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【中欧ヨーロッパ旅行】ウィーンでザッハトルテ対決!あなたはデメル派?ザッハー派?

ウィーンでのフリータイム中に食べたもの。

ザッハートルテ」。

それは聞いただけで血糖値があがりそうな、魅惑的な響きのある甘い甘い伝統的なウィーンのケーキ。

かのハプスブルク家が大の甘いもの好きであったこともありエリザベート皇妃も好んで食べたという「デーメル」のザッハートルテは、支店が日本にもありますね、ザッハートルテといえば「デーメル」のイメージが強いので、「いつか本場でザッハートルテを食べるまでは絶対にここ(日本)で買わない食べない!」と決めていました。


念願叶ってようやくでありますザッハートルテ、ウィーンといったらこれでしょうここでしょうこれしかないでしょうさあさあ「デーメル」!と胸を高鳴らせていた私、ガイドブックを読んでびっくり。

「ザッハートルテ」はもともと「ザッハー」という本家本元のザッハートルテがあって、私が知る日本にも支店をだしているあの「デーメル」(日本ではデメル呼び?)は、その「ザッハー」とレシピをなんやかんやあって共有することになり、そのことで「ザッハートルテはどちらのお店のモノか?」みたいな争いが行われたらしい。

結局、「ザッハー」は「オリジナル」を名乗ることができて「オリジナルのザッハートルテ」という名前に。「デーメル」は「デーメルのザッハートルテ」という名前に。

だから元祖は「ザッハー」のザッハトルテだというのだ。こんなにウィーン本場でザッハートルテを食べるのが夢のひとつだったのに、まさかそんなことを知らないで本場に来てしまったとは。なんたる不覚。

デーメルが本場だと思ってたし、ザッハーという五つ星ホテルがあるなんてことも知らなかった。ああ、まだまだ甘いな自分…。甘すぎる。甘すぎるケーキだけに。


ウィーンといえばザッハートルテ。しかしそのザッハートルテには、二手に分かれる大手のお店、「ザッハー」と「デーメル」があった。さてどうする?最終日であるウィーン午後フリータイムをどう回るか考えていた前夜、ガイドブック片手に考える。

元祖オリジナルザッハーを食べる?それともハプスブルク家御用達、日本に支店はあるけどやはり本場に来たからには本場でデーメルのザッハートルテを食べる?考えることはそればかり。ああ、時間が半日しかないだなんて!あと一日あれば、二日間に分けて惜しげなく食べられたのに!

ああ、どちらを食べよう?

しかしだんだんとむくむくと浮かんでくる考え。いやいやさすがに…と何度も打ち消すも、終いには「せっかく本場に来たんだしええやろ________!」という最大限の理由で、決めました。

そう、「ここ本場ウィーンで、オリジナルザッハートルテとデーメルザッハートルテを食べ比べる」!

これぞひとり旅の醍醐味

私が食べたいものを、食べる。せっかく憧れの街のひとつに来たんだし、本場でザッハートルテを食べるのを楽しみにしてたんだし。そうと決めたからには、どう回ろうかを思索。オペラ座の後ろにある「ホテルザッハー」で食べて、そこから目抜き通りの「ケルントナー通り」をぶらぶら見て、ぐるっとしたところで、すこし離れたブランド道にある「デーメル」へ行こうか。


というプランを練ったわけですが、お店の時間を確認したらデーメルは19時で終わってしまうそう。ザッハーは24時までやっているというので、最初にデーメルへいこう、とお店へ。

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もうワクワクが止まりませんでした。美味しいもののためなら、スウィーツのためなら、この胸の高鳴りのためなら、異国だろうと言語が通じなかろうと、ひとりでずんずん入って「イートインしたい」と告げ、「二階へ行って」と通された先の階段で、私と同い年くらいの女の子4人くらいが列に並んで待っているのにも屈さない。

二階はずいぶんと席が空くのを待っているらしく、女の子たちはすごすごと帰っていった。けっこう並んでいたのでこのままだとゆっくりできそうにないからザッハーへ行こうかなあと私も一階に戻り、ショーケースとかチョコレートを眺めてたりしてたら、ちょうど一階席のカウンターが空いたの!

