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小説

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2022年5月の記事一覧

小3で書いた少年時代の処女作を自分で考察してみた

小3で書いた少年時代の処女作を自分で考察してみた

平成17年度第3学年創作物語集「ゆめの中の話」の中に火花少年の創作物語のデビュー作が記されている。タイトルは「おかしをぬすみに」だ。

僕はこの作品から文章を書くことの楽しさを学んだと思う。そのことは以前この記事にも書いている。

まずはその作品を改めて文字に起こした。

考察タイトルの「おかしをぬすみに」と登場人物の名前が焼肉の部位からして、火花少年は食いしん坊だと思われる。お宝ではなくておかし

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五月病で中二病

五月病で中二病

「先生、最近このままでいいのかと不安で夜も眠れません。自分が成長できていない気がして、焦りと不安でいっぱいです」

「おそらく五月病ですね、ストレスを溜め込まないようにしましょう。といっても火花さんには難しいかな。一応お薬用意しておきますね」

先生はそう言ってQueenのCDを渡した。

「五月病!?先生、五月病は治るのですか?」

「火花さんの場合、おそらく5月が終われば治るでしょう。五月限定

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こどもの日

こどもの日

「今日でGW終わりだな」

「ごめん俺明日も休み」

「うざ。終われよ。てか今日って何の日か知ってる?」

「5月5日だろ?そしたら郷ひろみの日か」

「なんだよ郷ひろみの日って。聞いたことねえよ。何すんだよ郷ひろみの日」

「そりゃ各ご家庭で二億四千万の瞳を歌うんじゃん?」

「じゃあ一人暮らしの俺たちはどうすんだよ」

「リモート帰省して歌うんだよ。今の時代は」

「あー嫌な時代に生まれちゃっ

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片道切符

「ねえ、俺たちはこの片道切符握りしめてどこへ向かってると思う?」

「地獄」

真っ赤なルージュのカレンは嬉しそうに答える。

そして、僕たちは闇夜に優しく佇む三日月に向かって乾杯した。