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映画評 「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」

 シリーズ25作目で、ダニエル・クレイグ演じるボンドの最後だそうです。スクリーンは4Dでないが、IMAXで見ました。臨場感あり、スリルありで、アミューズメントパークのアトラクションを楽しんでいるような感覚でした。内容は007の中では、少しシリアスっぽいかな。クレイグ・ボンドのラストシーン感動的でした。007映画は変わるのかなと思った。
 007のモデルは、MI6のキム・フィルビーだと言われている。第2次世界大戦から冷戦時代に活躍した、実在の2重スパイ。先祖の血筋、幼少期からの経歴がイギリス社会で一握りにはいる人だった。「キム・フィルビー」という分厚い本がある。いわゆる「スパイ活動」の様子が具体的に詳しく書かれている本です、居場所や人に会う時には2重のセーフティーネットをかける場合もあり、残酷な死人が多数出る。第2次世界大戦中の日本軍人の諜報将校は諜報活動中、残念ながらMI6の手玉に取られる、まるで子供相手のようにして。しかし、キム・フィルビーが活躍した時期はもう半世紀以上前の話。
 今は?、ウィキリークスのジュリアン・アサンジは、覇権国アメリカ政府の秘密を暴露した。日本の在日米軍基地に勤務していたスノーデンは、「日本人の個人情報は筒抜けになっている、その危険性を日本人は認識した方がよい」といった。以前はスパイが独占的に活動する場所が存在したのだろうが。サイバースペースを一般人が手にすることで、一般人とスパイの境目で重複する場所が生まれたのだと思う。私たちのような一般人が今まで知るすべがなかった情報を知る機会が増えているという点で、映画より現実の方が先に行ってしまった感がある。スパイ映画もこれから、変わってゆく予感がする。

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