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集中力や定着度を向上させる成果把握法~集中力が下がる原因まで突き詰める測定法~

今回は、「学習の成果を把握する」というプロセスを活用して、集中力や学習の定着度を向上させる方法について、詳しくお話していこうと思います。学習の成果を把握する際、時間内の取り組みを羅列させるだけでは非常にもったいない。効果的な測定法を身に着けて、学習効率の向上にお役に立てれば幸いです。

そもそも、成果の把握を正しく行うと、自分自身の課題を正確に把握できるようになります。なぜなら、上手くいった点や改善点は目標と成果のギャップから導き出されるからです。だからこそ、自身の課題を解決したり、自身の長所を伸ばすためには、現状/成果の把握が非常に重要なプロセスになります。

早速、学習の成果を把握する際のポイントについて深堀りをしていきます。今回お話しする内容は、Gmap-cの「②Measure:現状・成果の把握」に相当します。(前回記事の続きの内容にはなりますが、本記事のみでも十分にお分かりいただける内容になってます。気になった方はリンクから飛んで頂けると幸いです。)

早速、具体例から示します。ここでは、前回のGoalも一緒に示しています。

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効果的なMeasureを行う際のポイントは以下の3つです。
(A)定量的な測定
(B)定性的な測定
(C)学習項目抽出
それでは、各項目について見ていきましょう。

(A)定量的な測定で成果を客観的かつ正確に把握

定量的な測定とは数値を用いた測定方法のことを言います。数値を用いて分析を行う目的は、学習の成果を客観的かつ正確に把握することです。具体例で示した学習時間正答率のように、数値で書けるものは定量的な測定を行います。数値を用いた分析を行うことで、目標と成果のギャップが一目で分かるため、このギャップを皮切りに自身の課題を深堀りしていくことができます。

例えば、上記の例では、(1)のテストの正答率90%という目標に対する成果は、前半が約90%で後半が60%でした。そして「なぜ後半の正答率が目標に達しなかったのか?」という観点から、改善策の検討を始める事が可能になります。このように、目標と成果のギャップが一目で把握できるようになることが、定量的な測定の効用と言えます。

実用的なところで言えば、成果を数値で把握する項目は、目標設定の際に決めておけるとベストです。初めのうちは、目標設定の際に数字で記入した項目は、成果を把握する際も必ず数字で記入するところから始めてみてください。

(B)定性的な測定は感じたままに言語化

定性的な測定とは、数値では表現できない感情や集中度合いなどの測定のことを言います。
成果の把握というと、「実際にやったこと」に目を向けがちですが、定性的な測定も学習の質を向上させる上では必要不可欠な要素になります。なぜなら、学習の質は学習中の感情や集中力などの数値化できない事に左右されるからです。

例えば、上記の例の(2)では、「数学の学習中に集中力が低下した」という定性的な測定も記入しています。このような定性的な側面を記入すると、自身の集中力が低下する傾向を掴むきっかけになります。詳しくは次回以降の記事でお話しますが、「同じ科目を80分続けて学習すると集中力が持たなくなってしまうのではないか?」と言った、自身の集中力に関する分析もできるようになります。

このように、定性的な分析を行うことで、自分自身の特徴を知り、学習の質の向上に繋げることができます。ここでのポイントは、感情・集中度などは感じたままに言語化することになります。

(C)学習項目抽出を活用して定着度を測定

Measureを活用して、学習した内容の定着度をその場で測定することも可能です。まず初めに、その日に学習した内容の項目を書き出します。次に、自分で書き出した項目を見つつ、その項目に対する説明をします。

例えば、ヘウレーカでは、生徒が授業内で学習した項目を書き出し、講師に各項目の説明をする、という形式をとっています。ただ、学習内容の全項目でこれを行うと多大な時間を要してしまうので、初めのうちは1つの科目につき特に重要な2,3項目を目安としてみてくだい。

Gmapの例では、(2)の連立方程式の解き方を2通り示しています。例のように、何も見ないで2つの項目を書き出し、それぞれの説明をすることができれば、少なくとも当日の学習内容は定着していると言えます。逆に、説明できない項目は、完璧には理解出来ていない状態にあると言えます。

このように、Measureを活用することで、学習直後に定着度の確認も可能になります。学習直後に定着度の確認が必要不可欠な理由については、記憶のメカニズムに基づいた「知識を定着させる」学習法~脳科学を活用した効果的学習法~で詳細にお話ししておりますので、併せてご確認頂けると幸いです。

ここまで、Measureを通して現状・成果の把握の方法について話してきました。次回は、これらを活用して、自身の課題などを分析する手法をお話し出来ればと思います。

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