マガジンのカバー画像

ほっこりとおだやかに

6,163
素敵なクリエイターさんたちのノートをまとめています
運営しているクリエイター

#エッセイ

触れることと、温度と、優しさについて 「触覚する衣服」展

もう終わってしまったのだけど、とてもよい展示だったので。 「触覚する衣服 内在する自己を再発見する ファッション&アート研究」神戸ファッション美術館で開催されたこの展示は、女子美術大学ファッション表現領域が主催する「触覚によるアプローチを通じて行ったファッション&アート研究活動」の成果を一般に公開したものです。 衣服を題材にしたインスタレーション作品と、視覚以外の全ての身体感覚を活用して世界を感じているメンバーたちの作品、そして研究者の寄稿からなる展示で、実際に作品に触れ

今の自分を正当化するための散文

起きていないことを心配して自分を追い込んでしまうのは、とても愚かで可笑しなことだと思うのだけれど、与えられた環境と、あらかじめ決まっている状況下で息をしているこの現実を運命と呼ぶならば、その中で丁寧に生きることをいつの間にか強いられている人間という生き物にとっては、これは至って仕方がない心の動きなのかもしれないと、考えることがある。 人間には色々な顔がある。多面的で、ゴツゴツとしていて、故に考え方も多岐に渡り、ひどく醜いときもある。 けれども大半は気が小さい。というより、小さ

まっさらな色にこそ影を

30分だけ、と決めてパソコンを開く。 今日は珍しく昼間から綺麗なピアノBGMを流している。水の音も聞こえて心地がよかった。普段の日中は天気やニュースも聞きたいのでラジオをつけているが、毎日だとちょっと耳に詰まってくるのだと気づいた。 昨日は実家に子を預けて私用に出かけた。最近実家に子を預ける頻度を敢えて増やしているのだが、夏の暑さと電車の寒さがたたみかけてくるのが肉体的に辛い。急すぎる寒暖差は幼い頃から苦手で、戻してしまうこともあったのだが、大人になったらさすがにそこまでに

ちょっと変わった結婚式( のようなフォトウェディング ) 覚書

結婚式を挙げて、6月でちょうど1年が経った。 27歳、友人や先輩の結婚式に参列したり、SNSでいろんなウェディング関係の写真を見たりすることが増えてきた頃である。そんな中でも夫と、「我々にとっての結婚式はアレがベストだったよね」という話をよくする。 自分のための備忘録として、細かなところを含めて書き残してみようと思う。 ∴ 概要 タイトルにした通り、自分たちの結婚式を簡単に説明するなら、「結婚式( のようなフォトウェディング )」という表現がもっとも近いと思う。 もとも

¥350

開心/カレー/コピー/ここに酒が欲しい...etc. | 5月2週目

メンバーシップ概要はこちらからどうぞ〜!🍚 5月5日 🍟「開心」 台湾人の知人がインスタのストーリーに、ポテトの写真を載せていた。そこに添えられていた「開心」という言葉の意味がわからず調べたら「ハッピー」という意味らしい。心を開く、と書いてハッピー。めちゃくちゃいいな。開心! 🍛「カレー」 GW休み中の夫が今夜はカレーを作ってくれるらしい。仕事はそこそこ立て込んでいるけれど、「今日はカレーなので帰ります!!!」と宣言したら「小学生男児?」と先輩たちから笑われた。 夕食ど

そういえばもう次の日曜日即売会なんてほんと????

