3日坊主が日記を書きます。世の中の片隅にちょっと生かしてください。

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おとさんの夏休み④旅をしようよ

 おとさんが楽しみにしていた金沢21世紀美術館を後にして、旅の2日目のお昼も空腹を抱えて次の目的地へ向かう。  回転寿司とかあるだろうと車を走らせた。  いやあ走れども走れども回転寿司どころかお店らしきものが見つからない。外食しないの?買い物はどこでするの?とのどかな風景を見ながらすすむ。  ちょっとお店らしきものが見えてきた大きな通りで、Availを見つけて入る。  おとさんが何故かパンツだけ持ってくるのを忘れたらしい。パンツだけ買うつもりが、おさるのジョージを見つけたら、

    • おとさんの夏休み③旅をしようよ

       道行く人たちが無言で暑さを訴える昼下がり。空腹を抱えた私たちも無言で暑さを訴えながら、背中を丸めて歩く。  軽く何か食べることができたらという願いはむなしく、なんにもない。あった~と思った寺カフェはclosed。  にし茶屋街へ行こうと歩くとソフトクリームか何かを食べて歩いている人とすれ違う。何かあるだろうと期待して、ちょっと勢いづいた。  けれども。  大きな道に出て見回しても、何にもない。コンビニを見つけ、飲み物を買う。  振り返るともう一つ道を先に行くとにし茶屋街があ

      • おとさんの夏休み②旅をしようよ

         夏休みの終わりに家族旅行を計画し、楽しみにして夏休みを迎えようという矢先、月が学校の課題を出していなかったことがわかった。  受験生としての自覚がたらーんと緊迫した状況になり、もはや旅行どころではないかというくらい。  おとさんがこれほどに緊迫したのは初めてではないかしら。  月に悲しい思いをさせたくないのだ。  私も悠長に大丈夫なんて言っていたけど、これはいかんとなった。  月に課題提出の意味を話して、無理なら無理で相談をするとか、放りっぱなしにしないことを話す。そして仕

        • おとさんの夏休み①旅をしようよ

           おとさんが、今の職場で働いてもう15年は過ぎたと思う。  なかなか連休もとりにくく、お盆やお正月も関係のない仕事。  それでもたまには、二連休や三連休をとって、キャンプや旅をした。  今年は職場でいろいろあって、大変そうだった。仕事の話は家にはあまり持ちこまないけど、帰宅時間が安定して遅い。疲れているのがよくわかる。  若い子が入れ替わる職場では中堅どころをちょっと通り過ぎて、割りと古参どころに近づいて、ちょっと複雑な立場にいるおとさんは多分に厄介事を引き受けている様子であ

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          中3の夏休み

           のんびりマイペースな月もいよいよ中学3年生。  小学生の時は 「学校ぶっ壊せ。学校なんてなくなればいい。」 「なんで勉強しなくちゃいけないの。」 「いつまで勉強しなくちゃいけないの。義務教育なんていらない。」 「義務教育が終わったら勉強しない。高校も大学もいかない。」 といい続けていた。  中学に入っても、毎日がんばっているけど、勉学はふるわず、 「学校行きたくないなぁ」 とつぶやきながら登校する日々。  その月が受験生。高校を目指している。学校で進路についてシュミレーシ

          中3の夏休み

          私は何を怖がっているのだろう

           七夕を前にセミが鳴きだした。シャンシャン言うのはクマゼミかな。  毎日スマホ片手にパート探しをしている。 桜の季節には新しい仕事をしているはずが、セミが鳴いても仕事が決まらない。  仕事が決まらないのは、2つ。1つは、自分で条件をせばめているから。もう1つはやりたいことが見つからないから。  今まではやりたいことだったので、時給や勤務時間が希望に合わなくても、折り合いをつけていた。不満もいっぱいあったけど、やりがいがあったし、学ぶことも多かった。 初めての職場にとびこむのは

          私は何を怖がっているのだろう

          もう履歴書なんて書かない

           4月からずーっとパート先を探している。  心の教室相談員を1年だけ勤めた。けれど、息子の体調が不安定になり、仕事を時々休むかもしれない事態となって、1年で辞めることにした。私が仕事を休むと心の教室に来る子どもたちも休む。それでは本末転倒だ。続けたいけれど辞めることにした。  できれば子どもと関わる仕事がしたいなあと、放課後等デイサービスや発達支援の仕事を探した。前から気になっていた事業所の求人が運命かと思うようなタイミングで、目に止まった。  すぐ応募した。勤務時間も少々の

          もう履歴書なんて書かない

          くもをさがすを読んだので

           4月から働くつもりが、気持ちの整理ができなかったのもあるけど、なかなか仕事が決まらない。履歴書書くのも疲れた。それが5月の半ばくらいのこと。  いやでも、6月には働き始めるぞと気を取り直して、仕事情報をあちこち探しては応募して、面接して返事待ってたら、6月になってしまった。  その間に、鼻水ズーズー咳ゴホゴホで、人前に出れなくなった。  ちょっと良くなるかと思うと、声が出なくなり、ちょっと良くなったかと思うと、耳が痛くなり。右腕があがらなくなり、右足が痛くなり。  一つ一つ

