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カウンセラーの使命は自分なりの物語を作れない人を手助けすること

こんにちは。
はるきと申します。

吃音症の元教師です。


教師というお仕事を順調にやってきましたが、
キャリア13年目になって、
仕事がつらくなり休職をしました。

人生初めての心療内科へ行き、
診断名は「適応障害」でした。

その後、
教師を退職しました。

自己肯定感がゼロになった約3ヶ月間、
ふと前から知っていた作者の本を読みました。

それがこの本です。

生きるとは、自分の物語をつくること


この本は臨床心理学者の河合隼雄さんと、
『博士の愛した数式』を書いた小川洋子さんの
対談集です。

非常に読みやすく内容も深い。
そして何よりもやさしい

適応障害になって傷ついた心に
スッと染み渡りました。

仕事を休職して色々なことがあったけど、
「これも俺の物語なのだから」
と思えるようになったのです。

とにかく心に響くフレーズが本当に多いです。

本書を読みながら気づいたことを
ぜひ書き留めておきたいと思います。



1.強い人が助けにくると、助けられた方はたまったもんじゃない

生きるとは、自分の物語をつくること
小川洋子 河合隼雄 新潮文庫(以下同様)P16


使命感に燃えている強い人。
そんな人が誰かを助けようとする。
そうすると、
助けられる方はたまったもんじゃないーー

河合隼雄さんは臨床心理学者であり、
カウンセラーでもあります。

カウンセリングで大切なことは、
相手の気持ちへの共感です。

立場や状況に関係なく、
「相手と同じ力になる」

といってもいいですね。


僕は教師時代、
また今の相談室でもこんな想いがあります。

それはこの人には「がんばれ」という言葉を
言っていいのか見極めねばならないーー
ということです。

自分のもとに相談しにきた人は
それぞれが色々な悩みを持っています。

仮に「元気パワー」というものがあって、
この元気パワーがプラスの人ならば、
「がんばれ」と言っても問題ありません。

しかし、
元気パワーがマイナスの人に
「がんばれ」という言葉は強いプレッシャーを与えてしまいます。

だから
その人の元気パワーを丁寧に把握することが
大切なのです。

使命感をもって相談業をやるのはいいですが、
「相手と同じ力」になって関わっていくこと、
その大切さをこのフレーズから学びました。


2.やさしさの根本は死ぬ自覚

32ページ

やさしさの根本は死ぬ自覚だなんて、
すごい言葉ですよね。

でも本当にそうだと思います。

お互いがいずれ死ぬ存在だと思ったら、
我々はもっと他人に優しくできますよね。

しかし、
それを忘れてしまい、
平気で他人に「死ね!」と言ってしまうのが
人間の弱いところです。

もっと自分を律して、
他人とやさしく関わりたいと思いました。


3.自分なりの物語を作れない人を手助けすること

48ページ

教師もそうですが、
カウンセラー、
コーチ、
コンサルタント
などの相談業を営んでいる人にとって、
ものすごく心に響く言葉ですよね。

河合隼雄さんはカウンセラーとして、
小川洋子さんは小説家として、
自分なりの物語を作れない人を手助けするーー
そんな使命感がありました。

1人ひとりに過去の物語があり、
未来の物語があります。

それは、
かけがえのない自分だけの物語です。

自分だけの経験にはものすごくユニークな
価値があります。

自分にとって平凡なことが、
他人にとっては非凡かもしれません。

しかし、
誰もがそんな素晴らしい価値を持っているのに
本人がそれに気づかないことがあります。

その価値に気づかせるため、
河合隼雄さんはカウンセラーとして、
小川洋子さんは小説家として、
「あなたの人生の物語もステキよ!」
と手助けしています。

自分なりの物語とは、
「自分の存在価値」
とも解釈できるのかもしれませんね。

この人と関わることによって、
自分の存在価値を発見することができるーー

そんな人になりたいものです。

相談室を運営する僕も、
そうありたいと常に心がけています。


あとがき

今回は印象に残ったフレーズを
3つのみ紹介しました。

しかし、
この本には心に響く素晴らしい言葉が
まだまだたくさん散りばめられています。

情報に溢れている現代においても、
各々の物語はオンリーワンですね。

これからも
自分の物語をもっと磨いていきたいものです。

以上、

カウンセラーの使命は
自分なりの物語を作れない人を手助けすること

でした。 

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