毒親とはここまでなのか・・・『生きるために毒親から逃げました。』を読んで
こんな方におススメ
■親と暮らしているのがつらい
■親から暴言を受ける
■家族を信用できない
■子どもとの関わり方がわからない
■イライラして子供に大声を出してしまう
毒親って知っていますか?
『毒親』という言葉を聞いたことがありますか?
毒親とは子どもを傷つける、支配する、物として扱う、など言葉通り毒気の強い親のことです。
心理学では、ネガティブ・ペアレンティングという近い言葉があります。
子どもに悪い影響を与える子育てを指しています。
毒親の言葉の通り、著者の親は子どもを個人として見ないで物のように扱い、命の危険まであったそうです。親と決別した実体験を漫画で書かれています。
毒親の発言はどんどん過激になって、共感力の高い方は途中で気分を害してしまうかもしれません。
漫画により攻撃性と恐怖感が増しているようにも感じます。
毒親だと気づきにくい問題
両親との関わりの中で、「親が毒親なのかも」「虐待されている」と気づくことは簡単なことではありません。
幼い頃なら尚更です。
本人からすると「よくあること」「我慢が足りないから」「時々だから」と思ってしまいます。
これは『イジメ』の体験と良く似ていると思いました。
血縁関係ですから「まさか自分の親が毒親とは」「まさか自分が物のように扱われているとは」といった毒親と思いたくない気持ちもあるでしょう。
この本のように
親のことについては、家族という小さな組織になっていて他の人に知らせる機会も知る機会も少ないです。
年齢を重ね、他の家族と比較することができて、ようやく自分の親・家庭が普通ではないことに気づけます。
自覚も他覚も毒親を判断することが困難なことにもどかしさを感じます。
著者の想い
この本には、自分と同じように毒親に苦しめられている人や家族のことで悩んでいる人の力になりたい、そんな著者の気持ちが込められています。
著者は家族という形から生み出される複雑な問題の解決策として、『戸籍の分析』『住民票の閲覧制限』を行って絶縁をする選択をしています。
もちろん絶縁だけが解決方法ではありませんが、そこまでしないと断ち切れないのが毒親なのだととも思いました。
小さい頃のエピソードを見ていると、親自身にも生活のしずらさがあり、子どもとの関わり方が分からず困惑している様子が窺えました。
つまり親自身が苦しんでいることが要因で毒親化したということになります。
最初は親子でのちょっとした気持ちのすれ違いだったものが、どんどん亀裂が深まり決別するまでの関係になってしまったのだと感じました。
毒親の気持ちも分かる部分があるので、なんともやりきれないところでもあります。
毒親に悩んでいる方だけでなく、お子さまを育てる親や家族関係で困っている方の支援をする側の方も読んで損のない1冊です。
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