読書会の記録:『サド侯爵夫人』(三島由紀夫著、新潮文庫)~異常性愛文学の源流を探る~

サド侯爵夫人

今年で早くも5年目に突入。20回目となった飯田橋読書会のお題に、読書会初の戯曲、三島由紀夫の『サド侯爵夫人』を取り上げた。

基本、この読書会のメンバーはあくが強く満場一致の意見はまずないが、今回は見事に意見が分かれた。
「共感できない、面白みがわからない」「古くさい」「装飾過多」「作家が文章に酔っている」というネガティブから、「女性にサドを語らせるという形式に感心。三島の中の女性性が見られた」や「いない人を論じるというスタイルが面白い」「数時間で読めるサド便覧だった」などのポジティブまで、読後の見解が真っ二つに分かれた。

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