0から1へ。ハッシャダイの講演は「沖縄」から始まった。
今では、全国100校以上の高校と連携して行う「CHOOSE YOUR LIFE!講演」。
その始まりが沖縄にありました。
今回の記事では、ハッシャダイソーシャルが講演活動を全国的に行う前、まだ学校講演をしていなかった頃からさかのぼり、なぜ沖縄から活動を始めていったのかを深ぼります。
インタビュイーとして取材を受けたのは、弊団体の代表理事 勝山恵一 と「沖縄の可能性を解放する」をモットーに活動をされているHUBSTA株式会社 代表取締役社長 玉城英雄さんです。
二人の熱量ある会話から、沖縄でこれから起こっていく「動き」がどれだけ大きなうねりになるのか、インタビューをしていてワクワクが止まりませんでした。今日はそんなワクワクを、読んでいるあなたにも感じてほしいです。最後までよろしくお願いします。
担当は、HASSYADAIsocialの森本です。
インタビュイー紹介
勝山恵一 / 一般社団法人HASSYADAI social 代表理事
玉城英雄 / HUBSTA株式会社 代表取締役社長
何のために生きるのか。
──今日はよろしくお願いします。早速なのですが、玉城さんと勝山さんの出会いから聞かせてください!
玉城:6年前ほど遡ります。勝山さんと出会う前に、ある方との出会いがありました。
2018年にシアトルで行われたマイクロソフト主催のグローバルリーダーを育てるプログラムに参加しました。そこで同じく参加していた成田さん(当時は大学生)と出会いました。その成田さんと考え方で意気投合して。
成田さんに自分の熱い想いを語ったんですよね。たしかテーマは「何のために生きるのか」についてで。僕は父が沖縄、母が埼玉出身、育ったのは沖縄なのですが、「沖縄と埼玉の間をつなぐ。もっと言うと、育った沖縄の選択肢と多様な機会を、与えられるような生き方をしたい」というのを話して。
──すばらしいですね。
玉城:それならば、めちゃめちゃ紹介したい企業があるんだと言われ紹介されたのが株式会社ハッシャダイでした。
そこで勝山さんと出会いました。まだハッシャダイが渋谷に拠点を構えてた時期ですね。
勝山:ちょっと僕視点で話してもいいですか。
──ぜひ!
ハッシャダイと教育との「出会い」
勝山:玉城さんと初めて出会ったのは2018年の5月くらいなんですよ。
じゃあ、そもそも玉城さんを紹介してくれた成田さんとどうやって出会ったのかという話なんですけど、2018年の2月くらいにハッシャダイがNHKドキュメンタリー「人生デザイン U-29」に取り上げていただいて。
そのメインで取り上げていただいたのが、僕(勝山)の人生でした。
ちょうどその番組を見ていただいた方からハッシャダイのホームページに長文でメッセージが届いて。
そのメッセージは、当時東大の一年生、にしおさんという方からでした。そこに書かれていたのが、こんなメッセージです。
──想いが溢れていますね。
勝山:こんなメッセージが今までハッシャダイに送られたことがなかった中で、大学一年生でこれ送ってくるのスゲー!みたいな話が会社の中で話題になってたんですよ。
僕もにしおさんの想いに感動して、フロントになって連絡取らせていただくことになりました。そして、渋谷の珈琲館で会うことになって。
そこでにしおさんの方から「ハッシャダイさんが教育的なアプローチをしていくことが価値につながっていくのではないか。」という話がありました。
ただ、自分なんて学歴もないし、当時、学校に対していいイメージを持っていなかったので、どうやったら学校とそういう取り組みができるんですかね、と質問をしたら、
教育に対して熱意をもって取り組んでいる友達がいるんですと言われ、紹介されたのが成田さんでした。
成田さんもにしおさんも同じ団体(Biz japan)に関わっていて。そこからの繋がりで一緒に企画を立てたり、実際にコラボしたりもしました。
※ヤンキーインターン生と東大などの大学生が一緒に企画を練っている様子↓
勝山:元暴走族で大阪トップ取ってたのような男と、今JAXAで働いているような東大生が一緒に企画を立てているという(笑)。
玉城:ミックスがすごい。
勝山:そこからのご縁で、教育に関してだったらめっちゃ熱い人がいますと紹介していただいたのが、玉城さんでした。
──ここで玉城さんと繋がるんですね。それまでにハッシャダイとして、学校に対してアプローチがなかったことに驚きました。