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座っていいのかな、と思って見てたら、まだ前のお客さんの食べ終わった食器が残ってる席に、私の後ろから女の人がすっと入って座った。

あ、勝手に自由に座っちゃっていい方式なのねと自分もその隣の席に腰下す。

カウンターのなかにいた店員さん(かわいい)が気づいて、食器を片したところで、となりの女の人が注文。私のところにメニューがなかったから、さっとメニューを差し出してくれた。やさしい…。(こっちのひとはメニューがなくても、言わないとスルーされることが多い、と思う)


忙しそうなカウンター店員さんと目が合い、飲み物を注文。ケーキを頼みたかったけど、メニューにケーキの欄が載ってなくて、というか載ってたのかもしれないけどどれがどれだかわからず。

実際にケーキを指さして注文したほうが早いと思ったので、すぐ真隣にあるショーケースへ行き、「これ、このザッハートルテをひとつ」と注文。

「クリームは(つける)?」と聞かれたのでイエス。
ドリンクはカフェラテ。ビールみたいな見た目だしアイスのようなグラスだけど、温かいラテ。飲みやすくて美味しかった…

さて待ちに待ったザッハートルテINデーメル

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ホイップクリームがもりもり!そして思ったより甘くない。

甘いんだけど、スポンジがぱさっとした舌触り。いやぱさぱさしてるんじゃなくて、濃厚さが思ったよりかはないかんじ。

甘いんだけど甘すぎないチョコレートにスポンジ。そして二口目からはホイップクリームもつけて食べる。

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わお、ホイップクリームも全然甘くないじゃん、くちどけ軽いってこういうことかあ、とぱくぱく。

中間くらいから、すこし感じるアプリコット。全体的に軽い、というかそこまで甘くない。

カフェラテぐびぐび飲みながらあっという間に完食。さすがにホイップクリームをちょっと残したけど、甘くなく軽めで食べやすいホイップクリームにおどろき。


ケーキ自体は甘すぎないけど、刻印チョコレートは濃かったなあ、とこれまた最後の最後にやられたという感じで少しびっくりしたのも覚えてる。クライマックスである(?)三角形の刻印チョコは、ケーキ生地がそれほど甘くなかった反動からか、がつんと濃くて甘くて「…おお」となった。


カウンターの店員さんが忙しそうにしてるのを眺めながら、ひっきりなしに入ってくるお客さんでごった返す店内を観察。ショーケースの前にわらわらと集まるたくさんの人々。きびきびと働きまわる店員さんたち。

笑顔でこたえてくれるカウンターの店員さんがかわいすぎて2ユーロのチップを渡してお店を出た。間違いなく女の子の胸をときめかせるお店、めくるめく素敵な店内の内装、カワイイ制服着た店員さんたちの真顔さからちらっと見えるスマイル。

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なにもかもがきらきらして見えて、ああ私こういうトコロで働きたい…!とウットリ。甘い香り甘い雰囲気甘いもの、見てるだけで楽しいケーキの数々!無表情にみえるけど、じっさい無表情なんだろうけど、話しかければちゃんとこたえてくれるし、柔和すぎないさらりとした口元だけのにこっとさせた笑顔も、お店の雰囲気に合っていて、なんだか足元がふわふわしてるみたいだった。


落ち着かないんだけど、なんか落ち着いちゃっていい気持ちというか。勝手に落ち着いてても、みんなひっきりなしに来るお客さんの対応でこっちには気に留めてないみたいだからなのかもしれないけど。


