どうにもならんを愉しめ|47キャラバン#30@青森
見出し画像

どうにもならんを愉しめ|47キャラバン#30@青森

▽そもそもREIWA47キャラバンって…?はじめにこちらをのぞいてみてね

▽ポケットマルシェ・高橋さんのいままでとこれから、きほんの、き

1974年、岩手県花巻市生まれ。青山学院大卒。岩手県議会議員を2期務め、巨大防潮堤建設へ異を唱えて岩手県知事選に出馬するも次点で落選し、政界引退。その後、NPO法人東北開墾を立ち上げ、世界初の食べ物付き情報誌『東北食べる通信』を創刊し、編集長に就任。翌年、グッドデザイン大賞候補に選出され、決選投票の結果2位に(グッドデザイン金賞受賞)。一般社団法人「日本食べる通信リーグ」を創設し、同モデルを日本全国、台湾の50地域へ展開。第1回日本サービス大賞地方創生大臣賞受賞。東日本大震災をきっかけに、食べものつきの情報誌「食べる通信」を創刊し、生産者と直接やり取りをしながら旬の食材を買えるプラットフォーム「ポケットマルシェ」を立ち上げる。日本最高峰ピッチコンテスト「新経済サミット」で優勝。「関係人口」提唱者として、都市と地方がともに生きる社会を目指す。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系列)にも出演。東日本大震災から10年の節目を迎える来年の3.11に向けて、改めて人間とは何かを問うために47都道府県を行脚する「REIWA47キャラバン」を開催している。参加者との対話を通じて「生産者と消費者が直接つながり合う世界」の未来を探っている。本講演にかける高橋の思いはこちらより!ぜひご一読ください…!

どうにもならん!ということは、この世にあまりにおおいもの
どうにもならん!に否が応にも向き合わされるのがまさに農らしい
どうにもならん!を愉しんでそして豊かに生きるひとたち
そんな姿がきらきらしていたのが今回のキャラバンだったのかも…?
という備忘録です

どうにもならんを遊ぶ

※今回はいもうとのひとりお供です
 旅のつぶやき少々、感じ入ったことたっぷり書き綴ります

都内からえいっと夜行バスにゆられわくわく一路北上!
したはいいが…どこだ…?バス乗り場…?
ついて早々、あっけなく迷子になってしまいました

たどり着いたあおもり駅にて。やさしいひらがなとフォントにそこはかとない帰郷の感をおぼえる。

そんな折、いらした駅員さんとばっちし目が合いました
そこで、かけあしすり足、こっそり場所をお伺いしたのですが…
ここでまたしても予想外の緊急事態発生

!?!
驚いたってもんじゃありません

なぜかって? というのも…
聞き取れないんです…

そう、気付けばここは弘前
難解なる津軽弁の洗礼をざっぱ~~んと浴びていたのでした
バス停までつれていってくれる青森のおもてなしに感銘を受け、ひとり時間まで待ちぼうけしながら心の中で叫んでいたのはまさに
わ~~~~~~青森だ~~~~!
本場の本気の方言に密かにわくわくがとまりませんでしたとさ

おおらかな大地がずうっと向こうまで。空白を鎮めるように雄大な岩木山が聳える。

そんな静かなる、だけど劇的な幕開けとなったキャラバン青森編
しょっぱなから波乱の予感ですが…それもまたたのしそうだ~~

さあて青森といえば津軽弁もさることながら………
もうお分かりですよね…そう
りんご!

ということでいてもたってもいられない一行
ついたその足で、りんごママの山上農園にむかうことにしていました

空港までわざわざ迎えてくださるとのことですが…どこかな…
ふと目をやるとなにやらひときわ異彩を放つマスクをした可愛らしい方が…

そんな出会いのシーンはこちら!!

りんごマスクで出迎えてくださったりんごママ!そしてパパ!
開口一番からおふたりのりんご愛はひしひしじわじわと
マスクから出てる(?)りんご愛ビームのダブルパンチで
あっという間に伝播されてしまったのか、一行のりんごモチベはまたしても急上昇…
やれそれ積る話あれど、とにもかくにもりんごだ~!と
はやる気持ちを止められられず、なだれるようにして農園にかけこむこととなります

とその前に、腹が減っては戦はできぬ。
ということで道の駅でのちゃんこラーメン。あまりの大きさにびっくりするパパ!
愛されパパを物語っているナイス・リアクション・ショット!

