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「進化の歴史」(絵本)

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ヘイヨーさんの画力を上げるため、イラストつきの物語を始めます。 1作目は「進化の歴史」(完成!) 現在はスピンオフ作品の「2121 ~100年後の未来~」を連載中!
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2022年1月の記事一覧

ヤジさん、昔を思い出す(「2121 ~100年後の未来~」 第15話)

ヤジさん、昔を思い出す(「2121 ~100年後の未来~」 第15話)

いつもは、こんな風にお昼寝ばかりして暮らしているヤジさんですが…

昔からこうだったわけではありません。

ヤジさんは、遠い昔のコトを思い出していました。

若い頃、一生懸命に働いていた時代のコトを。

これが、若い頃のヤジさん。

ね?別人みたいでしょ?

どうして、こんなにやる気に満ちていた人が、どうしようもないグ~タラ人間になったのか見ていきましょう。

もっと!もっと成績を上げるんだ!(「2121 ~100年後の未来~」 第16話)

もっと!もっと成績を上げるんだ!(「2121 ~100年後の未来~」 第16話)

ヤジさんは若い頃、建築現場の監督をやっていました。誰よりも懸命に働き、能力的にも非常に優秀でした。

ヤングヤジさん「もっと!もっとだ!もっとがんばらねば!もっと成績を上げねば!その為には、さらなるスピードアップをはかり、効率化を進めなければ!」

けれども、そんなヤジさんに、みんな段々とついていけなくなっていきます。

労働者B「ヤジさん、がんばってるのはわかるんだけどなぁ…」

労働者C「そう

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過労から来る落下事故(「2121 ~100年後の未来~」 第17話)

過労から来る落下事故(「2121 ~100年後の未来~」 第17話)

ある日、ヤジさんが監督する建築現場で落下事故が起こりました。
原因は、疲労と睡眠不足から来る不注意。命綱もつけずに作業していた作業員が、3階の高さから地面へと落ちるという事故でした。

幸い命は助かりましたが、全治半年以上の大ケガを負ってしまいました。

建築会社の社長に呼び出されて、ヤジさんは宣告されてしまいます。

社長「悪いけど、現場監督を降りてくれないか」

ヤングヤジさん「そんな!」

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日本政府の方針、大きく転換される(「2121 ~100年後の未来~」 第18話)

日本政府の方針、大きく転換される(「2121 ~100年後の未来~」 第18話)

時を同じくして、日本政府の政策が大きく転換します。

実験的に行った「ベーシックインカム」は失敗に終わり、代わりに「希望する国民全員に食料と住居を提供する」という政策が始まります。

国は余っている土地や住居を買い上げて、必要ならば修繕を行い、国民に無料で貸し出しました。

これにより、田舎の過疎化問題が一気に解決に向かい、人口の大都市集中も緩和されていきます。

そこに乗っかる形でヤジさんがやっ

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メララのお仕事(「2121 ~100年後の未来~」 第19話)

メララのお仕事(「2121 ~100年後の未来~」 第19話)

この時代のスイーカ嬢、本名を「メララ」といいます(ちなみに100年前のスイーカ嬢は「恵子」)

おばあちゃんがドイツ人で、メララはクォーター。ヨーロッパの由緒ある魔女の血を引く家系です。

子供の頃は、桃太郎・桃香様・カボチャ姫・カボチャ太郎、そして弟のスイカ太郎と共によく一緒に遊んだものでした。

このメンバーの中ではメララが一番の年上で、見た目は子供っぽく見られますが、これでも年齢は23歳。桃

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未来世界でも恋愛相談は大人気!(「2121 ~100年後の未来~」 第20話)

未来世界でも恋愛相談は大人気!(「2121 ~100年後の未来~」 第20話)

メララ「また恋愛相談だわ。たまには他の占いもしてみたいのだけど…」

生活の心配をする必要がなくなった100年後の時代。占い師のもとに寄せられるのは、圧倒的に恋愛の相談が多いのです。

もちろん会社の経営者など、金運を気にする人もいるにはいるのですが、数はあまり多くありません。

女性相談者「メララ様~!聞いてくださいよぉ。また彼氏に浮気されちゃったんですよ。二股かけられたのこれで何度目だと思いま

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メララの修行(「2121 ~100年後の未来~」 第21話)

メララの修行(「2121 ~100年後の未来~」 第21話)

メララは、小さな子供の時から、次の「スイーカ嬢」となることが決められていました。

ゆえに、物心ついた頃から厳しい修行に耐えねばなりませんでした。

「占星術」「姓名判断」「タロット」「水晶玉」などなど。基本的な占いを一通り習得し、実際に人を相手に鑑定できるようにならなければなりません。

そのため、他の子に比べれば、友達と遊んだりする時間も極端に少なかったのですが…

それでも「人と触れ合うこと

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桃香様の恋(「2121 ~100年後の未来~」 第22話)

