hana|言葉の海®

浮かぶか、泳ぐか、溺れていって。

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マガジン

  • hanaの●●な思考

    なかなか無法地帯。

  • 愛とか恋とか、

    愛とか恋とか、別れ話とか。

  • 朔日。

    毎月朔日(さくじつ、ついたち)に、その月の異名からインスピレーションを受けて書いた詩です。

  • for love and colors

    主役は愛する色。色彩に恋して。

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フラクタル。

宇宙で星がたくさん生まれ 宇宙で星がたくさん消えた ぶつかって壊れて ばらばらになって 漆黒に消えていく 燃えながら 輝きながら 落ちていく 落ちていく 宇宙で離れ離れになった光 地球に落ちてきた約束の光 ぶつかって壊れて ばらばらになった あなたを何度でも探して 転びながら 泣きながら 呼んでいる 叫んでいる 分裂する細胞の不思議 創造的破壊は摂理 何度も作り直すよ 自分らしく輝いて 氣づいてもらえるように 悩みながら 迷いながら 思い出さなくちゃ 待

    • 彼の岸から届く愛。

      かつてあなたがいた景色に 今年もあの朱が点って 会いたいよと零す唇を あなたが贈った風が撫でる 過去確かにここにいた 命の痕跡が整列している あなたの名前を見つけるのは いつ来ても容易いのに あなたの体温を思い出すのは どうしてこんなにも難しいのだろう 何も言わずに佇むあなた 問いかける私 会話なき対話 愛してるの代わりに頬を伝う温度 抱きしめる代わりに贈られる風 あたたかい寂寥 また歩いていけるように 彼の岸から届く愛 言葉の海 hana

      • ドライ。

        一番高いところで 咲き誇った花は枯れて 葉は萎れて俯いて 生を置き去りにしても 根は水を吸い上げて 生きようとする いくら進む方角がわからなくて 足を投げ出して座り込んでも 心臓が止まらないのと同じように 美しく咲いていたあの時のまま 立ち止まっていたいのに セカイは凍ってくれない どこまでも差し出せたこのココロ いつしか心じゃなくなった 最初から誰のものでもないのに 奪って奪われて色も形も変わっちゃった 反対色を加えてごまかし続けて今さら 透明になる方法が見つからないよ

        • round and round。

          また此処に立っている 私はワタシを見下ろして 何を想う 何を想う また此処に浮いている 感情も思考も 失くして 失くして また此処で叫んでいる 声にならない祈りを 抱えて 抱えて また此処で呼んでいる いつまでも迷子のアナタ どうしてる どうしたい? いつも此処で出逢ってしまう 約束を果たすまで 繰り返し 繰り返し いつも此処に答えがあったの 私がわたしだった頃 覚えてる? 憶えているよ いつも此処に還って来ていた アナタの手を取って 何度でも 何度でも でも

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          揺蕩。

          境目のなかった昨夜と今朝の波間で 始発のガタンゴトンを 揺蕩いながら聴いた 青白く染まっていく部屋に 溶けないように起き上がる 諦観と期待を乗せたガランとした電車 そこになぜだかいるような感覚を 白湯を沸かしながら脱ぎ捨てる 鳥の囀りが通り過ぎる窓辺で 喉を通る熱が現在地を教える 水も取り替えられない花瓶の中で いつもなら早々に色褪せるはずの薔薇が 青白い部屋の中で棘を隠す 現在地から あと何度この心臓が動いたら 還れるのだろう 冷たい棘に触れながら 熱い白湯を与

          まるで高尚な文学作品のようだった。映画【ザ・ホエール】

           ここに前置きを書く。  私は基本的に文学作品の映画化にはアンチで、「やめてくれ」と思うタイプだ。  高校卒業間近からその後の大学生活において、授業中であろうと常習的に文学作品を喰らっていた私にとっては、自分の中にある世界観が壊されるのがただイヤだ、というチープな認識程度でいたが、少々解像度を高め改めて書いてみると、その理由は下記のようなものであった。  「原作からインスピレーションを受けました」と謳って別物にしてくれるのならばまだしも、世間に売るために過度にドラマチック

          まるで高尚な文学作品のようだった。映画【ザ・ホエール】

          アイスクリームな思考。

           レディを救うのは甘いものだけなのよ。  我が常套句をひっさげて向かった先は、数字がそのまま名前になっている某有名アイスクリーム専門店。目が合ってしまったのだから仕方あるまいよ。ちょうど甘い物が食べたかった。  限定のビターコーヒー味と私の王道ストロベリーチーズケーキのスモールダブル、ワッフルコーンで作られた救世主を左手に、買ったばかりの文庫本を右手に、久しぶりの読書に専念しようじゃないかと適当な席に腰を下ろしたところで、「片手ふさがってたら読みにくいやんけ」とようやく重

          アイスクリームな思考。

          requiem。

          厚い雲の向こうに 太陽があることは知っていた 降り注ぐ光はただ 届かなかっただけ あなたが生きた日々が 無意味になることなんてないのに 傷ついたあなたは 隠れてしまって 世界は暗くなってしまった あなたの名残も面影も まだ生生しくそこにはあって なくした実感がまだ持てない私たちは 随分と遠くへ来てしまったみたいに 辺りを見渡しているんだよ その手を握ろうとつい 探してしまうの 思い出される声も 他愛もないやりとりも 屈託のない笑顔も きっと魂に生き続ける だけど哀しい