勝山:なかったですね。どちらかといえば、自分は「ヤンキーインターン」のロールモデルのような存在だったので、ヤンキーインターンを進学、就職以外の第3の選択肢にしていきたいという想いがありました。
その中で、多くの若者に「CHOOSE YOUR LIFE」(自己選択していく)という機会を届けていきたいという想いもあって。
それは自分の地元に自分の人生を諦めているだとか、自己選択ができていない同世代が多かったので、ヤンキーインターンを通して、自分の人生をCHOOSE YOUR LIFEしていく機会を届けるきっかけを届けていたけど、学校を通してという視点はもっていなかったんだと思います。
負だと思っていたことが、強みに変わるかもしれない。
──勝山さんと玉城さんが出会ってから、どんどん沖縄での取り組みが始まったと思います。そこからどのようにしてハッシャダイとしての学校講演が始まったのですか。
玉城:そうですね。ハッシャダイが株式会社だったので、学校に対して「ヤンキーインターンの説明会をさせてください」などのお願いは厳しいだろうなと感じていました。なので、一名でも多くの人に伝えるために、キャリア講演という形で学校に関わることができないかと考えました。
そのために、まずは僕たちが学校に直接アプローチをかけて、それがメディアに掲載されて、取り組みが広がっていけばいいなと感じていました。
勝山:そもそも僕たちがどうして沖縄から始めたのかというと、当時ハッシャダイカレッジとハッシャダイ研究所があって。
ハッシャダイ研究所のほうで玉城さんも入れて話していく中で、ヤンキーインターンで掲げている「選択格差を是正する」という想いと、沖縄の貧困の課題であったりだとか、シングルマザーなどの課題によって、自分の人生を選択できていない若者たち多くいるという現状がマッチしました。
僕たちがキャリア教育の機会を届けることによって、選択格差を解消していくために「まず始めるなら沖縄から」という想いが湧き上がってきました。
──なるほど。今全国で100校以上の講演をしている中で、0から1が沖縄から生まれたのは、そういう課題意識からだったんですね。
勝山:そう、そう。0から1の活動をしていくなかで、何で最初沖縄からだったのかというと、やっぱり本当に、自分の人生を自分で選択できないような環境下にいるような若者たちが多くいるのはどこなの?って考えた時に、沖縄という選択肢が生まれたって感じですね。
玉城:そうですね。当時、沖縄って全国で大学進学率が一番低かったんですけど、これが逆に沖縄の強みになるんじゃないかって思ったんですよ。
大学に行かなくとも、ハッシャダイと出会ったことを通して1秒でも早く社会で戦えるような人材になるという可能性が生まれる。
大学進学率が低いという、今まで負として捉えられていたことが、もしかしたら強みに変わるかもしれない!と強く思ったのを思い出しました。いま。
──おもしろい話ですね。ヤンキーインターンという選択肢をもっているハッシャダイだからこそ出せる価値がありそうですね。
玉城:そうです。当時、大学進学率はたしか40%くらいだっと思うんですよ。ってことは、約6割が専門学校や卒業したら働くという道を選ぶ中で、18歳でヤンキーインターンに参加するという選択肢を届けられることにとても価値があると思ってました。
沖縄の中でエリートと呼ばれていた秀才たちが、大学に進学し、将来について悩む姿も見た中で、その人たちが卒業する頃には、一流のビジネスマンとして社会で活躍できる可能性がある。
先天的(生まれ持っている性質)な家庭環境や条件などにしばられず、情報を知っているというだけで自分の人生を切り拓ける機会を、ぜひ沖縄で提供したい。と話したのを覚えています。
「あれ、私にもできるんじゃないか」という感覚。
──なるほど。ハッシャダイと高校生たちが出会うきっかけをつくるために、「キャリア講演」という形をとったんですね。
玉城:おっしゃる通りです。沖縄の若者こそ「CHOOSE YOUR LIFE」すべきという話を勝山さんとさせていただいて、そこで特に意気投合しましたね(笑)。
勝山:ハッシャダイの課題意識として、僕の地元も僕もそうだったんですけど、そもそも地元から移動しない人が多い。
関わる大人もコミュニティも移動しないから、進学の選択肢もキャリアの選択肢も知らないので、結局、進路も人生も消去法で選択してしまう人が多いと感じていました。
