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東京在中出身  父が福島出身だったので原発事故からの福島の再興に些細なことをしてい…

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東京在中出身  父が福島出身だったので原発事故からの福島の再興に些細なことをしています. 趣味|旅行|映画|博物館|読書|    金融ディーラー

最近の記事

「有事の金。そして世界は大恐慌へ」  副島隆彦

 3月2日の国連総会緊急特別会合で、「ロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議」が、採択でされた。賛成した国は141ヵ国。賛成に回らなかった国は52ヵ国。人口比では賛成国が42%、非賛成国が58%だった。  4月20日にG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれた。G20で対ロシア経済制裁に加わっている国が10ヵ国(EUを1ヵ国として)、経済制裁を実施していない国が10ヵ国。人口比では制裁参加国19%に対し、制裁非参加国81%。  ウクライナ戦争で世界は二つに対立している。  副

    • 「コロナ対策経済で大不況に突入する世界」 副島隆彦 著

       著者(副島氏)は3年後の2024年頃から世界大恐慌が始まる。と数年前から、金融・経済本で一貫して言い続けている。トランプ大統領が2024年まで続かずバイデン大統領に代わったが、今回の本でも、著者の「予言」はブレずに変更していない。「これから本当に危険なのは、債券市場崩れによる世界恐慌突入である。」という。 債券市場には「政府が出す国債からはじまり、企業の社債がある。それから、ゴミのような危険な債券、年率80%の利益が取れますと謳っている。別名ジャンク・ポンド。30年前に騒が

      • 映画 「アンテベラム」

         アカデミー賞を受賞した「ゲット・アウト」(2017年)の制作者による映画。「ゲット・アウト」は黒人男性を主人公にしたホラー映画だったが、今回は黒人女性を主人公にした、同じ趣旨の映画。  黒人女性ヴェロニカは、人種差別・男女差別・階級差別から自立した女性となるべきと主張する、社会活動を積極的にこなす社会学者。  オープニングから、ヴェロニカと同じ容姿の奴隷エデンが綿畑で重労働と暴力に抑圧される場面が交錯する。現代のヴェロニカの潜在意識の中に奴隷エデンが存在する、サイコホラー

        • 書評 「出る杭の世直し白書」

           書名の通り、出る杭としてマスメディアから人格破壊と見える報道を受けた4人の対談の本。エコノミスト・外交官・総理大臣・官僚として日本の中枢を経験した各氏。その経験から、日本社会の現状の問題点、その改善点を6つのテーマに分けて語り合っている。6章からなり、各章独立したテーマとして扱っているので興味のある章から読み進められる。  各章から印象に残ったところを書き出したいと思います。  第1章 新型コロナ対策は機能したのか 「2019年10月18日にニューヨークのザ・ピエールとい

        「有事の金。そして世界は大恐慌へ」  副島隆彦

          映画評 『Our Friend/アワー・フレンド』

           若い夫婦(マットとニコル)に、小学生2人娘の4人家族。そしてこの4人家族と家族ぐるみの付き合いをしている親友、コメディアン志望の独身男(デイン)。   妻が、末期がんの宣告を受けることになる。その前後10年ほどの彼ら5人の生活を描いている。特別なストーリーがあるわけでなく、淡々と彼ら5人の生活が描かれている。日常生活を描くファミリー映画のジャンルと言えるのだろうか。  登場人物にコメディアン志望の男デインがいるのだから、彼がコメディを演じたら、全体的に奥深い映画になったと思

          映画評 『Our Friend/アワー・フレンド』

          書評 「新型コロナとワクチンのひみつ」 近藤誠

          「2021年2月17日ワクチン接種開始から・・・・・・・マスコミ報道では、、ワクチンの利点が強調される一方、副作用が軽視ないし無視されているように感じます。」  「…コロナ禍の2020年、日本人の総死者数(心筋梗塞や事故自殺などあらゆる死因による死亡数)が減っていた・・・・」 「1世紀前に、全世界で数千万人が亡くなったいうインフルエンザウイルスによるスペイン風邪も、おそらく治療薬による薬害です(第3章)」  「感染症の専門家たちが、薬害について秘して語らないため、一般の方々が

          書評 「新型コロナとワクチンのひみつ」 近藤誠

          映画評  「夢のアンデス」

           南米のチリで1970年史上初めて自由選挙によって樹立されたサルバドール・アジェンデの社会主義政権。米国CIAに支援されたアウグスト・ピノチェト将軍の軍事クーデターにより、アジェンデ大統領は射殺され、ピノチャト将軍による民主主義を否定した暗黒の独裁政権が生まれたのは1973年9月11日、チリでは「チリの9.11」として記憶されている。  アジェンデ政権とピノチャト将軍のクーデターに関するドキュメンタリー「チリの闘い」を撮影した監督パトリシオ・グスマンは政治犯として連行される。

