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初めての海外で一人でキューバに行ってきたときの話

 ※この文章はこちらの続きです。

 ハバナまではメキシコで乗り換えて行く。アエロメヒコ航空を利用した。人生初めての国際線だ。乗り換えできるかとても不安だった。なにせ初めてなのだから。荷物を失くすことを恐れていた僕は機内に持ち込めるサイズを調べ、この旅のために40リットルのバックパックを買い準備万端だった。
 
 日本人の添乗員さんは2人くらいで、その他の人はどうやらスパニッシュ系の添乗員さんなのだが、何人なのかは分からなかった。そして隣の席にはこれまたスパニッシュ系の40代くらいの女性が座った。
 僕はこの日、人生で一番Gracious(スペイン語でありがとう)を言ったと思う。
 
 
 メキシコでの乗り換えでは入国の際、入国カードのようなものが必要らしく機内で配られた。
 僕は事前に調べていたので書き方をスクリーンショットしたものをスマホの写真フォルダに保存していた。それを見ながら書いた。

 隣の女性は書き方がわからなかったらしく僕に聞いてきた。席に備え付けられているスクリーンの音量調整もわからなかったらしくそれも僕に聞いてきた。

 僕は初めて国際線に乗ったにもかかわらず、旅慣れたふりをして彼女にあーだこーだと教えた。その時僕はきっと国際線に慣れてる人なんて半分もいないのだろうと思った。
 
 メキシコに着いて入国審査を済ませ、メキシコ空港で何時間か待たなくてはならなかった。

  ここで初めて海外で買い物をした。スタバで飲み物を買ったのだが、メニューはスペイン語で店員さんはスペイン語で聞いてくる。僕は指を差して注文し、はじめてクレジットカードで支払った。
 
 言葉がわからないと自然とちゃんと目を見る。名前まで聞かれて、とっさにMasaと名乗った。なんとかやりきってGraciaus。お礼を言うことは大切だ。ささいなことでもありがとうを言おうと強く思った。
 
 
 大きなスクリーンに書いてある搭乗ゲートの案内はよくわからない。結局インフォメーションの人に聞いて言う通りに移動したのだが不安だった。
 
 しばらくすると日本人の夫婦がやってきた。ゲートが合ってるか自信がなかったので声をかけた。
 
 男性もゲートが変わったことを嘆いていた。男性はもう定年退職を迎え世界50か国以上も行ったのだという。今回はツアーでキューバに行くらしい。僕が一人で行くことを伝えたら、たいした度胸だなあ。と言われた。自分自身に度胸を感じたことなど未だかつてなかった。この旅がはじめてのたいした度胸だった。おじさんとは将来の話や仕事の話をした。
 
 
おじさんに言われた「あのなあ、結局なあ、一番大事なのは人間関係なんだよ」がなぜかずっと頭から離れない。今も。



 まもなくハバナ行きの飛行機が搭乗できる時間になったとき、日本人数名と自分の名前がスタッフに呼ばれた。
 
 なんだか、もめている。4人の日本人が呼ばれ、何かの手違いで僕らはビジネスクラスの席へと変更になった。その中の一人は僕と同じ学生で飛行機の席は隣だった。
 
 出会いを生むのはトラブルだったりする。
 
 彼は後にキューバでは留学したいらしく、今回はその下見なのだという。もともとウルグアイが好きと、目を輝かせて語っていた。ゆくゆくはJAICAで働きたいと言っていた。
彼の熱意と行動力に圧倒された。情熱を持った若者は知らないだけでこの世にたくさんいるのだろう。
 
 三時間ほど飛行機に乗っていた。空港はあまり大きくない。そしてあることに気づいた。空港の従業員さんから、覇気があまり感じられないのだ。
 
 社会主義国キューバに到着した。

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