でも目が合えばこちらの要求にこたえようと、「なにかある?」と問いかけてくれる。外国だからかな、完全に落ち着くわけじゃないけど、でもへんに落ち着くっちゃ落ち着く。観察たのしいしね、みんなむだな笑顔を見せないみたいで、日常なのに、日常っぽさがある。日常忘れる~って感じ。だけど日常。だけど日常っぽい。この「っぽさ」がキモ。

心躍る素敵な空間でした。また来たい。今度来たら、なんのケーキを食べようか。何度でも空想がふくらむ、わくわくした時間でした。しあわせ。


「デーメル」でザッハートルテとお店の雰囲気を堪能したあと、30ユーロで買ったミニオーケストラの発表時間まで時間があったので、ぐるっと歩いて「ザッハー」のザッハートルテを食べようと歩きました。


おすすめカフェとしても紹介された老舗カフェ「カフェ ラントマン」を見つけてテンションが上がったり、

「ウィーン大学」の大学っぽくない建物の造りに口をあんぐり、

隣の「市庁舎」前ではスケートリンクの青青しい綺麗さにうっとり、

「国会議事堂」の敷地の大きさと入り口の扉までの遠さに勝手に辟易、道路の向かいには「ブルク劇場」があって、すこし道に迷いながら、やっと「オペラ座」に着いたので後ろの通りに回って、さあ、ホテルザッハー________!

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ドアを開けて入って、案内される。

メニューがまずかわいい。新聞風なのがいいね、目の前はいかにも「いいなあ」と思ってそうな顔して眺め歩いてるひとたちが行き交う道路が。

てへへ、みたいな気持ちになりながら、即決でザッハートルテをオーダー。飲み物は「デーメル」でカフェラテ飲んだし、モーニングでもカプチーノを飲んだのでこれ以上コーヒー飲むとお腹が心配、ということでケーキのみ。

待ってたら、ウェイターさんがさらっとお水を出してくれました。ヨーロッパへ来て、無料でお水の提供というものがほとんどないことを実感していたので、なんだか嬉しかったです。やっぱりラテ頼みたかったな…くう、半日なんて時間がワルイ!

さてケーキ。アプリコットが強くて、チョコレートも濃厚。

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甘い、甘いです。たっぷりのチョコレートケーキのなかに、がっつり感じるアプリコット、添えられたホイップクリームも甘いと思った!

ホイップクリームは甘くないと聞いていたんだけど、ケーキの甘さを邪魔しない程度に甘かったな~ケーキが思ったより甘かったからそう感じたのかな?

「デーメル」ではほんのりだったアプリコットが、大きな違いかも。あまり時間を気にしすぎて食べてすぐお店を出た。


シャンデリアを思わずぱちり。建物の左側がカフェで、右側がホテルのカフェバーレストランのスペースっぽくなってた。照明が暗くて高級バーってかんじ。間違えて入らなくてよかった…。

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数時間でケーキを何個もぺろりとたいらげてしまったので、頭がクラクラ、そのままミニコンサートへ。

モーツァルトを聴きながら、チョコレートケーキの甘さを反芻し、21時半のウィーン市街を早足で駆け抜けてトラムに乗ってホテルに帰りました。

ああ、楽しかった、もう1週間は甘いものいらない…と決心するも、次の日のホテルビュッフェではまんまと菓子パンを腹におさめたし、乗り継ぎのチューリッヒではクロワッサン食べたし、日本までのフライト機内食でも夜中のデザートでキャラメルアイス食べた…もう…旅の解放感を最後まで引きずる…


ウィーンでザッハートルテを食べたので、もうほとんどやりつくしたと思いましたが、しかしまだまだ行ってみたいカフェが。

ベルベデーレ宮殿」も時間がなくて行けなかったし、また絶対来たい、来るぜ、待ってろウィーン!と思い残して帰国。1週間はいたいなあ、そしてカフェ巡りをしてやる。美術館も入るんだ。お金貯めるぞー稼ぎたいなあと働く意欲ボルテージを上げに上げてきました。はあ、バシバシ働いてバシバシ美味しいものを食べまくる生活…





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