと、これから、
私の世界はもっともっと広がっていくはずだよ。
もちろん、増えるばかりじゃなくて
失うこともあるけれど。
それを含めて、私の世界は広がっていくんだと
今は思うんだ。

広がった世界を言葉で受け止めて、
誰かに伝え続けるよ

それが作家というポジションに
繋がるわけじゃないとしても。
書くことが好きだから。
書くことで人生が豊かになるように思うから。
だから、私は書き続けるよ、これからも

まだ私は、夢の途中にいるよ。
今日も、自分の世界を綴っている。

その言葉を
誰かに贈るために。
私に贈るために。

2022年 3月 19日

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