          花束。

          いつの間にか 大きくなった左手で 無造作に握られた花束は 君の汚れた靴と地面を見ながら 最後の道を揺られていった 「入学式」と 掲げられた校門を跨いだ あの日から 「卒業証書授与式」と 掲げられた校門を 永遠に出ていく今日までに どんなことがあったんだろう あのバスに乗り この電車に乗り 自転車漕いで 一緒に歩き 時々本氣で走ったりして ふざけて笑ってたまに勉強して 得意にも不得意にも 好きにも嫌いにも 向き合ったり逃げ出したりしながら 同じ時間、同じ空間で息をした

          タテトホコ。

          守ろうとして 盾と盾が ぶつかって 大きな音が鳴る 守ろうとして 矛と矛が ぶつかって 大きな音が鳴る 今日も聞こえる たくさんの音 盾と矛 ぶつけあって ぶつけあって 今日も聞こえる 虚しい音が 富 地位 名誉 プライド その肉体がなくなれば ぜんぶ持てない 虚構 ぶつかって 音を立てて ばらばらに砕け散って 嗚呼 こんなものは無駄だったねって 嗚呼 こんなものは要らなかったんだねって 投げ出した タテトホコ そのガラクタの山の上で 抱擁ができたなら

          脈絡なく最近のお悩みを綴っていく思考。

           ずっと自分の内面をアウトプットする時間がなく、一瞬で一年が過ぎ去ってしまった。  ここ最近はまた書くことに力を入れたいなーと思いつつも、自分のことに留まらず、誰かに依頼された案件であってもなかなか筆(という名の指)が乗らない日がある。  何事も、ある程度のスキルを身に着けてしまえば「えいやー!」でできてしまうことはままあって、わたしの仕事も然りなのだけれど、根が真面目だからかそういうことが性に合わないようで、「ぐぬぬ…」「むむむ…」とおそらくしかめっ面で画面を凝視しては

          脈絡なく最近のお悩みを綴っていく思考。

          1億分の1。

             数え出したらきりがないから、逃げるように思考を止めることがある。  高校時代、友だちと騒いで店員に怒られたファミレスや、同級生がバイトしていたコンビニ。いつの間にかなくなったガソリンスタンド。埋め立てられた池。  成長し、行動範囲が広がっても、家の周辺にあったものなら記憶に残りやすい。とはいえ数ヶ月も帰っていなければ記憶の中のいくつかのものが消えるし、新しい何かができていても何ら不思議はないから、どこの何がなくなったとか、あのお店はいつからあったかとか、数えだした

          愛と、愛に見えるもの。

           『愛』、などと、そう簡単に語れるものではない代物のようでいて、しかし元来とてつもなくシンプルなものを、人間がただこじらせているだけのもの、のようにも思える。  交流する中で『愛』を感じたことのない誰かから、面と向かって『愛』を語られたとしよう。斜に構えた私ならきっと、「あんたが偉そうに愛を語るんじゃないよ」と思うのだが、よくよく考えてみれば、果たしてその誰かと私の中にある『愛』が完全一致しているはずもなく、「一体何を語り合っているのだろう」という払拭できないもやもやとした

          愛と、愛に見えるもの。

          わたし。

          流れる景色 左から右 風を知らせる田は緑 天の海泳ぐ雲は白 留まらない世界 夏寄りの秋 知らない土地 知らない駅 ありきたりな地名 読めない駅名 ちっぽけなわたし 何処へ行っても 教わるばかり 何も知らない わたし、ワタシ 名もなき歴史 乗せて今日は 何処へ行く 叫べない炎 抱く胸裡でただ燃える 持て余した灰 押し殺した言葉の残骸 養分になって溶けて 消える いつか咲かせる 花を想って 山々は遠ざかる 風の匂いもまた変わる ちっぽけな

          華曼荼羅。

          内なる何か 探って見つめた暗闇で 見つけたのは何色 内なる何か 探って伸ばした指の先 触れたのは何色 内なる何か 芯部の種を優しく包む その花びらは何色 咲いていく 咲いていく どんな世界で生きても 咲かせていく 咲かせていく 私だけの花 個性的で麗しい 一つひとつの輝きを くるっと集めて 華曼荼羅 寄り添って与え合う 私たちの花 そうこれは これから生きたい 世界の姿 魅せて 愛おしい 花よ 花よ その心に 咲いていけ 言葉の

          願い事。

          ささのは さらさら のきばに ゆれる おほしさま きらきら きんぎん すなご カラフルな 短冊 たくさん 書くの ステキな 願い事 天まで 届け 星に還ろうと されているあなた 今たくさんの願い事を 見ているのでしょうか 五色の短冊に込められた願いを 穏やかに眺めているのでしょうか 変わらないものは何もない世界で また一つ歴史が終わりました 変わらないものは何もない世界だけど 変わらぬようにと守り続けて来た あなたの教えを 愛を これからも携えながら