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パリ軟禁日記 40日目 映画についての問い

2020/4/25(土)
好きな映画はなんですか?
この問いに答えるのは、簡単なようでとても難しい。付き合って日が浅い人からの場合は特に。

まず、好きな映画の数が多い。基本的には好き嫌いせずになんでも見るタイプだし、見る本数も普通の人より多い自覚がある。それが毎年続いているのでどんどん好きな映画が増えていく。(ある意味、とても幸せなことではある!)

例えば、「ニュー・シネマ・パラダイスです!」と好きな映画を答えたとしよう。すると、この答えを聞いた人は往々にして「この人は感動系だったり、イタリア映画が好きなのね」と、僕の性格をいわば一方的に決めつけてしまうことだろう。では逆に「アウトレイジです!」としたらどうなるか。僕はヤクザ映画が好きな、バイオレンスな?キャラということになってしまう。いや実際それも好きなんだけれども。それだけではないんだよ、ということを分かってもらいたい。

そもそも、この質問をする方は、気軽に聞いているのかもしれないけれども、答える方は相手がどれほど映画に詳しいのかをそれまでの会話の中から推察しなければならない。全然知りもしない作品を言っても会話が止まってしまうからだ。例えば「夏時間の庭です!」と答えて、「なんですかそれ?」となってしまったら、なんだかオリヴィエ・アサヤス監督にも申し訳ない。だからと言って「千と千尋の神隠しです!」と答えても、「普通だな、この人!」となって、それはそれで面白くない。

そこで、僕がしばしば使う手は「最近劇場で見てよかった作品名を言う」というものだ。最近公開中=しばしばメディアでも取り上げられ、聞き手の記憶にもどこかで引っ掛かりがある可能性が高い。そして、「最近」とつけることで、これはあくまで僕の好みの一部ですよ、ということがクリアに伝わる。ここから相手が興味を持てば、じゃあぜひ見に行ってください!となって会話の流れとしても上々だ。
一方、単品ではなく、監督で答えるというのは賢いやり方だ。私の映画好きの友人は、この質問に困った時は「ウェス・アンダーソン監督作品が好きです!」と答えておけば間違いない、と言っていた。まさに絶妙なライン。映画的な面白さだけでなく、かわいげもあり、自分のセンスの良さも担保してくれる。すごいぞ、ウェス・アンダーソン!

※スタジオ方式で作られている現在の映画産業において、監督の作家主義がどれほど担保されているか、という問題については議論の分かれるところだろう。すごいのは絵コンテを書いている人だったり、撮影監督だったりすることも往々にしてあるからだ。それでも、監督の名前は今でもコマーシャルな一面で重要だし、何より一連の作品をグループする上では大変役に立つ。

それでは、最初の質問が
「あなたの人生に影響を与えた映画はなんですか?」
だったらどうだろう。この質問は一歩踏み込んできている。聞き手は単純な性格判断、心理ゲーム的なノリではなく、僕のこれまでの人生のエピソードに絡めた興味を持っている。知らない映画の名前を出したとしても、話を聞く心の用意があるだろう。

さて本日、この「あなたの人生に影響を与えた映画はなんですか?」という質問を、尊敬する先輩より頂戴した。
しかも回答は「名前を出さず説明もせず、画像で答えてね」というお達し。
さすが映画好き!手元にDVDがないのでネットの画像検索に頼ったところ、お気に入りのシーンがございましたのでこちらで回答とさせていただきます。

「あなたの人生に影響を与えたは映画はなんですか?」

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