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書きたいことを書きたいだけ

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私の聖地、鎌倉①

一人で訪れたのは、おそらく九年ぶりだと思う。 本当にたまたま、色んな条件が重なって、一人で自由に動ける時間が出来た。 そうなったら行きたい場所はひとつ。 私の聖地、鎌倉である。 日帰りで行くには少し遠いけれど、どうしても行きたい。 行こうと思えば今日行ける… そう気付いたら、もう行くしかなかった。私は遠距離恋愛中の恋人に会うような気持ちで電車に乗った。 電車の窓から見える景色は、新緑の木々が眩しかった。 思えば、初めて鎌倉を訪れたのもこの時期だったと思う。 十二年ほど前

    • 日中の日差しにすっかり夏を感じて半袖を着るようになったのに、夜はまるで冷蔵庫の中にいるかのような冷たい空気に包まれていて、放り出された腕が少しずつ冷えていく。この街の暑さと寒さにはまだ慣れていない。時々ここは砂漠かと疑いたくなる。 お風呂上がりは窓を全開にして涼しい風を感じていたのだけれど、寝る前となるとさすがに寒くなってきたな…と窓を閉めようとしたら、真っ暗な空にひとつ、星が見えた。雲の隣で、小さな光を届けてくれている。 実家にいた頃、よく自分の部屋の窓を開けて電気を消

      • 「幸せになりたい」と思ったことがない

        思春期から青年期にかけて、私は恋愛を拗らせていた。 昔の私は「私のことを好きになる異性なんていない。いる訳がない。いたらその人は頭がおかしい」と思っていた。 そういう風に思うようになったきっかけを掘り下げていけば色んな要因があるのだとは思うけれど、探っていくと傷口に塩をぬるような作業になりそうなのと、今そんなことがしたい訳ではないので一旦置いておく。 ただ、不思議なことに、他の人間関係に関してはいたって良好だった。 友人に対しては「好きな人と一緒に居ていい」「相手もたぶん

        • 恐ろしいパンとの再会

          車で5分とかからない場所に、お気に入りのパン屋さんがある。 今時のお洒落な雰囲気ではなく、外観はいたって普通の街のパン屋さんというテイストなのだが、ここのパンはとにかく素晴らしい。 このパン屋さんとの出会いは夫がきっかけだった。 私は前職で電車通勤をしていて、その通勤電車から外の景色を眺める度にとあるパン屋さんが目に入っていた。 朝の光の中に佇む、小さなパン屋さん。理由はわからないけれど、何故か気になる存在だった。 私が朝電車に乗るのは7時過ぎ、帰宅は18時半以降だった

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        私の聖地、鎌倉①

          川とビルと珈琲の街

          今朝は突然、無性に安藤裕子の「JAPANESE POP」が聴きたくなり、ここ1週間高熱で寝込んで疲れ切った病み上がりの体を休ませながら、今日は何故かこの音楽の気分なんだな…としみじみ思っていたところ、ふと窓の外のこれでもかという程晴れ渡った空が目に入った。 安藤裕子と晴れた空、そしてこのひんやりした季節。 私の思い出がぶわぁっ…と蘇った。 大学の頃、大阪の北浜という街にあるカフェでバイトをしていた。 4回生(関西では何年生ではなく何回生という)の秋から卒業までのほんの半年

          川とビルと珈琲の街

          小窓に月

          夕方、窓を開けてキッチンに立っていた。 今夜のリクエストはポテトだ。 子どもたちは何が何でもポテトが食べたいらしく、ポテトさえあれば後は何でもいいらしい。この雑さ、助かると言えば助かる。 真夏の揚げ物といえばなかなかの苦行だが、ここ最近は苦行と呼ぶ程でもなくなって来た。真夏の揚げ物でかく汗が滝ならば、今日の汗はコップに張り付く水滴よ…と言ってもいいくらい、ジワっと程度だった。確実に秋の足音が聞こえて来ている。 じゃがいもの芽を取り除き、細めに切っていく。私はポテトといえ

          小窓に月

          静かな海

          8月22日、海に来た。 泳いでいる人は数組。申し訳程度にオープンしている海の家の音楽が遠くまでしっかりと響き渡る程、誰の声も聞こえない。 静かな海だ。 夫と子どもたちは泳いでいるが、私は木陰にいる。 木陰でも「うっ…」と苦しくなるくらいの熱風と、少しだけひんやりとした風が交互にやってくる。うっすら蜃気楼も見えている。 誰かが近くに来る気配すらないので、海の家の音楽に被せるように自分の好きな音楽をスマホから流し、海を眺めている。贅沢な時間である。 と打っていたら突然人の声

          静かな海

          七月二十一日、強い雨

          突然、轟音と共に土砂降りの雨が降って来た。 梅雨梅雨詐欺の晴天が続いた後の、久しぶりの雨だ。 こんな日に聴きたくなる曲がある。 安藤裕子の、この曲だ。 (この記事のタイトルも思いっきり被せてみた。) 六月生まれの長女が私のお腹の中にいた頃、この曲を聴きながら「十三日に生まれて来てもいいんだよ〜。」と話しかけていた程、とても好きな曲である。 大粒の雨が横殴りになって来た。 今月は何かとイベントの多い月だった。 アレが終われば次はコレ、コレが終われば次はアレ… そんな中