そうして空港からしばらく走らせること20分、農園に到着!
ゴールテープを切るようにりんごを保管している小屋に入るや否や…

でーーーーーん!
引き戸をパパがずずずっとあけた、まさにその瞬間…
ものすっごく芳醇なにおいが体いっぱいをかっさらっていきました

そして目の前はあっちもこっちもそっちもどっちもりんご!
気分は玉手箱を掘り当てた王様そのものです
思い思いにうわあ~とほれぼれしたり、匂ってみたり
しばし時を忘れこの雰囲気の余韻にどっぷりとひたってしまいました

そんな姿を目じりを下げて眺めながらいいときにきたねえとりんごママ。
「もともともう少し前に青森に来られる予定みたいだったけど、私が言ったの。高橋さん、それはだれもキャラバンに来られませんよ、と笑」
ん、どういうことですか?とお聞きすると

なんでも先々週あたりがちょうどりんごの最盛期だったのだとか
早生種のおわりかけと青森代表する晩生種ふじが出回り始めるの時期
それがここらのピークで、今年はそれが11/20ごろだったそうです

「ちょっと前まではほんとたいへんだったけどやっとひといきつけそう」とパパもわが子であるりんごを前にしてにんまりご満悦、嬉しそうです

素朴な質問にも、いっぱいの知恵を込めて熱く説明してくださるパパ。1聞いたら10返ってくる、農家さんの知識量ってほんとにすごい。

それにしてもきれいな赤だなあ…
そうつぶやくと「そりゃあ気を使ってるからねえ」とのお応えが

そのわけを耳にして、あっと仰天したのですが
市場で私たちがよくみるまんべんなく赤くつやつやしたりんご
あれってとんでもないご苦労の賜物であること、ご存じですか?

なんといっても
日当たりが均一になるように注意深く葉を手摘みするのは必須
さらには
然るべきタイミングで袋をかぶせまして、そんでもって
然るべきタイミングで外すのも欠かせない
のだとか

みんな大好き真っ赤なあれにはそんなこだわりがつまっていると聞いちゃあ
目の前に広がる光景がいくらも尊くみえてなりません
めいっぱいに留めおかねばと心ゆくまでこの場の赤を堪能しました

いくらでもお食べととれたてりんごのお御馳走が…!涙
最近はスターカットよとママが切り方をレクチャー
たしかに余すとこなくぎりぎりまで食べられて最高!

あ、でもね…とパパは続けます
ある時、黄色いりんごの代表品種、王林に袋に被せたまま、なんと外すの忘れてしまったそう!!!あちゃ~~
はっと気づいたころには、時すでに遅し…
パパは顔面蒼白で、そろりっと袋をあけて、おそるおそる覗きこむと…
そこでこんにちはとしていたのはびっくり、真っ白なりんご!

でもでも、ここからがりんごパパママのすごいとこ真骨頂でした
これをみてふたりは「わざとこうするのはどうだろう…!」と思いついたそうです…え!?

ママが言うと説得力があるんだなあとひっきりなしの電話に来客に動きまわる後ろ姿を見守るパパ。二人三脚で歩みをすすめて築いた関係。

味も品質も全く同じ、いつものつやっとした赤、そしてわざとそうした白
このふたつを並べれば紅白になっちゃう!
そうか!!!!なんだ!!!!
赤と白で紅白なんてめでたいじゃあないか!!!
ハレの日にりんごを食べてもらえたら、こんなに嬉しいことはないとにやり

長年栽培していてはじめてのハプニングにも関わらずこの機転、大変御見それ致しました…

隔年結果(※)や台風や大雨での被害も多い果樹の栽培
どうにもならんことが多いなかでそれを逆手に取るユーモアとセンスには、脱帽です。

豊作年を表年、不作年を裏年ともいう。ごそっと半分減収することもあり、果樹農家の経営を圧迫する要因となっている。(ルーラル電子図書館HPより)

