サド侯爵

マルキ・ド・サド「美徳の不幸」澁澤龍彦訳 ➁

前回は美徳の不幸の悪人に着目したが、今回は善人である、主人公ジュスチーヌに着目してみよう。

二言目には「神がそんな事を許しません!」とか「必ず天の裁きが下ります!」とか「ああ、そんな恐ろしい事を!」とか言う女の子だが、案外狡猾で恩着せがましいところもある。

不幸な生い立ちである事は確かなのだが、行く先々で他人を信用しては、自分の身の上話をして、同情を誘い、助けてもらおうとする。何十回同じ失敗を

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マルキ・ド・サド「美徳の不幸」澁澤龍彦訳 ①

読了したので、感想

サドといえばサディストの語源になった人。
昔から気になっていたので一読した。

異常な程、道徳的で誠実で善人の少女が世の悪にひたすらひたすらいじめられまくる物語である。
善人と悪人が過剰なほど両極端に描かれている。

あらすじはいいとこのお嬢さんがある日突然、家が没落して天涯孤独の身になる。彼女が救いを求めて誰かに助けを乞うたびに肉体労働を強いられたりレイプされたり、ムチで

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