民衆史

〈歴史の存在性〉をめぐる葛藤の中で

〈歴史の存在性〉をめぐる葛藤の中で

書評:成田龍一『歴史論集3 危機の時代の歴史学のために』(岩波現代文庫) 『「歴史の消去」が進行する現在という時代の危機と、歴史学そのものの危機的状況 一一 二重の問題意識のもと、歴史学と社会との関係を改めて問い直す。』 ここで「歴史の消去」という言葉で語られていることを、正しく理解できる人は、決して多くないはずだ。私自身、この「歴史論集」3冊を通読して初めて、この言葉の意味を理解することができたのだから、「「歴史」とは何か?」などと問うたことのない人に、「歴史の消去」と

スキ
1
〈独善性〉を克服するために

〈独善性〉を克服するために

書評:成田龍一『歴史論集2 〈戦後知〉を歴史化する』(岩波現代文庫) 本書は、歴史学者・成田龍一の歴史論を、テーマ別に3巻にまとめた「歴史論集」の2巻目である。 本巻のテーマである「〈戦後知〉を歴史化する」とは、どういうことなのだろうか。 歴史論集の1巻目『方法としての史学史』を読んでいる者には、これは決して難しい話ではないように思うのだが、実際には、どうもそうでもないようだ。 ではなぜ、成田のこうした「問題意識」は、理解されにくいのか。一一それは、成田の視点が「メタ」的

スキ
5
自己批評としての〈史学史〉

自己批評としての〈史学史〉

書評:成田龍一『歴史論集1 方法としての史学史』(岩波現代文庫) 「史学史」とは聞き慣れない言葉だが、その意味するところは、見てのとおり「史学の史学=歴史学の歴史学=メタ歴史学」あるいは「歴史学批評」と理解していいだろう。 歴史学者である著者による「歴史学批評」論文を、全3巻にまとめた「成田龍一歴史論集」の第1巻が、本書『方法としての史学史』である。 著者は、歴史学者として(当たり前に「自身の視点」からの)「歴史」を語るだけではなく、「歴史を語るとは、どういうことなのか」

スキ
1
「NHK出版新書を探せ!」第7回 歴史を通して思考を鍛えるとは?――藤野裕子さん(歴史学者)の場合〔後編〕

「NHK出版新書を探せ!」第7回 歴史を通して思考を鍛えるとは?――藤野裕子さん(歴史学者)の場合〔後編〕

 突然ですが、新書と言えばどのレーベルが真っ先に思い浮かびますか? 老舗の新書レーベルにはまだ敵わなくても、もっとうちの新書を知ってほしい! というわけで、この連載では今を時めく気鋭の研究者の研究室に伺って、その本棚にある(かもしれない)当社新書の感想とともに、先生たちの研究テーマや現在考えていることなどをじっくりと伺います。コーディネーターは当社新書『試験に出る哲学』の著者・斎藤哲也さんです。  ※第1回から読む方はこちらです。 <今回はこの人!> 藤野裕子(ふじの・ゆう

スキ
12
「NHK出版新書を探せ!」第6回 近代の「民衆暴力」から何を学ぶか?――藤野裕子さん(歴史学者)の場合〔前編〕

「NHK出版新書を探せ!」第6回 近代の「民衆暴力」から何を学ぶか?――藤野裕子さん(歴史学者)の場合〔前編〕

 突然ですが、新書と言えばどのレーベルが真っ先に思い浮かびますか? 老舗の新書レーベルにはまだ敵わなくても、もっとうちの新書を知ってほしい! というわけで、この連載では今を時めく気鋭の研究者の研究室に伺って、その本棚にある(かもしれない)当社新書の感想とともに、先生たちの研究テーマや現在考えていることなどをじっくりと伺います。コーディネーターは当社新書『試験に出る哲学』の著者・斎藤哲也さんです。  ※第1回から読む方はこちらです。 <今回はこの人!> 藤野裕子(ふじの・ゆう

スキ
34
明治時代

明治時代

 みなさんは学校にかよわれている時代の社会科の授業で、明治時代のことを学んだろうか?  歴史の授業って、古代の石器時代とかから始まって、結局江戸時代の途中とかいっても幕末で終わったなんて、経験は実は自分だけではないような気がするのだがどうだろうか。  明治時代:西暦1868年10月23日(明治元年9月8日)から1912年(明治45年)7月30日までの期間  1911年生まれの方が今年109歳になられるわけだから、そろそろ明治時代生まれの方は存命されていないわけだ。私の祖父母が

スキ
8