          映画評  「夢のアンデス」

          真珠湾、ミッドウエーを体験した元海軍兵 瀧本邦慶さん(94) 「いま伝えたい私の戦争体験」

          瀧本邦慶さん(94) 「いま伝えたい私の戦争体験」 << https://www.youtube.com/watch?v=8E8Cy-rdojY&list=WL&index=4&t=7913s>>  瀧本邦慶さんの話は94歳のご高齢とは思えない声量と活舌の滑らかさがあり、反戦への強い信念を感じた。  軍国少年が、どうして戦争反対の反戦主義に転換したかの経緯を、具体的戦場体験の中に織り交ぜて話されている。ご自身の体験談なので、内容に臨場感と迫力がありました。  そして四つの

          真珠湾、ミッドウエーを体験した元海軍兵 瀧本邦慶さん(94) 「いま伝えたい私の戦争体験」

          映画評 「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」

           シリーズ25作目で、ダニエル・クレイグ演じるボンドの最後だそうです。スクリーンは4Dでないが、IMAXで見ました。臨場感あり、スリルありで、アミューズメントパークのアトラクションを楽しんでいるような感覚でした。内容は007の中では、少しシリアスっぽいかな。クレイグ・ボンドのラストシーン感動的でした。007映画は変わるのかなと思った。  007のモデルは、MI6のキム・フィルビーだと言われている。第2次世界大戦から冷戦時代に活躍した、実在の2重スパイ。先祖の血筋、幼少期からの

          映画評 「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」

          映画評 「MINAMATA]

           1970年代末期、私が東京で中学生だったころ、交通事故と公害は大きな社会問題だった。町の小さな本屋でも、ユージン・スミス氏の写真集「水俣」が平積みに並べられていた。 初めて見たときは、女性の写真家が撮った写真集だと思った、ロバート・キャパの「死の瞬間の人民戦線兵士」や当時本屋に並んでいたベトナム戦争の戦場写真と比較して、女性的な印象をうけた。世界で有名な写真家が、熊本県の小さな漁村に来ると思えないので、まだ若い才能の有る女性写真家を想像した。後にユージン・スミス氏はライフ誌

          映画評 「MINAMATA]

          書評 「戦争広告代理店」  高木徹

           多民族国家の旧ユーゴスラビア連邦で、チトー大統領亡き後1991年に民族独立の機運が高まり、スロベニア、クロアチア、マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの各共和国が独立、セルビア共和国とモンテネグロ共和国が新ユーゴスラビア連邦となった。  1992年春、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ共和国と新ユーゴスラビア連邦の間に戦火が開かれる、モスレム人、クロアチア人、セルビア人の三大民族が入り混じるボスニア紛争だ。  軍事力で劣るボスニア・ヘルツェゴヴィナ共和国の戦略は、「力のある西側先

          書評 「戦争広告代理店」  高木徹

          書評 「猫の手くらぶ物語」 色川大吉著

           9月7日に永眠された、近現代史の歴史家。『明治精神史』 黄河書房(東京)、1964年。 のち『新編 明治精神史』 中央公論者 『日本の歴史21 近代国家の出発』中公文庫 『明治の文化』 岩波書店 『自由民権の地下水』 岩波書店等の著書で、歴史書としては異例の400万部以上のベストセラーを出した歴史家でしたが。今回は晩年に八ヶ岳の麓で過ごされていたころの、日常のエッセイを読んでみました。  若いころに、肺の半分を切除して長生きを出来ないかもと、ご本人も思っていたようでしたが、

          書評 「猫の手くらぶ物語」 色川大吉著

          映画評 「キネマの神様」 監督山田洋次

           日本映画が世界で高評価を受けて、撮影現場は活気にあふれ、若者たちがみんな元気だった頃の映画撮影現場の様子を撮影したい。喜劇俳優を主人公にして、大いに笑い転げて最後に少しホロっとする楽しい映画を作りたいと山田洋次監督は言った。   渥美清亡き後、寅さん並みの主人公を演技できる喜劇俳優は志村けんさん以外、今の日本に何人もいないと監督。残念なことに、その志村けんがコロナで亡くなってしまう。もしはないが、渥美清に勝るとも劣らない実績と経験を持つ、志村けん主演での映画をぜひ見たかった

          映画評 「キネマの神様」 監督山田洋次