TADAO HARADA

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【Twitter】@harapion 「精神Geistの政治学」『駿台フォーラム:9』。 「前衛都市のメタフィジカ」『たのしい前衛:アーバンギャルドFC会報:1~2』。 「アーバンギャルド☆クロニクル」『前衛都市を知りたい子供たち:1~5』

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前衛都市のメタフィジカ~アーバンギャルド論

※本稿は、2015年夏から2019年夏にかけて刊行された『前衛都市を知りたい子供たちVol.1~Vol.5』孤独な惑星社刊に寄稿した『アーバンギャルド☆クロニクル』を一本にまとめたものです。第1部『アーバンギャルド☆クロニクル【解説篇】・1999~2019夏』 編集の方針 ・「アーバンギャルド☆クロニクル」は、【解説篇】と【資料篇】から成り立つ。 ・現時点で入手困難であるため、内容の確認の取れないものがあった。『処女喪失作』『Kのきまぐれリミックス2』『修正主義者』『問題のあ

    • ここ数日の出来事の覚え書き

      通信制の9月の卒業式(単位取得の関係で、3月卒業と9月卒業がある)で、卒業する生徒から青いカーネーションをもらった。私も、数日後にこの仕事を卒業すると話したので、2重の意味がある。 前の晩に用意したムーミンの包みを生徒に渡した。 人からもらいものをすることが少なくて、その晩、青い花で遊んだ。 あみぐるみは、母の遺品。手作り。 生徒から大きな菓子函をもらうのは、想定外でびっくりしました。なぜくれたのだろうと考えたのですが、ひょっとしてメールで連絡する際に、数学の先生が褒

      • これまでの活動内容のまとめ

        ◆連絡先 【Twitter】https://twitter.com/harapion 【原色絶滅稀少書籍図鑑】https://harapion.tumblr.com/ 【Facebook】https://www.facebook.com/tadao.harada.3 【Mastodon】https://mstdn.jp/@harapion 【Threads】https://www.threads.net/@le_corps_sans_organes 【タイッツー】

        • 池田ひかるの絵画的世界について

          池田ひかるさんの絵画を始めて眼にしたのは、Twitterを通してでした。おそらく、美術評論家の樋口ヒロユキさんをフォローしているから、流れてきたのだと思います。池田ひかる個展「村八分」の時は、案山子が描かれているのが特徴的でした。 よく思うと、案山子がドレスを着ているのは、異例の事です。もう何点か、見てみましょう。 上の2019年9月29日のツイートは、右下の絵が池田さんの作品です。兎も角、これら一連の案山子の絵画で、印象付けられ、その名前を覚えました。 池田さんについて

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        前衛都市のメタフィジカ~アーバンギャルド論

          『狂い咲く、フーコー 京都大学人文科学研究所 人文研アカデミー『フーコー研究』出版記念シンポジウム全記録+(プラス)』読書人新書、レビュー

          『フーコー研究』を読んだ重田園江氏によるフーコーの全領域に及ぶ考察と問題点の析出、裏を取ることの重要性を説く手堅い研究姿勢の開闢に対し、アクティヴィスト系の論者は当為と理念の先行を説く。さらに実存的生き様や美学の観点を導入する者、古代倫理学を導入する者、まさに『狂い咲く、フーコー』は百花繚乱の饗宴。 後半はパレーシアが中心の話題となっていく。包み隠さず告白する事。こちらと牧人司祭制の告解、権力論の対比、ドゥルーズとフーコーの差異、ラカン派との違い、カント論から読み解くフーコー

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          会話劇「田中童夏による絵画『ごー、ごとん。ゆらゆら(秋桜殺人事件)』を巡る群像劇」

          SUNABAギャラリーで行われた「魂のふかいところで」展に出品された田中童夏さんの絵画「ごー、ごとん。ゆらゆら(秋桜殺人事件)」を見て思いついたもろもろを、物語風にまとめました。冒頭をTwitterで書き始めたのですが、時数制限のないこことで、全面展開してみます。戯言ではありますが、寛大な心で、ご笑納いただければ幸いです。 「「ごー、ごとん」は、薄れゆく意識の中で聴いた電車の音。「ゆらゆら」は、風にそよぐ秋桜の音。この後、被害者は絶命したと思われる。」と、田中童夏さんの絵画

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          映画『あ・く・あ 〜ふたりだけの部屋〜』(86min/2021)試写版を観る

          監督・プロデューサー・編集・整音・音響効果:中川究矢 企画・脚本:平谷悦郎 音楽:おおくぼけい(アーバンギャルド) 主題歌:木乃伊みさと 出演:小泉ひなた 櫻井保幸 関幸治 今城沙耶 石川雄也 高崎二郎 園部貴一 伊澤恵美子 川連廣明 小橋秀行 加藤桃子 川瀬知佐子 紺谷凪乃 大葉かやろう(おかわり) 八つ橋てまり(おかわり) 映画『あ・く・あ 〜ふたりだけの部屋〜』(86min/2021)のオンライン試写版(クラウドファンディングの特典)を観る。 この映画は、ウーバー

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          ミシェル・フーコー、敵か、味方か

          ミシェル・フーコーの発想の原点は、自身が同性愛者であり、マイノリティーであることの自覚と、フリードリヒ・ニーチェの読解からの一解釈にあると思う。 『言葉と物』は、(1)ニーチェの「神は死んだ」に続く「人間の死」の予告をした挑発的な言説、反人間中心主義、(2)レヴィ=ストロース『親族の基本構造』『野生の思考』、ロラン・バルト『零度のエクリチュール』、ルイ・アルチュセール『甦るマルクス(原題 マルクスのために)』『資本論を読む』、ジャック・ラカン『エクリ』と相まって構造主義ブー

