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未来世界でも恋愛相談は大人気!(「2121 ~100年後の未来~」 第20話)

メララ「また恋愛相談だわ。たまには他の占いもしてみたいのだけど…」

生活の心配をする必要がなくなった100年後の時代。占い師のもとに寄せられるのは、圧倒的に恋愛の相談が多いのです。

もちろん会社の経営者など、金運を気にする人もいるにはいるのですが、数はあまり多くありません。


女性相談者「メララ様~!聞いてくださいよぉ。また彼氏に浮気されちゃったんですよ。二股かけられたのこれで何度目だと思います?」

メララ「フム。おぬしは、ちと尽くし過ぎと違うかな?あまりに言いなりになり過ぎると、男はつけ上がるぞ」

女性相談者「そうですよねぇ。あたしって性格いいでしょ?だから、好きになっちゃうと、なんでもかんでもやってあげたくなっちゃうんです~」

メララ「そういうとこだぞ」

女性相談者「わかってるんですけどねぇ。頭ではわかってても、ハートがついていかないんですぅ。彼を目の前にしたら、ついつい甘やかしちゃって~」

メララ「フム。よろしい。とりあえず1つ占ってしんぜよう」

そう言ってメララはタロットを取り出しましたが、実は道具など必要ありません。

「対象者に触れ直接話を聞くことで、相手の心理を読んだり、周辺情報をイメージとして受け取ることができる」それがメララの特殊能力でした。


頭の中に浮かんできたのは、男が女を小ばかにしているイメージ映像。女を食い物にし、道具として利用することしか考えていないようです。

「これは脈がないな…」とメララは思いましたが、相談者を傷つけないように遠回しな表現を使いました。

メララ「フム。必要なのは『誠実さ』と出た。どうやら、おぬしにはもっとふさわしい者がおるらしい。身の回りに心当たりはないかえ?」

女性相談者「え~、誰だろう?あの子かな~?実は、職場で『ちょっといいな~』って子がいるんです。年下なんですけどねぇ…」

それから、また延々と女性の自分語りが始まります。占い師に必要なのは、話を聞くこと。8~9割の情報は相手の言葉からわかります。アドバイスなど、ほんのちょっとで構いません。

「聞く」というのは「話す」以上にエネルギーを必要とします。何倍ものエネルギーを。なので、メララはいつも疲れていました。同時に自分の人生に疑問も感じていました。

「確かに、この仕事お金にはなる。けど、イマイチ意義を感じない。私には、もっと別の世界で活躍できる場所があるのではないだろうか?せっかくのこの能力、このまま腐らせたくはない」

そんな風に感じながら生きていたのです。

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。