桃太郎の決断(「2121 ~100年後の未来~」 第26話)
大桃家には、跡取りとして長男である桃太郎がいました。桃香様の兄です。
桃太郎は学生時代、桃香様と同じように漠然と自分の未来について考えていました。
けれども、妹が「自由に生きていきたい」と望んでいたのを知っていたので、「大モモ教」のトップの座を引き継ぐことに決めます。
それでも、桃太郎は心のどこかで後悔していました。
「もっと別の生き方もあったのではないだろうか?後継者は、どこかの誰かに任せて、妹のように自由に生きていく道もあったのでは?」と。
その迷いを断ち切るように、桃太郎は自らの肉体を鍛えることに熱中していきます。
「筋肉は命!筋肉は裏切らない!質実剛健!身体を鍛えれば、おのずと精神も鍛えられる!」
まるで念仏のように、その言葉をブツブツとつぶやきながら、肉体改造に専念していったのです。
やがて、桃太郎の肉体信仰は、大モモ教全体へと広がっていきます。
noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。