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「有事の金。そして世界は大恐慌へ」  副島隆彦

 3月2日の国連総会緊急特別会合で、「ロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議」が、採択でされた。賛成した国は141ヵ国。賛成に回らなかった国は52ヵ国。人口比では賛成国が42%、非賛成国が58%だった。
 4月20日にG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれた。G20で対ロシア経済制裁に加わっている国が10ヵ国(EUを1ヵ国として)、経済制裁を実施していない国が10ヵ国。人口比では制裁参加国19%に対し、制裁非参加国81%。
 ウクライナ戦争で世界は二つに対立している。
 副島氏は本書でこの世界の対立構造を、「資源対ドル」「実物経済対金融経済」「G20対G7]「新興国(中国 ロシア ブラジル インドネシア 南アフリカ メキシコなど)対西側先進国(米 英 日 欧)」などの複数の側面から検討考察しています。ウクライナ戦争の開始で、世界史の軸が動いたといっています。
 アメリカの属国だった日本も、意外な行動をしたことが本書に出てくる。
「4月 21 日 に あっ た G 20 の 財務 相・中央銀行 総裁 会議( 議長 国 インドネシア。 ワシントン で 開催) で、 ロシア の 財務 相 と 中 銀 総裁 が 登場 し た 時、 この うち の G7 先進国 の メンバー が 一斉 に 抗議 の 退場 を し た。 示し合わせ た 上 での 抗議 の デモンストレイション だっ た。 walk out と 言う。 ところが、 G7 の メンバー で ある 日本 の 鈴木俊一 財務 相 と 黒田 東 彦 日銀 総裁 は、 立ち上がら なかっ た。 そして 会議 室 から 出 て ゆく こと を し なかっ た。 他 の 13 カ国 の 非 白人 の 新興国 と共に そこ に 残っ た。」(pp.158-159).と、G7のメンバーから外れた行動をとった。世界中の人々は、アメリカ覇権の従来の社会から、新興国中心の新しい社会へ少しづつ軸足を移している。その流れはもう止められない。
 新しい社会への移行過程で、生みの苦しみの大恐慌と金の再評価が起きる。だからお金持ちの人は、自分の資産を守るため金を買いなさいと言ってます。資金に余裕があれば、金も有りかと思いました。


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