明日から訪問リハビリのために今日はヘルパーさん、ケアマネさん、訪問リハビリの責任者の方とお話。さて、明日からリハビリできんのか。。と思いつつ明日からは一人だよ!!と義父にいうと、めっちゃ不安そうな顔をしてこちらを見てきた(笑)結局一回目は付き添うことにした。まぁこれも親孝行かな。
吐き切れば勝手に入る秋の息 ご利用者さんに「深呼吸してください」と言います。 みなさん、一生懸命、息を吸います。 「まず、ちゃんと息を吐き切ってください」と伝えます。 息を吐き切れれば、肺は陰圧なので、あとは勝手に空気が入ります。 呼吸は、吸うよりも吐くほうを意識することです。
春を待つ平行棒の歩みかな 平行棒は、手すりを持って歩く練習をするための道具です。 病院のリハビリ室にあります。 自宅療養しているお母さんのために、 自宅にミニ平行棒をレンタルした息子さんがいました。 お母さんが「息子のために頑張ってリハビリして、お花見行くわ」と言ってました。
寒燈のリモコン遠き棚にあり 寝たきりの患者さん。 自分でリモコンのスイッチが押せるのに、 家族が、電気の消灯をしています。 「おばあちゃん、無理せんでいいよ」 と言って、リモコンを使わせてくれません。 リモコンを使ってもらうように、 家族にお伝えしたら、 喜んで使っていました。
春近し孫の挙式に背広着て 在宅酸素をつけている患者さん。 「孫の結婚式が、4月にあるんや」と言いました。 背広を着て、出席したいそうです。 2時間以上も椅子に座っている体力はないですが、 別室で休みながらなら、出席できそうです。 その日から、しんどいリハビリを頑張っていました。
冬の道自分の足で歩みけり 「先生にリハビリしてもらって だいぶ良くなりました」 とよく言われます。 その時、僕はいつも、こう答えています。 「リハビリを頑張っているのは、 患者さんです。 その頑張りがないと、 良くはなりません」 みなさんは、自分の道を、自分の足で歩いています。
お手洗い杖ホルダーの冴ゆる音 「杖ホルダー」というのがあります。 杖を倒さないために、杖の根元に取り付けるアクセサリーのことです。 外出先などで杖を立てかけておくと、杖が倒れてとしまうことがあります。 テーブルや棚の端などに引っ掛けておくことで、杖が倒れるのを防いでくれます。
ボヤき吐く言語訓練冬の鵙 男性の認知症の患者さんの訪問に伺うと、 機嫌が悪いときでした。 ソファーに座って話を聞くと、 患者さんのボヤきが始まり、 ずっと聞いていました。 いっぱい喋って気が済むと、 ようやく落ち着きました。 うんうんとうなづいて話を聞くのも、 僕の仕事です。
北風や転ばぬ先の杖持ちて 認知症の患者さんと家の周りを歩く練習します。 出掛けるときに、いつも杖を持っていくのを忘れてしまいます。 家の中は杖をついて歩いていないので、なおさらです。 患者さんが何も持たずに出掛けようとすると、 「はい、転ばぬ先の杖です」と言って、杖を渡します。
孫走る運動会を見るために 「お孫さんが走る運動会を、 見に行きましょう」 みなさん、お孫さんには弱いです。 「かわいい孫のためなら」 という動機が、頑張れます。 「ベッドから起きて、車いすに 1時間でも座ることができたら、 見に行けますよ」 実現可能な目標で進んでいけます。
麻痺の手のゆがんだ文字の年賀状 麻痺のある手で、 一生懸命書いたご利用者さんの 年賀状を見たときに、 すごく嬉しかったです。 年始の訪問で、 ありがとうございます、 と感謝の気持ちを伝えると、 笑って喜んでおられました。 「リハビリの仕事をやっててよかったな」 と思う瞬間です。
秋深し首脳会議の長電話 新型コロナの影響で、首脳会議がオンラインで 開かれているニュースがありました。 それを見て、 「私たちも、首脳会議をしないといけないわね」 とおばあちゃんが友だちと言ってました。 「結局、あれこれと2時間くらい喋っとった」 女性は喋ってナンボですね。
寒梅に杖が止まりて立位保持 「何か持っていいですから、立ったままじっとすることができますか」 と室内で声かけして練習するよりも、 効果的なのが、外歩きです。 今なら、梅のつぼみが膨らんで、中には咲いている梅も。 立ち止まって、じっと見ているだけで、立派な立位訓練になります。
リハビリで夢見る先の花見かな 「今はリハビリを頑張って、 春になったら、一緒に桜を見に行くよ」 息子さんが、寝たきりのお母さんに 声を掛けていました。 お母さんは、言葉は話せませんが、 小さくうなづいていました。 話しかけている息子さんを見ている目が かすかに潤んでいました。
福耳のあだ名付けられ冬の声 僕は、耳たぶが大きいです。 いわゆる「福耳」です。 ある認知症の患者さんの家に、 初めて訪問して挨拶したときに、 「あんた、耳たぶ大きいねえ~、福耳やね~」と言われ、 それ以来、僕のことを、 「福耳さん」 と呼んでくれました。
寝たきりの口は達者や声冴ゆる 寝たきりの患者さんですが、よく喋ります。 家族の人に、「〇〇取ってくれへん」とよく頼んでいます。 手足が動かなくても、自分喋れれば、 何でも伝えて、協力してもらうことができます。 自分で「口が達者やから、まだ元気やで」 とガハハハと笑っていました。
歩行器の持つ手悴む散歩道 歩行器は、コの字型のもので、体の前方で持って、 前に送り出して進む、歩行補助具です。 杖で外を歩くのは難しいですが、 歩行器を使えば、外を歩ける患者さんがいます。 手袋はしていますが、手が悴んで動きにくいです。 それでも、前へ進もうと頑張っています。
五十肩不眠で叫ぶ冬の夜 五十肩は、原因不明の肩の痛みです。 五十代の人によく多発する肩の痛みから、そう呼ばれています。 五十肩になると、痛くて夜も寝られません。 寝返りするたびに、「痛い」と叫んでしまうほどです。 痛くて寝られないのは辛いので、 睡眠薬を処方してもらうほどです。
背を上げて見えし窓辺の山眠る 寝たきりの患者さんのベッドの背を上げると、 窓から、ひっそりとたたずむ冬の山が見えます。 その山を一緒に見て、 「あの山、登りましたか」などと、色んな話をします。 冬の山は、まだ静かに眠っていますが、 患者さんは、頑張って起きようとしています。
寒灯や垂れた長紐引っ張りて 昔ながらの家には、電灯も紐で引っ張って 付け消しするタイプがあります。 その紐を長く伸ばして、 自分の布団の近くまで垂れ下げています。 そうして、自分で電気の入り切りをしています。 ちょっとした工夫をすることで、 自分で何とかやろうとしています。
尻持ちし腰の骨折冬の椅子 足の力が弱くなってくると、 ドスンと勢いよく座ってしまいます。 堅い椅子やトイレの便座などに、 ドスンと座ってしまうと、 腰を骨折することがあります。 圧迫(あっぱく)骨折といいます。 ゆっくりお辞儀するように座ってくださいと、 声かけしてください。
底冷えや脳梗塞の手の痺れ 脳梗塞の患者さん。 僕が家に訪問しても、ずっと布団の中に入って、顔だけ出しています。 よく見ると、室内にいるのに手袋までしています。 「最近、寒いなあ。こない寒くなってくると、手の痺れがきついわ」 と僕の顔を見た瞬間に、ボヤいていました。