明治時代

 みなさんは学校にかよわれている時代の社会科の授業で、明治時代のことを学んだろうか?
 歴史の授業って、古代の石器時代とかから始まって、結局江戸時代の途中とかいっても幕末で終わったなんて、経験は実は自分だけではないような気がするのだがどうだろうか。
 明治時代:西暦1868年10月23日(明治元年9月8日)から1912年(明治45年)7月30日までの期間
 1911年生まれの方が今年109歳になられるわけだから、そろそろ明治時代生まれの方は存命されていないわけだ。私の祖父母が明治30年~40年生まれだったから明治のことはこども時代のこととして語られ、どちらからいえば、語られる歴史は大正と昭和だったが、それでも明治の匂いがあった。匂いがあるというのは、ここではあまりいい意味で使用していない。そう。歴史であって歴史でないのが明治時代なのだと思う。
 昨日の地域の話などはまさにそのとおりで明治時代の暮らしぶりというのは、その後の戦争時代で一掃されているようであまり語られることがない。
 明治40年生まれの祖母は三世代同居だったせいもあり、私たち兄弟にいろいろと昔話をした。戦争時代の話をするのを好まない方だったので、それほど印象に残る話はないのだが、教育勅語の話はよく覚えている。「学校には「天皇陛下」の肖像画が飾ってあり、その前で生徒が教育勅語を唱える」ことは祖母にとっては昭和後期の学校教育の中でも当然、同じようにされていると思っていたことだった。「そんなんあるわけないやん!」と否定する私たちに教育勅語の冒頭を空で語りきかせるそんな祖母だった。
 明治時代の50年弱は日本にとってはものすごいスピードで社会や暮らしがかわっていった時代だったはずである。世代でいえば2世代から3世代になるだろうか。そして、その後の大正昭和時代に、あたかも歴史が書き換えられていったような日常化圧力がかなりな部分で働いている。
 丁寧にしらべていけばわかることも、もうあたりまえになっていることが多すぎるぐらい多い。日本の歴史が英雄伝説になっていると指摘は昔からされている。民衆史はかなりな数のこされているが注目されることは多くない。
 暮らしは連続している。そしてアップデイトされている。語り継ぐことの大切さはついつい戦争体験のような、これも英雄的ビックエピソードに終始する。明治時代に、私たちの地域社会や暮らしがどう代わったのかをきちんと知った上で、いまの生活と昔の生活との連続性を考えてみたらどうだろう。ひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんをたどれば明治時代をみることができるわけなのだから。

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