          七月二十一日、強い雨

          勝手に好きになって勝手に失恋した気分

          最近好きになった歌がある。 これから綴っていく内容的にタイトルは伏せるのだが(え?)、どうしようもなく優しい声で歌われる夏らしく軽快なメロディーライン、爽やかな片想いを描く言葉、それを素敵に彩り心ときめくような音を奏でる楽器たち。ああ夏だわぁ〜恋っていいわぁ〜〜と思い出させてくれる歌に出会った。 この歌をおすすめしてくれた友人はSpotifyだ(Spotifyを擬人化してるやばい人は私)。 彼女(=Spotify)は度々、ピンポイントで私の好みにぴったりの歌をおすすめしてく

          勝手に好きになって勝手に失恋した気分

          誕生日の過ごし方

          昨日は私の誕生日だった。 2週間ほど前、夫に「何か欲しいものある?」と聞かれたのだけれど、今欲しいものと言われても特に思い浮かぶものはなかった。 でも何かしらの形で祝ってもらえるのは嬉しいことだから、せっかくだし何かはしたい。物はいらないけど… そう考えていた時に、パッと思い付いたのが 「あそこのお店のカレーが食べたい!!!!!」 ということだった。 "あそこのお店"とは、子どもたちが生まれる前に二人で時々行っていたお店のことだ。 そこはそれなりのご年齢のご夫婦がお

          誕生日の過ごし方

          やってらんないわ

          私がこの世で1番嫌いな環境は多湿だ。 気温はさほど上がっていなくても、湿度が上がるにつれ色んな気力が奪われていく。 この時期の私は、毎日がぐでたまのような状態であり、それを騙し騙し、何とか1日1日を凌いでいるのである。 今週は週半ばで子どもが発熱し、後半は看病に明け暮れていた。 ただでさえ湿度が高く不快指数MAXな状態に加え、睡眠不足による頭痛や倦怠感が積み重なってくる。 土曜日には解熱したものの、病み上がり状態でどこかに出かけるわけにも行かず、ひたすら家の中でムシムシと

          やってらんないわ

          食材つかい切り週間 メモ④

          朝起きたらお腹が痛かった。 私は元々胃腸が弱く、冷えやストレスなどが全力でお腹をやっつけに来るタイプなのだけれど、今日の腹痛はなんだかいつもと違う。 とにかく、お腹の張りを感じる。 なんだろ… と思い返したところ、昨日蒟蒻畑を一気に5個、勢いよく食べたことを思い出した。 絶対にあれが原因だ。 蒟蒻畑とは随分ご無沙汰していたのだけれど、数週間前に夫が何気なく買って来たところから「やっぱ美味しいなこれ」となり、それ以来我が家の常備菓子となった。 最初は1日1〜2個に留めて

          食材つかい切り週間 メモ④

          食材つかい切り週間 メモ③

          今日は暑い。とにかく暑い。 しかし湿度は低く、カラッとした暑さだ。 こんな日は洗濯洗濯!掃除掃除!と朝から張り切りすぎてしまった。 忘れていたが、今日の私は寝不足だった。 昨日は諸事情で眠れなかったのだ。 お昼前には謎の馬力で家事をこなしまくったツケがやって来ていた。 もう何もしたくない… 今日は少し前に買ってあった、冷やし中華の麺でも茹でますか。 《7月6日 木曜日》 ◎冷やし中華 頂き物のきゅうりが大量にあるのでどんどん消費したいところだったが、1本も刻めば冷や

          食材つかい切り週間 メモ③

          食材つかい切り週間 メモ②

          昨日買い物をしなかった(厳密にはヨーグルトを買ったけれど)だけで、こんなにもすっきりするのかしら…というレベルで、冷蔵庫の中身が見やすくなった。 それでもまだまだ、我が家には沢山の野菜たちが待機中だ。 《7月5日 水曜日》 ◎カレー風味のポテトサラダ 我が家のポテトサラダは、つぶしたじゃがいもにパルメザンチーズを混ぜるところから始まる。具材はその時々であるものを入れるが、今日はハム、きゅうり、とうもろこしで。きゅうりは薄く切って塩揉みし、水分を切ってから入れる。とうも

          食材つかい切り週間 メモ②

          食材つかい切り週間 メモ①

          今、我が家の冷蔵庫はパンパンだ。 うちのご近所さんはご自身で畑をされている方が多く、本当にありがたいことに、そこで採れた新鮮な野菜たちを定期的に我が家へ分けてくださる。 最近いただいたのは、なす、トマト、ピーマン、きゅうり、いんげん等々… それはもう惜しみなく、大量にくださる。 冷蔵庫に入れないメンバーもいるほどである。 そこで私は決めた。 今日から何日かは、スーパーで買い物をせずに過ごしてみようと! ついでに、頂き物で何を作ったかメモ程度に記録していくことにした。

          食材つかい切り週間 メモ①

          乾いた夏のはじまり

          今朝、子どもたちをバス停まで見送り、去り行くバスに手を振っていた時。 ふと気付くとバスの窓に雲と青空が反射していて、子どもたちがまるで空に浮かんでいるかのように見えた。 雲の形はもくもくとしていて、あぁ夏だなぁ…という感じがした。 空はカラッと晴れている。 帰宅して食器などを片付けた後、突然思い立ち、家の周りの草むしりをすることにした。 最近ものすごい勢いで生えてくる、小さな緑たちが気になっていたからだ。 何の肥料も差し上げていないにも関わらず、よくもまあこんなに元気に

          乾いた夏のはじまり