健康から考える、「何のために生きるのか」
「読書はよくないですね。料理やそうじも。スマホももちろん悪いです」
そう言われたのは、今日歯医者で検診を受けているときだった。
歯を食いしばる癖があるから歯に負担がかかっている。だから夜用のマウスピースを作りましょう、という話だった。
前傾姿勢でいることの多い現代人は、必要以上に歯と歯が触れ合ってしまっているらしい。
眼鏡を新調したときも、「読書も本当はよくないんですよねえ」と言われた。
人間の目は本来、遠くを見る用にできているから、近くを見続けると目が疲れてしまって、視力が落ちる原因になるらしい。
美容に関する本を読んでいたとき、「顔にシワを作らないために最も有効なことは、笑わない、表情を変えないことである」という一節に出会ったことがある。皮膚も紙と一緒で、折り曲げるとクセがつくので、折らないに越したことはないそうだ。
読書をやめて、下を向くような作業を一切やめて、無表情で生きていこうか。そうすれば私は健康で美しいおばあちゃんになれるのかもしれない。
いや、読書はやめられないよ……。料理もそうじも。スマホも、笑うことも。
やめて健康に長生きできるとしても、そのために一生が色を失くしたら、生きている意味があるのだろうか?
かといって、身体をおざなりにしてしまっては、私の精神が好むことは続けられない。食べたり見たり、ができなくなれば人生の楽しみは大幅に減ってしまうだろう。
きっとバランスが大事なのだろう。読書をすっぱりやめるんじゃなくて、まっすぐ前を向いた顔の前に本を持ってくるとか、できるだけ腕を伸ばして、距離をとって読むとか。
……あれ。これだと腕が疲れるなあ。肩も凝りそうだ。やっぱり読書はやめた方が体のためなのか? いやしかし、脳のためには読んだ方が……。
息子が泣きながら足にまとわりついてくるので、今日はこのへんで。バランス、ということが何においても1番むずかしい。(糸井重里の今日のダーリンみたいになってしまった。)
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