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鳶/古川真人[感想,批評]

感想

 稔が親戚の結婚式に参加する。式場の上空に飛ぶ鳶を見て、ある日に父と散歩した日も、同じように空に鳶が飛んでいたと思い出す
 脳には物事を連想ゲームのように思い出す仕組みがある。例えば散歩中に雨が降ってきたならば、あなたの脳は雨に関連した出来事を思い出すだろう。この作品はその仕組みと小説の攻勢が関連付いている
 具体的な内容には触れないが、この作品のポイントは父と稔の関係ということになるだろう。多くの日本人家庭では、父と息子がべったりくっついて、一緒に行動するということはない。吉川家では父と大きくなった息子の距離感がどうなのか、二人の関係性がこの作品から見えてくる
 あまり長くないので、気負わずに読めると思います。手に取ってみてはいかがですか?

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