日記: 日々と娘と映画と

桜がヒラヒラと散る様をみたら、2000年代の岩井俊二映画を思い出した。 松たか子主演で北海道から上京した大学生一年生の瑞々しい姿を捉えた『四月物語』。制服似合ってないね、などといいながら桜並木を駆けながら高校に進学する2人の可笑しくも美しい映画『花とアリス』。どちらも何度観たか数えきれない程に偏愛している作品である。 昨日、初めて生後5ヶ月になった娘を連れて地域の子育て支援センターという場所に行ってみた。 当たり前のことだけれど人間は行動あるのみなのだなと、些細なことな

【本ゼミ】自分史とかエッセイとか「私的な記録」が「読まれる」ためには

企画書にフィードバックくださったみなさま、ありがとうございました! 皆様の声を聞いていたら、ちょっとまだ弱いところが見えたり、別方向からのアプローチも見えたりで、とにかく光がさしました。 思考するのは好きなのですが、時間を決めないと沼に入ります。先日は何かの拍子にそのまま沼り、気づいたらスタバ(ラテ1杯)で6時間過ごしてて引きました。 (あ、ちなみに中国では↑寝ても余裕) 中途半端でも、誰かに見てもらって、いろんな見方を知り、またアップデートして、、それって 人生そ

なんだろ、恋人の言動でショック受けることあるけど、それは私が「勝手に期待していただけ、だから期待をしないように」っていう感情処理をする度に、彼に「諦め」っていう感情が募っていってる。そのうち興味なくなるんじゃないか不安だよ。

note10周年なんですね。note始めたのが2018年なので、もう6年目になるのか。 最初はコラムを書く練習に、と思って始めたのですがエッセイばかりになってしまいました。 やっぱりコラムは得意じゃないんだと思います。

僕らの恋は、なぜだか、いつも二番煎じ

「一気見しよう!」 意気揚々とNetflixオリジナルシリーズをダシに、健全さしかないようなデートを繰り返す。 面白い作品だから何度でも、違う部屋で、違う男と見れてしまう。 君が部屋に一晩泊めた女の子と、次の日に行ったうどん屋さんでのランチを「二番煎じで良ければ」と屈託ない笑顔で私にも誘ってきたこと、私は傷付かないでいてあげる。 だってストレンジャーシングスを、淡く甘い曖昧さの中で手を繋ぎながら見た相手は、君が、初めてじゃないから。 カレーをスパイスから一緒に作った相手

新しいテーブル と向田邦子の名エッセイ

夫と結婚して良かったと思うことの一つに、ものを選ぶ価値基準がほとんどにおいて似ているというのがある。好きなものが似通っていると言うよりも、よほど気に入ったものでない限り不便でも買わない、買う時には金額は気にせず20年先も使いたいきちんとしたものを選択するところだ。つい最近結婚5年目にしてようやく納得のいくダイニングテーブルを見つけて注文をした。今は建築士でもある夫が大掛かりなDIYで仕上げた無垢材のテーブルを使用しているが(これもとても気に入っている)子供が産まれて食卓を囲む

人生に無駄なことなんて起こらない。

 私は比較的、引っ越しが多い人生だと思う。  その中で、今はそこまでしないけれど、内覧に行くときは必ずコンベックス(メジャー)を持参して、不動産屋の担当者さんが印刷してくれた間取り図に大体の寸法をメモし、部屋が決まったらそれをさらに1/10スケールくらいで方眼ノートに落とし込み、手持ちの家具が入るかどうかを毎回検証していた。  コンセントの位置や個数、ドアの開閉の向きまですべてメモし、家具の配置まで考えてから引っ越していた。そのほうがやれ冷蔵庫が通路を通らないだのというトラ

『キリスト・コミッション』を読み終えて

 前にこちらの記事でもご紹介した、オグ・マンディーノ『キリスト・コミッション』を読み終わりました。  ストーリーは、主人公の作家がイエス・キリストの磔刑から6年後のエルサレムにタイム・スリップし、ペトロやヨハネ、ポンティオ・ピラトといった聖書の登場人物たちを訪ねて、生前のイエスの様子やご受難・復活のいきさつを聞いていくというもの。  当時のエルサレムの風景や人びとの暮らしが、まるで匂いを感じられるほどに詳しく描写されていて、福音書に出てくるさまざまな場面を立体的にイメージ