「真珠女」4話【脱皮】
【脱皮】
会計を済ませてエレベーターを待っている間「適当に入ったけどいいお店だったね」と言われ「枝豆が美味しかった」と返しながら、この後どうしたいのか聞けずに気まずくなり、涼から顔を逸らす。エレベーターが開くと中には私達と同い年くらいのカップルが腕を組んでいた、終電前の雑居ビルのエレベーター、彼らはイチャイチャしていたわけでもないのに、彼らの事をじっと見てはいけないと思いぎこちなく奥へ進む。
ドアの方へ向き直ると涼は私の後ろに立って、両腕を首の辺りで組んだ。無言のまま一階に