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ドラマ「パーフェクトワールド」#1 をみて車椅子当事者が思うリアル /2019.4.16放送分※ネタバレあり

こんばんは。
橋口竜河と申します。

昨日、火曜夜9時から
カンテレ/ フジテレビ系列にて放送がスタートした
松坂桃李さん・山本美月さん主演のドラマ「パーフェクトワールド」について

とても素敵なドラマでした。
そして私も車椅子当事者である一人としてリアルな部分を感じたので
「勝手に放送後記」としてまとめたいと思います。

※ネタバレあり

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TOPICS
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◎ドラマ「パーフェクトワールド」とは
 ✏概要
 ✏第1話PR映像

◎今回書きたいこと
  ✏筆者が感じた3つのリアル
   ①車椅子の乗り方
   ②障害を持つものに対しての健常者の対応
   ③当事者&周囲が感じる心の変化。

①車椅子の乗り方
  1.車椅子への乗降
       2.運転技術

②障害を持つものに対しての健常者の対応
   1.障害者だから無理。という思想
   2.サポート側の戸惑い
   3.施設の車椅子未対応の場所に関して

③当事者&周囲が感じる心の変化。

《あとがき》
1.今後このドラマに思うこと
2.第1話 チェインストーリー
3.第2話のPR映像


✏概要
2019.04.16 火曜夜9時からカンテレ・フジテレビ系列にて放送開始
事故で脊髄損傷となった車椅子の建築士と高校時代の同級生との再会によって
おこる純愛ラブストーリー

パーフェクトワールド 番組HP
https://www.ktv.jp/perfectworld/index.html


✏第1話 PR 映像


✏筆者が感じた3つのリアル
  ①車椅子の乗り方
1つ目の話は車椅子の乗り方についてです。
私がこの部分で私が注目したのは2つ。
①車椅子への乗降
②運転技術


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①-1 車椅子への乗降
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まずはここで注目したのは主人公が居酒屋の席で膝を抱えて掘りごたつから出て車椅子へのもとへ乗るシーン。
従来の車椅子を扱うドラマであれば
友人が肩を貸すもしくはおんぶをして連れて行く
というシーンが比較的多いという印象がありますが、

本人が膝を抱え、腕の力で身体を移動させる。

その描写がしっかりなされていたこと。
そのことで下半身不随ということと自力で行動できるという人もいるということを印象づけたシーンだったと思います。
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①-2 運転技術
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お次は、主人公・鮎川樹(松坂桃李さん)がヒロイン・川奈つぐみ(山本美月さん)を公園にある丘の上の桜を見せたいといって連れて行くシーン。
そこでは描かれていたのは
樹がつぐみに後ろから押されている姿ではなく、自身で坂を登っているシーン。
そして坂を登るの大変じゃないの?というつぐみの言葉から派生した「下りの方が安全」という言葉と、前輪を持ち上げてウィリーをする姿。
実は私もよくやるんです笑

今でこそ、不必要なウィリーの回数は減りましたが笑
それと下りのほうが安全ということも、実は本当で。
慣れない人からすると加速がついて危ないとか
介助側からするとそのスピードによって
身体を持っていかれるから怖いとかあるみたいですが、
乗っている人からしてみたら、下りほど楽なものはありません。

その理由は簡単で、「自分自身でコントロールが効くから」なのです。
さて、運転技術に関してここでは主に述べましたが、
その他にも片側に力をかけて座る位置を調整していたり、
細かなリアルが描かれていて
「俺もやるな、これ」なんて思っていたり・・・