ゆったり津軽弁、だけど胆が据わってるってもんじゃないママの姐御肌な語り口に、つい弟の気分を取り戻し嬉しそうな高橋さん。
どうにもならんを遊ぶ 

こういうと少し語弊があるのかもしれません
でも
自然に向き合い、どうにもならなさにもどっしりと構え、人間のひとつとする
そこに誰よりも長けているのが農家であること、それを垣間見たような心地を形容するに、この言葉をあてたい、そう思いました

りんごの冷蔵庫にて。市場でリユースされているという木箱が何ともいえない味を醸し出している。ここ、いい場所すぎると話題沸騰中

どうにもならんを表現する

今回のキャラバンでは、どうにもならん!を素直にありのまま表現すること、これもまた農家さんの得意分野だと気付かされました
そしてそれは私たちが忘れてしまったことでもあり、できなくなってしまったことをも示唆しているような気がして、これも書き留めておこうと思います

ポケマルではひそかにレジェンドというべき農家さんがいらっしゃるのを皆さんご存じでしょうか…
気付いたころにはリピーターであっという間にファンだった…なんていうそんな魔性の生産者さんが、この世にはいるらしい…そしてここ青森にも…そんな噂を嗅ぎつけました

いったいどんな必殺技をもっているのだろうか…!?

気になりすぎて夜も眠れぬ、というわけで、チョロギ・高杉毛豆・ガーデンハックルベリーを育てるクローバー農園の赤石さん親子のもとを直撃!

おせちでお馴染みのチョロギ。こうするとい~よとお父さんがさくっと揚げてくださった。のだが、その美味しさの何たること。この量、秒で消えた。

さあさあどうぞと居間にお通しいただき年明けの親戚周りのようなアットホームさを覚えながら、しばらくお顔を見て歓談…
しただけなのに最初のその時間で秘訣、何となく分かってしまっちゃいました
はははと恵比寿さま級の幸多き笑顔を親子瓜二つお持ちだったからです

この温かい親子の雰囲気、じんわ~~り伝わりますよね…?すこし話しても笑いが生まれるおふたりの口調。癒し効果抜群。

こんな幸せそうな生産者さん…そりゃあ買いたくなる…!
そんなこんなでもう既におふたりのファンになってしまった私
人気の理由も納得しかけていましたが、それでも気を取り直してと
どうして、赤石さん親子にはファンがたくさんいらっしゃるんですか…?
単刀直入に聞いてみると…なんとも拍子抜けする回答が

「なあんもしちょりゃあせんよ、ふつうにやってるんやがねえ」

まあ~もったいぶって~
でもでもよくお話を伺うと、このひとことにこそ、秘伝があったのです!

まだまだはてなマークがたっぷりかとは思いますが、まずはとにかくこれを見てください
アレがアレしてああなる仕組み…はて……

これ、おふたりが「なあんもしちょりゃせん、ふつうにやってる」をモットーにしはじめたころの出品ページだそう
ラフすぎる…なんだこれ…と思いませんか??
でもこのまさに「なあんもしちょりゃせん、ふつうにやってる」これこそが爆発的人気を呼んでいたのでした…!

せのびしない、つまさきだちしない、ありのままを書く
それこそ、赤石さん親子が実直にやってきたことです

こんなことを言っている間にも…じわじわ来ていませんか…
なにこの農家さん………超おもしろいじゃん………!!!
そんなあなたに追い打ちをかけましょう…!

商品紹介ページや生産者情報ページも一読くださいねきっと虜です
つかれていればいるほど、心に染み入るはず…ほのぼの…

せのびしない、つまさきだちしない、ありのままを書く
そんなことといえばそんなことなのですが、
赤石さん親子のやってきたことで、でも多くのひとの心をつかんだ所以です

今でこそこんな豊かな商品ページですが、当初はどこにでもある商品紹介のように「これは○○です。○○すると美味しいです。」というようなありきたりな言葉を添えていたそう

が、ある日なんとなく肩ひじはらず軽く書いてみたところ、その反響の大きさにびっくり
そこから味をしめたという親子
ふつうさをたのしむ心を思うだけやってみたら、いつしかファンがひとりふたりと!
いまでは親子の日常を綴ったような商品に魅せられて毎回楽しみにしているリピーター多数!