桃香様の恋(「2121 ~100年後の未来~」 第22話)

桃香様は、お金持ちの家の子であったというコトもありますが…

性格的にも人に好かれ、学生時代から友人も多く、よくモテました。

ところが、いざ恋人としてつき始めると、ワガママな部分が出てしまい、長続きしません。

「相手の欠点を1つでも見つけると、勝手に幻滅して別れる」というコトを繰り返します。

男の人からしても「恋人になる前までは、よさそうな子に見えたんだけどなぁ。でも、なんだか思ってた人とは

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未来の洋服デザイン(「2121 ~100年後の未来~」 第23話)

未来の洋服デザイン(「2121 ~100年後の未来~」 第23話)

時は流れ…

高校を卒業した桃香様は、社会人として働き始めます。

家は、代々「大モモ教」という宗教団体を維持管理していましたが、桃香様は全く興味がありませんでした。

「大モモ教の方は、お兄様が跡を継げばいいわ。私は自由に生きさせてもらう!」と言って、さっさと就職してしまったのです。

桃香様が働き始めたのは、アパレル業界。洋服のデザインをするお仕事です。

この時代、デザインも半分はAIがやっ

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桃香おばあちゃんの恋(「2121 ~100年後の未来~」 第24話)

桃香おばあちゃんの恋(「2121 ~100年後の未来~」 第24話)

100年前…

桃香おばあちゃんが、まだ「桃香様」と呼ばれていた時代。

100年前の桃香様は恋をしました。お相手は、しがないお笑い芸人。名前をナンジャと言いました。

ナンジャは「ナンジャモンジャニンジャ」という全く売れないお笑いトリオの一員でした。

元々は「ナンジャモンジャ」というコンビだったのですが、ある日突然「自分は江戸時代からやって来た!」と言い張る忍者がやって来て、ニンジャ(芸名の時

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100年の時を超えて繰り返す恋(「2121 ~100年後の未来~」 第25話)

100年の時を超えて繰り返す恋(「2121 ~100年後の未来~」 第25話)

桃香様は、社会人として働き始めてからも、男の人とつき合ったり別れたりを繰り返しました。相変わらずよくモテたので、望みさえすれば相手が途切れることはなかったのです。

そんな桃香様が最後にたどり着いたのが、しがない画家の青年。ろくすっぽお金を稼ぐこともなく、ひたすら自分の作品制作に没頭しています。

それも、デジタル大全盛期の今どき、本物の絵の具と筆を使い続けているのです。

桃香様は100年前の恋

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桃太郎の決断(「2121 ~100年後の未来~」 第26話)

桃太郎の決断(「2121 ~100年後の未来~」 第26話)

大桃家には、跡取りとして長男である桃太郎がいました。桃香様の兄です。

桃太郎は学生時代、桃香様と同じように漠然と自分の未来について考えていました。

けれども、妹が「自由に生きていきたい」と望んでいたのを知っていたので、「大モモ教」のトップの座を引き継ぐことに決めます。

それでも、桃太郎は心のどこかで後悔していました。

「もっと別の生き方もあったのではないだろうか?後継者は、どこかの誰かに任

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スーパーラッキー・モンキーの登場(「2121 ~100年後の未来~」 第27話)

スーパーラッキー・モンキーの登場(「2121 ~100年後の未来~」 第27話)

「大モモ教」が筋肉信仰に染まっていくのと時を同じくして、ひとりの男が日本に降り立ちます。

彼の名は「スーパーラッキー・モンキー」

アメリカから「新規の教育プログラム」を売り込もうと、日本へとやって来たところでした。

この時代、能力のある人はいくらでも出世でき、際限なく収入が増えていきます。

その一方で、ヤジさんのように働くことをあきらめ、ノンビリと人生を楽しむ人も大勢います。

「どちらの

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カボチャ教団の野望(「2121 ~100年後の未来~」 第28話)

カボチャ教団の野望(「2121 ~100年後の未来~」 第28話)

「カボチャ教団」のカボチャ姫とカボチャ太郎の姉弟は、急激に信者を獲得しつつある「大モモ教」を危惧していました。

カボチャ姫「桃太郎のヤツが肉体改造を掲げて、信者を増やしてるらしいわ。うちも何かやらないと危ないわね…」

カボチャ太郎「姉貴。じゃあ、対抗して健康にいいサプリでも販売するか?」

カボチャ姫「いいえ、体を鍛えて健康になるだなんて、もはや時代遅れよ。人類を進化させてきたのは科学。私たち

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