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イタドリ考日記

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日本からヨーロッパ、そしてここイギリスに持ち込まれ、数奇な生涯を送りながらも逞しくあらゆる場所でその根を土の奥深くまでおろしているイタドリという植物を、四季にわたって観察しながら… もっと読む
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#植物

可能性を秘めた白アスパラみたいな軟化イタドリ 【イタドリ考日記・春 】

可能性を秘めた白アスパラみたいな軟化イタドリ 【イタドリ考日記・春 】

4月10日 晴れ 土曜日 6℃

いったいどんなふうになっているのか、この2週間たびたび気になっていたイタドリの軟化栽培実験。
その結果を見にいくために、サンドヘッド海岸へ向かいました。
もうすっかり見慣れたコロニーですが、見るたびに風景が変わっていきます。
冬の間しっかりと立っていた立ち枯れのイタドリも、今はもうすっかりもろくなり、立っているものはもうほとんどなく、みな風や波などに押されるがまま

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ローマンの置き土産、シーボルトの贈り物【イタドリ考日記・春 】

ローマンの置き土産、シーボルトの贈り物【イタドリ考日記・春 】

3月27日 土曜日 5℃ 晴れのち曇り

イタドリコロニーに分け入る
朝八時半。今週末も再びサンドヘッド海岸へ。地元のおいしいパン屋さんが毎週金曜日にサンドヘッドの小さな商店「マッケンジー」にパンと焼き菓子をデリバリーするので、アップルパイがまだあることを祈りながら立ち寄ってみる。
海岸に座って、フラスクに入れてきたコーヒーといっしょに、無事手に入れることができたアップルパイで朝食。まだ肌寒い。

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土の奥深くに 【イタドリ考日記・序】

土の奥深くに 【イタドリ考日記・序】

植物園でプロパゲイターとしてたくさんの種類の植物を扱っていて感じるジレンマというのがいくつかあります。

そのひとつは、それぞれの植物の背景には、その本来の環境、生態系において他の植物や生き物との関わりがあり、そしてその土地の人、ひいては文化にも深いつながりがあるのに、それらがプツンと切れた状態でコレクションされていること。それを扱っている私自身その背景にあることをたどり切れていないもどかしさです

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