フォローしませんか?
シェア
ヘイヨー
2022年1月1日 18:57
いつもは、こんな風にお昼寝ばかりして暮らしているヤジさんですが…昔からこうだったわけではありません。ヤジさんは、遠い昔のコトを思い出していました。若い頃、一生懸命に働いていた時代のコトを。これが、若い頃のヤジさん。ね?別人みたいでしょ?どうして、こんなにやる気に満ちていた人が、どうしようもないグ~タラ人間になったのか見ていきましょう。
2022年1月2日 18:49
ヤジさんは若い頃、建築現場の監督をやっていました。誰よりも懸命に働き、能力的にも非常に優秀でした。ヤングヤジさん「もっと!もっとだ!もっとがんばらねば!もっと成績を上げねば!その為には、さらなるスピードアップをはかり、効率化を進めなければ!」けれども、そんなヤジさんに、みんな段々とついていけなくなっていきます。労働者B「ヤジさん、がんばってるのはわかるんだけどなぁ…」労働者C「そう
2022年1月3日 18:26
ある日、ヤジさんが監督する建築現場で落下事故が起こりました。原因は、疲労と睡眠不足から来る不注意。命綱もつけずに作業していた作業員が、3階の高さから地面へと落ちるという事故でした。幸い命は助かりましたが、全治半年以上の大ケガを負ってしまいました。建築会社の社長に呼び出されて、ヤジさんは宣告されてしまいます。社長「悪いけど、現場監督を降りてくれないか」ヤングヤジさん「そんな!」
2022年1月4日 18:09
時を同じくして、日本政府の政策が大きく転換します。実験的に行った「ベーシックインカム」は失敗に終わり、代わりに「希望する国民全員に食料と住居を提供する」という政策が始まります。国は余っている土地や住居を買い上げて、必要ならば修繕を行い、国民に無料で貸し出しました。これにより、田舎の過疎化問題が一気に解決に向かい、人口の大都市集中も緩和されていきます。そこに乗っかる形でヤジさんがやっ
2022年1月5日 18:58
この時代のスイーカ嬢、本名を「メララ」といいます(ちなみに100年前のスイーカ嬢は「恵子」)おばあちゃんがドイツ人で、メララはクォーター。ヨーロッパの由緒ある魔女の血を引く家系です。子供の頃は、桃太郎・桃香様・カボチャ姫・カボチャ太郎、そして弟のスイカ太郎と共によく一緒に遊んだものでした。このメンバーの中ではメララが一番の年上で、見た目は子供っぽく見られますが、これでも年齢は23歳。桃
2022年1月6日 18:44
メララ「また恋愛相談だわ。たまには他の占いもしてみたいのだけど…」生活の心配をする必要がなくなった100年後の時代。占い師のもとに寄せられるのは、圧倒的に恋愛の相談が多いのです。もちろん会社の経営者など、金運を気にする人もいるにはいるのですが、数はあまり多くありません。女性相談者「メララ様~!聞いてくださいよぉ。また彼氏に浮気されちゃったんですよ。二股かけられたのこれで何度目だと思いま
2022年1月7日 19:40
メララは、小さな子供の時から、次の「スイーカ嬢」となることが決められていました。ゆえに、物心ついた頃から厳しい修行に耐えねばなりませんでした。「占星術」「姓名判断」「タロット」「水晶玉」などなど。基本的な占いを一通り習得し、実際に人を相手に鑑定できるようにならなければなりません。そのため、他の子に比べれば、友達と遊んだりする時間も極端に少なかったのですが…それでも「人と触れ合うこと
2022年1月8日 19:09
桃香様は、お金持ちの家の子であったというコトもありますが…性格的にも人に好かれ、学生時代から友人も多く、よくモテました。ところが、いざ恋人としてつき始めると、ワガママな部分が出てしまい、長続きしません。「相手の欠点を1つでも見つけると、勝手に幻滅して別れる」というコトを繰り返します。男の人からしても「恋人になる前までは、よさそうな子に見えたんだけどなぁ。でも、なんだか思ってた人とは
2022年1月9日 18:45
時は流れ…高校を卒業した桃香様は、社会人として働き始めます。家は、代々「大モモ教」という宗教団体を維持管理していましたが、桃香様は全く興味がありませんでした。「大モモ教の方は、お兄様が跡を継げばいいわ。私は自由に生きさせてもらう!」と言って、さっさと就職してしまったのです。桃香様が働き始めたのは、アパレル業界。洋服のデザインをするお仕事です。この時代、デザインも半分はAIがやっ
2022年1月10日 18:24
100年前…桃香おばあちゃんが、まだ「桃香様」と呼ばれていた時代。100年前の桃香様は恋をしました。お相手は、しがないお笑い芸人。名前をナンジャと言いました。ナンジャは「ナンジャモンジャニンジャ」という全く売れないお笑いトリオの一員でした。元々は「ナンジャモンジャ」というコンビだったのですが、ある日突然「自分は江戸時代からやって来た!」と言い張る忍者がやって来て、ニンジャ(芸名の時
2022年1月11日 19:37
桃香様は、社会人として働き始めてからも、男の人とつき合ったり別れたりを繰り返しました。相変わらずよくモテたので、望みさえすれば相手が途切れることはなかったのです。そんな桃香様が最後にたどり着いたのが、しがない画家の青年。ろくすっぽお金を稼ぐこともなく、ひたすら自分の作品制作に没頭しています。それも、デジタル大全盛期の今どき、本物の絵の具と筆を使い続けているのです。桃香様は100年前の恋
2022年1月12日 18:12
大桃家には、跡取りとして長男である桃太郎がいました。桃香様の兄です。桃太郎は学生時代、桃香様と同じように漠然と自分の未来について考えていました。けれども、妹が「自由に生きていきたい」と望んでいたのを知っていたので、「大モモ教」のトップの座を引き継ぐことに決めます。それでも、桃太郎は心のどこかで後悔していました。「もっと別の生き方もあったのではないだろうか?後継者は、どこかの誰かに任
2022年1月13日 18:13
「大モモ教」が筋肉信仰に染まっていくのと時を同じくして、ひとりの男が日本に降り立ちます。彼の名は「スーパーラッキー・モンキー」アメリカから「新規の教育プログラム」を売り込もうと、日本へとやって来たところでした。この時代、能力のある人はいくらでも出世でき、際限なく収入が増えていきます。その一方で、ヤジさんのように働くことをあきらめ、ノンビリと人生を楽しむ人も大勢います。「どちらの
2022年1月14日 19:18
「カボチャ教団」のカボチャ姫とカボチャ太郎の姉弟は、急激に信者を獲得しつつある「大モモ教」を危惧していました。カボチャ姫「桃太郎のヤツが肉体改造を掲げて、信者を増やしてるらしいわ。うちも何かやらないと危ないわね…」カボチャ太郎「姉貴。じゃあ、対抗して健康にいいサプリでも販売するか?」カボチャ姫「いいえ、体を鍛えて健康になるだなんて、もはや時代遅れよ。人類を進化させてきたのは科学。私たち