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蝉の声姿探せど雲隠れ

子どもの頃の夏休みには、母の実家で2週間くらい過ごすのが恒例行事でした。適度に田舎で避暑にも丁度よかったから、というのが理由のひとつ。

遠方から従姉妹がやってくるのも大きな楽しみでした。歳はあちらがひとつ上で、優しく楽しい姉さんができたみたいでした。

とはいっても、田舎町のこと。一応宿題をしてしまえば、遊ぶところなどありません。泳ぐにちょうどいい川もなかったし、あるのは山と畑だけ

そんなところで何をして遊んでいたのでしょう。今となってはまったく思い出せません。ただただ毎日が楽しかったこと。それだけが印象に残っています。

ひとつ覚えているのは、おじいさんが器用に竹で作ってくれた虫かごを持って、セミを取りに行ったこと。どちらがたくさん捕まえるかを競って、疲れたらセミたちを逃がして、サイダーを飲みに帰るのが定番コースでした。

女の子でもズボンをはいて、小さな木ならよじ登ってでもセミを追います

あそこにいるよ、こっちにもいたよ。

当時はセミを見つけるのも、取るのも実に手慣れたものでした

今日も元気にセミは鳴いています。四方八方から、それこそ雨あられのようにセミの鳴き声が降り注ぎます。それなのに、手近な木に向かってどんなに目を凝らして見てもセミを見つけることができないのです

子どもの頃は器用に見つけていたのに、大人になると探せなくなってしまいました。

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