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朔日。

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毎月朔日(さくじつ、ついたち)に、その月の異名からインスピレーションを受けて書いた詩です。
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記事一覧

春待月。

春を待つ 春を待つ 共に咲くことを 夢見る冬 木枯らしにさらす 無垢の心 名前も知らない …

雪待月。

風染める 次の季節を呼ぶ香り 解き放つ 逢いたい君へ 贈り物 君を待てない命なら せめて重ね…

定星。

銀河の夢 託された光を 抱く惑星 僕らが此処へ やって来てから どれだけの月日が 流れていっ…

寝覚月。

深く下りた 晩夏の帳 寝ても覚めても泳ぐ夜 小さな寝息 その律動に 生命の波間を泳ぐ夜 眠り…

壮月。

燃ゆる世に 生まれし生命 壮健な産声 されど揺蕩う 陽炎にさえ 爪痕残せぬ 刹那の燈火 それ…

文披月。

届けたい 想い弾ける 紙の上 ひとつずつ 拾い上げて 並べても 何度も ばらばら 恋模様 生き…

涼暮月。

染め上がる 夕焼けの街 風が吹く 留まること 逆らうこと 畢竟どちらも 叶わずと 止まらぬ雲に 浮世重ねる この地球(ほし)に 耳傾けて 声を聴く 陽極まって 陰となる月 動揺混沌 憂い迷いも 起こることすべて 必要なこと 何があっても 穏やかに 何があっても 受け容れてと 永久(とこしえ)の愛が 教えてる 染め上がる 夕焼けの街 もういない まだまだ微熱 この茶番劇 冷ましてほしい 優しい夜風 狂った浮世に 終止符を 涼暮月朔日 flag *** h

菖蒲月。

呼び声に 応えて揺れる 遠い愛 雨隔てて 雨に泣く 逢いたくて 応えて揺れた 僕らの愛 雨隔…

花残月。

嘘のよう 一斉に色づく 愛の色 今 生まれたばかり なのに堂々とできるのは きっと終わりを …

桜月。

忙しない 混沌の日々 立ち止まる 街に吹く風 冷たさ残す 日差し求めて 歩くこの道 見上げた…

梅見月。

天仰ぐ 伸ばした枝に 宿る花 雪 溶けるまで あと少し 巡り 巡って また咲いて 鼻先 くすぐ…

初空月。

はじめまして 新しい空 見上げた冬は 儚く遠い 赤も緑も どんな色も 雪と触れ合い 小さく揺…

年満月。

おわる おわるよ 忙しない年 どこへ行こうか 右往左往 まよって なやんで とまどって パラ…

竜潜月。

朝露の 煌めき纏う 紅に風 羽ばたく鳥の 逞しさ 凛と撫で 律動の波 命の宿り 囀る愛で 君は覚醒める 堪えて忍んで 唇噛んで やり過ごして 涙して 乗り越えたから 今がある 苦難幸福 すべて混ざって たったひとり 愛し君 宇宙にひとり 愛し君 水面破って 翔べよ君 その力を試すとき その愛を贈るとき 恐れることなど 何もない 己を信じて 竜潜月朔日 flag *** hana 今日もありがとうございます♡