          ミシェル・フーコー、敵か、味方か

          日本現代思想のヘゲモニー

          現在、読者の広範な関心を寄せる現代思想のテーマは、「経済格差」と「環境問題」である。この二つのテーマは、フェリックス・ガタリのうちにあった。「経済格差」の問題は、ドゥルーズ=ガタリとして書いた『アンチ・オイディプス』(河出文庫。なおフェリックス・ガタリ『アンチ・オイディプス草稿』みすず書房を読めばわかるように、このプロジェクトの先導役はアイデアマンのガタリだった)が、レーニン的切断と分裂者的切断の二段構成になっていたから(佐藤嘉幸・廣瀬純『三つの革命 ドゥルーズ=ガタリの政治

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          家族にも会えない!投獄された香港の若者10人に正当な権利を!

          深圳市公安局塩田支局長宛てに、2021年1月27日-3月末日 (予定)に、アムネスティ日本名義で、以下の文面が送られる。そこに署名し、名を連ねる事にした。署名は、以下のURLから加わることが出来る。同意見の方は、署名されたし。 https://www.amnesty.or.jp/get-involved/action/cn_202101.html I am writing to express my grave concern for 10 Hongkongers who

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          アーバンギャルド「アバンデミック 【豪華盤】 」について パンデミック状況下で聴く「人間のための音楽」

          初出 amazonレビュー 2020年11月29日 Covid-19によるパンデミック。街を行きかう人はマスクを装着し、密を避ける生活が推奨され、感染症の第三波に行政は時短営業や自粛要請に言及するようになった。アーバンギャルドは『アバンデミック』は、このような状況下、2020年11月に発表されたアルバムである。 1月に『TOKYOPOP』を発表したアーバンギャルドは、緊急事態宣言によりライブツアーTOKYOPOP TOURの中断を余儀なくされた。しかし、アーバンギャルドは、

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          Rose&Rosary 6thアルバム「XANADU」について Rose&Rosaryの描く聖なる理想郷 ザナドゥー

          初出 amazonレビュー 2020年11月21日 かつて「Xanadu」 といえば、オリビア・ニュートン・ジョンの映画を意味した時代があった。またある時には、ホリプロの芸能人女子フットサルチームを意味した事もあったような気がする。しかし、今や廃墟に浮かび上がる架空の空間は、Rose&Rosaryの描く聖なる空間なのだ。 「クロノグラフ・リセット」、機械仕掛けの時計の針に支配された世界。ここは人間を死に追いやる時計館か、現代文明が行きつくディストピアたる「モダン・タイムス」

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          アーバンギャルド「少女フィクション」について 10年目のアルバムは高クオリティーで原点回帰

          初出 amazonレビューより 2018年4月12日 アーバンギャルドは2018年、結成10年目を迎えた。10年という区切りの年に、アーバンギャルドが出して来たのは、初期の「少女三部作」を彷彿させる<少女>を冠した新作である。テーマ的には原点回帰だが、内容的深化と音楽的進化を両立させた永遠の新しさを感じさせる作品となっている。 アーバンギャルドの第一の特徴、一度聴いたら、耳に残るメロディーは、本作においても健在であり、今やメンバーの各人が個人での活動も併存させているだけあっ

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          スラヴォイ・ジジェク『パンデミック』(ele-king books)を読む

          ここで取り上げる新型コロナウイルスに関する知見は、複数の報道をまとめただけであり、オリジナリティーはない。最も信憑性の高い知見については、厚生労働省の新型コロナウイルスのページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html)を、様々な学説について証拠(エビデンス)の観点から評価分類をしたページとしては、京都大学の山中伸弥教授によるページ(https://www.covid19-ya

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          未来の哲学のためのプロレゴメナ ドゥルーズ=ガタリからシャルル・フーリエへ

          ジル・ドゥルーズとフェリックス・ガタリによる『アンチ・オイディプス ~資本主義と分裂症』市倉宏祐訳の河出書房新社単行本、または宇野邦一訳による河出文庫、この本は「欲望機械」の章から始まっていて、カール・マルクスとジーグムント・フロイトを結合し、連結と切断からなる複数の欲望する諸機械から、現代社会を解明しようとする。マルクスとフロイトを結び付けるというアイデアは、先駆的にはヴィルヘルム・ライヒが行っているし、フロイト左派がやっているので目新しい事ではないが、ジル・ドゥルーズが、

          未来の哲学のためのプロレゴメナ ドゥルーズ=ガタリからシャルル・フーリエへ

          松永天馬・浜崎容子・おおくぼけい・藤谷千明『水玉自伝 アーバンギャルド・クロニクル』ロフトブックスを読む

           アーバンギャルドの現メンバー(松永天馬・浜崎容子・おおくぼけい)による『水玉自伝 アーバンギャルド・クロニクル』(ルーフトップ/ロフトブックス)が刊行された。語り下ろしで、聞き手と構成は藤谷千明さんが行っている。『夜想 総特集 #アーバンギャルド』(ステュディオ・パラボリカ、この時はまだ鍵山喬一、瀬々信が在籍していた)、浜崎容子『バラ色の人生』(ルーフトップ/ロフトブックス)も併読すれば、紙媒体でアーバンギャルドというグループの実態を知ることができるだろう。  アーバンギ

          松永天馬・浜崎容子・おおくぼけい・藤谷千明『水玉自伝 アーバンギャルド・クロニクル』ロフトブックスを読む