          くもをさがすを読んだので

          あじさい寺へ行きました。

           おとさんの仕事のお休みの日。おとさんがあじさいを見に行こうと言いました。  5月の半ばくらいからずーっと体がグズグズ。良くなるかと思うとまた悪くなり、重い体。梅雨の空のようにスッキリしない日が続いているおとさんと私。家にいるとゴロゴロして、いつまでもどよよんだ。動き出しましょう。  あじさい公園へ向かっていたら、5,6年前に行ったあじさい寺に行かないか?っておとさん。我が家にも、その時迎え入れた山あじさいが3種類くらいあって、今年はもう花を終えた所だ。  あじさいは日に

          あじさい寺へ行きました。

          大丈夫が必要だった。

           5月頃から、入力と出力のバランスが崩れている。心も体も。 おとさんがゴホゴホズーズー咳と鼻水がにぎやかになって、黄砂かなと言っていた頃、私も1週間遅れでゴホゴホズーズー。  おとさんが喉が痛いと言い出し、なんだか倦怠感でぼーっとしだした。熱はない。  しばらくすると私も同様に喉が痛いし、倦怠感。  6月には仕事を決めて働き始めるはずが、ゴホゴホズーズーで面接にも行けない。食欲も落ちた。体重も落ちた。これは万歳。  気持ちの上でも、いろいろ受けつけない。読みたかった本を開い

          大丈夫が必要だった。

          珊瑚樹には蜂がくる

           朝食の支度をすませると、生ゴミを木蓮の木の下にうめる。ミミズが忙しく土にもどる。そして、おとさんが植えた木や植物に挨拶してまわる。今年は玄関先の珊瑚樹が元気で蕾がいっぱい。お隣の沙羅もいつになく蕾が多い。蕾がふくらんでいくのを楽しんで見ていた。  そんな毎日の中で、月を送り出した後、いつもぶんぶんぶんぶん羽音がするなあと思っていた。時々黒い蜂の姿を見かけた。でも、他の時間は音がしないから、どこかから飛んで来ているんだなあくらいに思っていた。  ウォーキングから帰って来て、縁

          珊瑚樹には蜂がくる

          動画が拡散されていく恐怖

           インスタ映えなんて言葉が当たり前に存在するようになり、Instagram、Twitter、Facebook、TikTok、You Tube、LINEといったあらゆるもので、気軽に写真も動画も発信できるようになった。美しいものも、そうでないものも。  バズるなんて言葉も普通に使われるくらいに、気軽にポチッと発信したものがあれよあれよと拡散されることも多い。  デジタルタトゥーなんて言葉もあるな。気軽に発信したものが消えない。思わぬところにまで届き焼きつけられる。  知りたいこ

          動画が拡散されていく恐怖

          鬼の霍乱みたび

           雨がザーザー降ってきたり、UFOがあっち行ってこっち行って落っこちたりする6月6日に私は散歩がてら、病院へ行った。おとさんと一緒に。  五月半ば頃、黄砂に吹かれて、恋の歌は歌わねど、鼻水がとばらだい。いや、とまらない。夜は咳に悩まされ。自分の声を忘れるくらい見事な鼻声にハスキーボイスも加わって、 「大原麗子です」 と明石家さんまさんの真似をした。おとさんと一緒に。  実のところ私より先に鼻水がズビズバ言っていたのはおとさんで、ティッシュを抱えて暮らしていた。  おとさんは仕

          鬼の霍乱みたび

          3世代で旅をした。 おしまい

           糸操り人形の世界を堪能して、気がつくと13時すぎ。さーてお昼。和食の予定だった朝食を食べそこねた月は、和食がいいという。グルメガイドのリーフレットをいただいたので、和食を食べるなら、これだ!とナビに設定。意外に近い。  ナビに案内されると細い道を行き、こんな所にあるの?というくらい古くからの住宅街の一角にその店はあった。遊び処って書いてある入り口は、小さくお忍びで通いそうな佇まい。とても敷居が高くて入れない。  あきらめて、インターを目指しつつ探す。1つダメとなると次々ダメ

          3世代で旅をした。 おしまい

          3世代で旅をした。 その5

           お風呂でくつろいで、旅の最後は竹田扇之助記念国際糸繰り人形館。  操り人形も体験できるらしい。みんな喜びそうだと思って選んだけど、今回の旅の中で私が一番楽しみにしていたトコロナノダ。た~のしみ〜。  父に元善光寺の話などを聞きながら向かうと、駐車場がけっこう賑わっている。辛うじて最後の1台が空いていたのでとめた。うーん、前には長い石段が。これはさすがに車椅子を持ち上げるのは無理だね。みんなに待っていてもらって、車椅子で行ける道を尋ねに行く。  石段をあがると、桜まつりのよう

          3世代で旅をした。 その5

          3世代で旅をした。 その4

           旅の最終日。  トイレに起きる母を気にしつつ、寝ていた。真っ暗な夜中、人の動きがあったので、起きると父がのそのそ歩いている。暗くて見えないので、歩きにくいのだ。母のトイレだと思って、あわてて起きて、 「かわるよ」 と近づいていったら、 「いや、ぼくの」 って言うので、、そりゃかわれんなとふとんに戻って寝る。  一寝入りするとゴソゴソするから、起きたら今度は母だった。トイレまでは車椅子で自分で行けて、見守るだけ。トイレの中だけ狭いので、ちょっとお手伝い。  幸いトイレは1度で

          3世代で旅をした。 その4