結局、いちばんのファンかもしれない高橋さん(右から二番目)と親子。気付いたら笑顔になってしまっていた。

お話を聞き進めると、同じ文脈で、どうにもならんことももちろん包み隠さず伝えるのだそうです
たとえばこれなんかは分かりやすい、不揃いと言っちゃう

そうするようにしたきっかけは少し前の出品のこと
もうすぐ収穫というところで、とあるハプニングに見舞われてしまいました
どうするか思案してはみたものの、とはいえ正直にはなすがよかろうと、「今朝なんかの動物にやられて出品できなくなりました、いつか送ります」とメッセージを送り、ただし書きをすることに

だが、驚いた。
それでも注文があったそうな…!
そんなことあるかと思っちゃいますよね

でもこれと似たことがあったなあと高橋さんがぽつり
ある漁師さんは「とれたら送ります」というなんとも気まぐれな出品で人気を博しているそう
当然、なかなか連絡はこない。けれど消費者は皆それでいいそうです

なぜかって?
漁師さんがこのように断りを入れているのには、しばらく波高くならないと釣れないという至極全うな理由がある
それを購入者は知っているし、忘れていないから
「驚きべきことだけど、どうにもならない、そんな自然のドラマティックさを、今の消費者は求めているんだよなあ」
と高橋さんは続けます

飽食の時代に突入し、何が自然で何が不自然かわからなくなってしまった私たち
こうした例は私たち消費者がそれをおしえてくれる存在を何よりも希求していることの表れではないでしょうか

「魚とりに行くっていうのはそういうことだったのかと気付く、どうにもならないことを知る、有難さを受け取る。自然を知ること、昨今の気候変動を含めて自分がおかれている今を知ること。それが僕がポケマルをはじめて一番の願い
気付けば、高橋さんはキャラバンでそう熱く語っていました

懐かしのゲームを掘り当てて嬉しそうな高橋さん。「電車のなかでみんなやってるあれ、ゲームアプリ、僕はね、ここに農家の直売アプリがあってもいいんじゃないかと思うよ、だって、うまくいかなさでいったら負けてないからね!」

どうにもならないを伝える

自然のどうにもならなさを知っている農家さんという存在は
それをあるまま伝えることにおいては殊に右に出るものはいません
そして
なんといっても私たち消費者
そんな農家さんの語りに耳がいたくなりつつも、自分が失ってしまったその感覚にこの上ない魅力と羨ましさを感じるようです
そんなことを身をもって発見してしまいました

この相互関係の延長線上をひいた先に、ポケマルがあるようです

どうにもならんな形をした南瓜。こうしたらいいよとして見せたら、すぐほしいと連絡があったねえと懐かしがるお見送り前のお父さん。

どうにもならん!ということは、この世にあまりにおおいもの
どうにもならん!に否が応にも向き合わされるのがまさに農らしい
どうにもならん!を愉しんでそして豊かに生きるひとたち
そんな姿がきらきらしていた
のがやっぱり今回のキャラバンだったようです

手書きのメッセージを野菜とともに段ボールにつめるのが日課。お子さんのいるおうちにはおもちゃを仕掛けたり。遊び心たっぷりの親子には開封動画が届くことも。生産者が生産者なら消費者も消費者のよう。類は友を呼ぶ。

癖になる農の世界、今回もたまりませんでした、また行こう。

文・もも(いもうと)

<気になった方はこちら>

▽REIWA47キャラバンとは

▽これまでのキャラバンのレポートはこちら

▽ポケットマルシェについてはこちら

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
やった~
#ふたりぐらしとは(反骨な姉逃げる妹の折り合い) #青二才のごはん記録(シェフ・もも) #うちらの社会学(対象は地元や家族) #やばいやっしげ家(とにかく変) #ファッションショー(リーダーは祖母) #美文字note(ぜんぶ手書く) #適当ハングル(会話レベルならできるよ)