ポピュラーサイエンス

翻訳者が知っておきたい編集者の仕事②

翻訳者が知っておきたい編集者の仕事②

 さて、いよいよ今回から具体的な編集業務を見ていきますが、その前に少し時間をいただいて、わたしが神保町勤務時代に見つけた、ちょっと変わった料理店を紹介したいと思います。  それはこんな料理店です。 ■料理店プロデューサーとしての編集者 東京は神保町、古書店がひしめく落ち着いた区画に、喫茶店と中華料理屋(注1)にはさまれて一軒の料理店がある。この店、見たところ何のへんてつもない定食屋に思えるが、実はメニューがちょっと変わっている。海外(特にアメリカ)のレストランからレシピを購

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翻訳者が知っておきたい編集者の仕事①

翻訳者が知っておきたい編集者の仕事①

■前口上  フリーランス編集者・翻訳者の上原と申します。  行く末はまず無惨だろうが(注1)、もう40年以上生きてきたのだし、扶養すべき子供がいるわけでもない、好きにやって野垂れ死にもまた一興じゃないか(注2)、というおよそ分別のある大人とは言い難い判断をもって昨年からフリーランス稼業に足を踏み入れたわけですが、それまでは自然科学系の翻訳書を中心に扱う小さな出版社で、14年あまり編集者として仕事をしていました。  翻訳書の編集者というのは、業務の大半が企画さがしと原稿整理(

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カエサルの最後の息(その3)

カエサルの最後の息(その3)

 フリーランス編集者・翻訳者の上原と申します。  本エントリーは、翻訳協力者によるサム・キーン『空気と人類』の内容紹介の第4回目(最終回)です。話題(にならなくてわたしの心が)騒然の過去記事については以下をご参照ください。  今回紹介するのは、第2章「大気のなかの悪魔」です。  この章タイトルは、原書のThe Devil in the Airの直訳ですが(注1)、そういえば、日本のダブバンドであるフィッシュマンズに「ゆらめき in the air」という曲があり、薬でトリッ

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カエサルの最後の息(その2)

カエサルの最後の息(その2)

 フリーランス編集者・翻訳者の上原と申します。  本エントリーは、翻訳協力者によるサム・キーン『空気と人類』の内容紹介の第3回目です。過去記事については以下をご参照ください。  今回は、第1章「初期地球の大気」の紹介です。  章タイトルを見ると、なんだか教科書のようで、きっと中身もお硬いんでしょ?と尻込みをしてしまうかもしれませんが、ご安心ください。実際は、「頑固じいさん孫3人」ならぬ「偏屈じいさん妻3人」といった趣き(注1)の、笑い(苦笑い)あふれるヒューマンコメディ仕立

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カエサルの最後の息(その1)

カエサルの最後の息(その1)

 前回のエントリーから、あっという間に3週間が経過しました(注1)。時間の過ぎ去る速さに思いを馳せると、とたんに頭がくらくらしてくるわけですが(注2)、気を確かにもって、今回からいよいよ内容紹介に入りたいと思います。  サム・キーン『空気と人類』は、気体にまつわる科学史をテーマにしたポピュラーサイエンスで、3部構成で書かれています(注3)。わたしが翻訳したのは主に前半3分の1ですので、ここでは、その範囲に的をしぼって紹介することにしましょう。  ■はじめに:すべての気体は

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カエサルの最後の息(前口上)

カエサルの最後の息(前口上)

 はじめまして、フリーランス編集者・翻訳者の上原と申します。  翻訳協力(注1)という形で参加した、サム・キーン『空気と人類』のちょっとした紹介文を書きましたので、今回の前口上を含めた全4回のエントリーとして謹んで公開いたします。  この本は、一般向けの自然科学の翻訳書です。  翻訳をしているときから、ポピュラーサイエンスの原点、つまり「読んでいて愉しい」という気持ちを思い出させてくれる良い企画だなァと感じていました(注2)。が、いかんせん、扱っているテーマが「気体」です。

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セリーナ・ウィリアムズVSドローン! R・マンロー『ハウ・トゥー』より抜粋掲載その2

セリーナ・ウィリアムズVSドローン! R・マンロー『ハウ・トゥー』より抜粋掲載その2

いよいよ来週23日に発売となる、マンローさんの最新作『ハウ・トゥー』。刊行記念特集その4は、前回掲載した『ハウ・トゥー』抜粋の続きです。あのセリーナ・ウィリアムズが、マンローさんのリクエストに応じてくれるとは……マンローさんのアメリカでの人気のほどがわかりますね。ではその「続き」をどうぞ。 ランドール・マンロー著『ハウ・トゥー』(吉田三知世訳)より一部抜粋 ドローンを落とすには(スポーツ用品を使って)――承前 セリーナがこころよく協力してくれたのは、うれしい驚きだった。

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ドローンは暮らしの敵か味方か……? 刊行直前『ハウ・トゥー』より抜粋掲載その1

ドローンは暮らしの敵か味方か……? 刊行直前『ハウ・トゥー』より抜粋掲載その1

いよいよ今月23日に刊行となる、ランドール・マンロー待望の最新作『ハウ・トゥー――バカバカしくて役に立たない暮らしの科学』。マンロー特集その3、その4として、『ハウ・トゥー』の1部を2週にわたりご紹介いたします。テーマは「私たちの暮らしをかきみだすドローンをいかに撃ち落とすか」。サイエンス思考と、驚きのセレブの助力を借りてこの課題に挑む、マンロー先生の首尾やいかに? ランドール・マンロー著『ハウ・トゥー』(吉田三知世訳)より一部抜粋 ドローンを落とすには(スポーツ用品を使

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最新作『ハウ・トゥー』(来る1月23日発売!)でも大活躍、マンロー・ワールドの住人たちを紹介。マンロー特集その2

最新作『ハウ・トゥー』(来る1月23日発売!)でも大活躍、マンロー・ワールドの住人たちを紹介。マンロー特集その2

前回ご紹介したランドール・マンロー氏のマンロー・ワールドには、バルザックの〈人間喜劇〉シリーズや手塚治虫のマンガ(ヒゲおやじやハムエッグ、アセチレンランプですね)でおなじみの、いわゆる「スターシステム」があって、それが魅力の一環となっているように思います。『ハウ・トゥー』刊行&『ホワット・イフ?』文庫化記念特集第2回の本記事ではそこに注目し、マンローの諸作品を違った角度からご紹介します。 来年1月に出る『ハウ・トゥー』も、 既刊の『ホワット・イフ?』も、 ウェブマンガ家

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待望の新刊『ハウ・トゥー』刊行迫る! ランドール・マンロー特集その1

待望の新刊『ハウ・トゥー』刊行迫る! ランドール・マンロー特集その1

来る2020年1月23日、ランドール・マンロー著『ハウ・トゥー』(吉田三知世訳、本体予価1600円)を弊社より刊行することとなりました。今月にはすでに、著者の代表作『ホワット・イフ?』もQ1、Q2として2分冊・文庫化刊行されております。つきましては、これより数回にわたり、ランドール・マンロー特集記事をお届けいたします。読書の参考に、あるいはクリスマスプレゼント候補の検討材料としていただければ幸甚です。 (書影はamazon.comにリンクしています) (『ハウ・トゥー』の

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