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書評 「出る杭の世直し白書」

 書名の通り、出る杭としてマスメディアから人格破壊と見える報道を受けた4人の対談の本。エコノミスト・外交官・総理大臣・官僚として日本の中枢を経験した各氏。その経験から、日本社会の現状の問題点、その改善点を6つのテーマに分けて語り合っている。6章からなり、各章独立したテーマとして扱っているので興味のある章から読み進められる。

 各章から印象に残ったところを書き出したいと思います。
 第1章 新型コロナ対策は機能したのか
「2019年10月18日にニューヨークのザ・ピエールというホテルでイベント201が開催されました。新たなコロナのパンデミックが現実に起こったかのようなCNNを模したニュース報道での趣味レーション映像も含まれており、このイベントに関与していたのは、WHOのほかCDCやCCDC、ジョン・ホピキンス大学。ビル&メリンダ・ゲイツ財団などでした。このビル&メリンダ・ゲイツ財団はワクチンメーカーに対する最大の資金提供者でもあります。」 
 第2章 米中対立に歯車をかける日本の外交
「私も現在、日本大学文理学部で教員として教えている、私のクラスにも中国人留学生や朝鮮高校出身で韓国籍の学生もいて、日本人の学生と溶け込んで仲良くやっている。まさに私のクラスはもう東アジア共同体です。」
 第3章 脱炭素と原発政策
「福島第一原発事故によるデブリの処理は非常に難しい。放射能による汚染水の処理もこれから大きな問題になる。凍土壁方式は汚染水を減らすのに何の役にも立たず、お金の無駄使いでした。」
 第4章 日本の財政と経済政策
「日本政府のバランスシートは、資産残高から債務残高を差し引くと、99兆円の資産超過になっている。日本政府は財政危機に陥っていない。日本政府の資金で建設される建造物は資産所有の区分では地方政府に入っている、日本政府のバランスシートは国と地方を合わせてみなければ、本当のところは分からい。財務省のバランスシートは地方政府の資産区分を排除しているためマイナスになっている。」
 第5章 変わりゆく教育
「世界では、自宅で学習することを正規の履修の場として正式に認めている国が圧倒的多数になっている。日本でも学校以外で普通教育を受ける場を法的に認める必要がある。権力側は楽しいい学びの場がほかにあると、子供たちがどんどん学校外へ行ってしまうことを心配している。」
 第6章 政治と行政の再建
「今ほとんどの官庁が政策を立案す時、アメリカが喜ぶかということが大きな軸になっている。ノーパンしゃぶしゃぶ事件も、偶然でなく、国益的な主張をする官僚を排除してゆく力が働いた結果。」

 私たち国民が、うかがい知ることができない話で、対談は進んでゆく。 1冊の本の中で、各テーマへの詳細な検討までは至らないが、そこは、取り上げられたテーマを掘り下げれば、どのようにより生きやすい社会を再建するか、将来の希望へにのきっかけが垣間見える。
 マスメディアが排除している各氏の発言は、メディアリテラシーとして、参考になる著書でした。

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