──「それしかないから」ということですか。
勝山:そうです。こういう状況に、マクロなデータ的にも沖縄の選択格差が大きかったというのと、玉城さんが沖縄で育ってきた中でのリアルな現状が合わさって、沖縄から始めようと思いました。
移動体験や多様な選択肢を届けて、「CHOOSE YOUR LIFE」できる人を本当に増やしたいという想いが僕にも玉城さんにもあったので、この取り組みを始めることができました。
玉城:やっぱり、周りの働くロールモデルが少ないことに課題意識がありましたね。当時、勝山さんとか23歳くらいだったので、高校生からしたらちょっと上の先輩。
高校生たちが勝山さんのような人たちと出会うことによって「あれ、私たちでもできるんじゃないか。」と思えること自体が、自分達の蓋していた可能性を取っ払える大きな機会になるんじゃないかと思いました。
玉城:そんな若者がいることに対して、「CHOOSE YOUR LIFE」を一人でも多くの若者に届ける。メディアに取り上げられたら、もっと多くの機会を届けられるからと言って、熱意で営業をしていましたね。だからこそ、届けることには大きな意味があったんだと思います。
勝山:そこからすぐに学校のアポリスト作って、もうすぐに沖縄向かって一緒に営業しにいってましたね(笑)
──熱い。。
勝山:玉城さんと僕の共通点として、訪問販売の経験があったんですよ。同じ組織グループで訪問販売をしていた時期がありましたね。
そこから、一緒に学校を1校1校訪問していて。
玉城:そこで3校の高校と連携させていただくことになったんですよね。
勝山:その3校とは今でも連携させていただいてます。当時、何の実績もない、何をしているのかもわからない僕たちを信じてくれたのは、本当に嬉しかったですね。
──その3校から始まっていくわけですね。
玉城:これも運命的だったなと思うんですけど、当時の先生方もこういうのが必要だと感じつつ、それまでは手段がなかったと思うんですよね。
それを学校で、コンテンツとして教育として、届ける機会がある。今まで課題意識はあったけど、届けられないもどかしい気持ちを持っている中で、この連携が決まったと思っています。その先生方は学校を移動しても違う学校で関係性を築いてくださるので、本当に出会えてよかったなと感じます。
──いやあ、素晴らしい。
──そこから、講演が始まって玉城さんが「やってて良かったな」と感じることはありますか。
玉城:やっぱりやってて良かったと思うのは、この講演や授業を通して、本当に人生変えている人がいるということです。例えば、「推薦入試で自分の学力より1ランク2ランク上の大学に進学する」とか、「沖縄で暴走族をやってたような高校生が、東京でプログラマーとして500万〜600万稼げるようなエンジニアになった」とか、目に見える事例が生まれ出したことは、本当にやってて良かったと思います。
──素晴らしい話でした。本日はありがとうございます!
編集後記
玉城さんと勝山さんの話を聞いていて、ヤンキーインターンが存在する意味や、ハッシャダイソーシャルが活動している意義が垣間見えたような気がします。
個人的には、多くのロールモデルと出会うきっかけを提供することで「あれ、自分にもできるんじゃないか」と思い、自分の可能性に蓋をしていた若者が変わっていく流れを聞いていて、熱い思いになっていました。
僕の地元にも、同じような若者がいます。その人を否定するわけではないし、人によって様々な道はあるのだけど、それでも、選べる選択肢があるということを知ってほしいと思います。
それは生まれや環境によって左右されてしまうものかもしれないけれど、そういった課題があることが、ハッシャダイソーシャルとして活動していく大きな意味なんだなと改めて実感しました。
これからもハッシャダイソーシャルは、少しでも多くの若者に「CHOOSE YOUR LIFE」を届け、選択格差を是正するための取り組みを行なっていきます。
一緒に若者の可能性を信じて、応援していきましょう。
あなたの寄付が、若者の可能性を『応援する力』に変わる。
全国の学校や少年院・児童養護施設等に、様々な「Choose Your Life」の機会を届けているハッシャダイソーシャルの活動は、全て皆様の寄付のおかげで成り立っております。
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