✏②障害を持つものに対しての健常者の対応
もちろん、車椅子を扱う上で重要な要素であろう。

”車椅子当事者ではない”人の接し方。

ここでは下記3つについて取り上げたいと思います。
①障害者だから無理。という思想
②サポート側の戸惑い
③施設の車椅子未対応の場所に関して

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②-1 障害者だから無理。という思想
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これが特徴的だったのが
つぐみの妹が発したこのセリフ。
「いくらイケメンでも障害者とは付き合えないわ」
このセリフはかつてのつぐみの初恋の相手だった樹が
車椅子生活となっていたことを知って発せられた言葉です。
話の流れとして恋愛が主軸になってはいますが。
この障害者だから無理という思想は
どの場面においても発生するものだと思いますし、
今でこそ、困った人を見かけたら手を差し伸べましょうというのが
社会全体に浸透してきてはいますが
実際のところ、まだこういう人が多いのも事実で。
良い面だけを描かないというのもまたリアルな部分。
障害者だから無理。と吐き捨てられるセリフこそ、
世の中の心無い言葉があるという現実を物語っている気がします。
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2-② サポート側の戸惑い
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主につぐみの表情や行動一つ一つに表れていました。
どのように手伝っていいのかわからず、そわそわしてしまったり、
無神経な言葉を言ってしまったのではないかと
思い悩んだり、謝ってばかりだったり。
それがみている側としてはとても自然で。
踏み込んでいいのかな?大丈夫かな?といった細やかな気持ちの変化。
実はつぐみ自身が
樹と再会したら車椅子だったという現実を受け止め切れずにいたり。
嘘がなかった。
たまに台本と思えてしまうようなものがあったりするんですが
この作品はそうじゃなかった。
とても素敵な女優さんですよね。
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2-③施設の車椅子未対応の場所に関して
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これは樹とつぐみが美術館へ行ったときのお話。
その場所にはエレベータがなくて入場を断られたとというシーン。
結果的にエレベータがあるかどうかを確認すればよかった。ということにはなってはいるのですが、私が感じたのはそういった部分ではなく、
「エレベータが無いです、申し訳ありません」
というこのスタッフの対応にあるあるを感じた部分はあります。
もちろん、対応が難しい方や施設などもありますので一概にいい悪いの話ではないのですが、
この対応よくあるなーと、なんだか腑に落ちていたり笑
基本的には当事者側がそれを受けて次の言葉を発さない限りは
エレベータが無いという事実だけしか教えてくれないところもありますね。
今は少しずつ、理解してくださる方も増えましたが
まだこういったところも多いのは事実ですね。
それが故に車椅子当事者は慣れてるんですよね。
諦めるが正解になっちゃうんですよ。本当に。

✏③当事者&周囲が感じる心の変化。

まだね。
今回は初回ということもあって今後も楽しみなものの一つではあるのですが。
樹の言葉が何よりも印象的で。

「自分でできることはやらなくちゃ」
「今しかない」
「迷惑かけたくないんだよ」

よくフィーチャーされがちな部分ではありますが
樹としては障害を背負ってから時間が経っているわけで
当たり前のように過ごしています。それが故に周りに明るくみられることもあるわけで。
本当は、明るいのではなくて弱い自分に仮面をつけているのかな。。。
そんなように思いました。

私は今でこそ、迷惑かけてしまう部分は少しはあると思って生きてはいますが、
根底にあるのは迷惑かけちゃいけない。自分にできることは自分で。
いつしか頑張りやと呼ばれるようになりましたが
頑張り屋でもなんでもないんですよ。
人と違うから負担をかけないように生きなきゃいけないと思っているからなんですよ。

ドラマのシーンの中でつぐみが樹に対して謝るシーンが何度もありますが、
樹は謝られると一緒にいるのが申し訳なくなるというセリフがあって、
自分自身もそうなんだよな。と。
負担をどうしてもかけてしまう以上、申し訳無さを感じる時期もあったなと思います。特に小学校時代。
それに加えて恋愛に億劫になっている部分も
わかるな。。。本当ならね。
素直になりたいですけど、相手の負担になると思うと一定の距離保つのが精一杯なんですよ。
そう何が言いたいかというと
これまで書いてきたように当事者含め、周囲も合わせて
心情表現が本当にリアルなんです。

《あとがき》
1.今後このドラマに思うこと

これだけリアルにそして繊細に描けているからこそ、
私もこうして投稿させていただくのですが、
健常者との比較や心ない言葉を受ける部分。
きれいな部分だけではないところもあえて描いてもらえたらと思います。
別にこのドラマで車椅子の立場、処遇を上げろとまでは言いませんが笑
少しでも思いやる・考えるきっかけを作ってもらえたら。
何より、こんな近くにある意味車椅子当事者がいるのだから
ドラマに触れてもらえたらと。
私もイチ視聴者に過ぎませんが、
こうしてリアルを書いてもし需要があれば今後も続けますので。
ぜひ、ご感想等いただけたら幸いです。
長々とお付き合い頂きましてありがとうございました!

2.第1話 チェインストーリー

3.第2話のPR映像



✏筆者プロフィール


橋口竜河 (はしぐちりゅうが)
1996.02.02 生まれ 神奈川県出身
車椅子での生活をしながらシンガーソングライターとして活動している。
《ハートフルシンガーソングライター》として心情に嘘のない歌を歌い続ける。
過去には自主企画ライブを開催し、ライブオーガナイザーとしての経験もある。
配信Single《ガーネット》がApple Musicをはじめとする各種音楽配信サイトにて配信中!!
公式サイトはこちら

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