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【北欧:教育の旅②-2】中世とITが共存する街、タリン | 2018/04/29


北欧旅2日目、エストニアでのレポートをお届けします。

前回記事:【北欧:教育の旅②-1】中世とITが共存する街、タリン | 2018/04/29 はこちら!主にフェリーでのあれこれ、エストニアの背景(ソ連からの独立、電子国家)について触れています。


2時間のフェリー旅を終え、エストニア上陸!
フェリー乗り場の建物、外から見てもやっぱり立派です。

もっと高層ビルが立ち並ぶ、THE IT!!といった出で立ちを想像していたのですが、至ってシンプル

ですが、その中にもアートを思わせるような建物があったり、独特の空気感を生み出しているようです。

アパレルで有名なH&Mの大きな店舗もありました。

(後から知ったのですが、実はH&Mってスウェーデン発のブランドなんですね!ちなみに、スウェーデンの首都・ストックホルム行きのフェリーも、ここタリンの港から出ています。)

目指すは、中世の街並みが残る旧市街地!港からは、徒歩10~20分ほどで行けるとのこと。

あ、こんなところにもアート・・・?
潜水艦のようなオブジェがあったので、思わず跨ってみる。Nと二人、お互いに写真撮りまくり。

夢中で撮影会をしていたら、前を歩いていたはずのKとCと見失いました。笑


このまま歩いていたら会えるでしょ~と、軽く考えていたのですが、
結局この後彼女たちと再会するのが、数時間後ということを、この時の私たちは知る由もありませんでした。笑


オレンジ色の屋根や、教会の高い塔が見えます。あともう少しで旧市街地...!

ちなみに、旧市街地は、商人や職人たちが築いた「下町」と、貴族らが築いた「トームペア」の2つのエリアがあります。港からは、「下町」エリアが近いので、まずはこちらから散策~。

路地裏の小道を抜け、ちょっと坂になった道をくねくね。(落書きされている壁が多くあるけれど、それすらもアートに見える。まるで渋谷みたい)


坂を上ると目に飛びこんできた景色。
石畳の通り。色とりどりの可愛らしい建物。旧市街地です。


可愛い看板...!
これは紅茶専門店のもの。

レコードや古本屋さんも。


綺麗なお兄さんがいたのを、Nがナンパ(笑)して写真を撮らせて頂きました。お兄さん、ちょっと緊張気味。(ごめんね、ありがとう...!)


さらに街の中へと進みます。ドアの装飾もとっても可愛い...!

壁に謎のフック(?)がついているのを発見。しかもこのフック、簡単に手でくるくる回せる。壁に装飾を取り付けるためのもの?わからなすぎて何故か爆笑。

他の建物に同じようなフックは見当たらず、結局謎に終わりました。

建物も可愛いけれど、ドアもまた素敵...


坂を上り、大きく開けた空間が。
ロシア正教の石碑がありました。

ちなみに、ここエストニアで信仰されているのはキリスト教、ほとんどがプロテスタントとのこと。

【補足】
プロテスタントは、簡単にいってしまうと聖書を大切にし、個々人の信仰を対して寛容的。カトリックは、教会といった集合体や伝統性に重きを置くイメージ。
そのために、教会一つをとってみても、プロテスタントはシンプル(パイプオルガンと十字架くらい)なのに対し、教会空間を大切にするカトリックは彫刻が施され華やかな印象のものが多い。
ちなみに、懺悔室があるのはカトリック。プロテスタントは自身の罪を直接神に祈りをささげることで許しを請うことができるため、懺悔室はありません。

こんな街の目立つところにロシア正教の石碑がある、というのもエストニアの歴史を知るに当たって、大きな意味があるのかもしれません。(ロシア正教については、記事の後半に記載します)

雨もちょっと強くなってきたので、雨宿りと小休憩を兼ねてカフェへ。&KとCにも連絡を。先ほどの石碑のすぐ向かい側です。

窓から眺める街並みも素敵。


朝起きて、こんな景色が広がっている生活って、いいなぁ・・・(妄想)


あ、馬車が通りました。


Nと二人で、チーズケーキを分けっこ。そしてチーズケーキと珈琲ってホントに合う...!

ティータイムを楽しみながら、DNAの旅 という話を聴く。
専用キットで唾液をとって送るだけ、自分のルーツを知ることができる。

さぁ、ルーツを探る旅に出よう!旅行検索サイトが行った壮大な「DNA実験プロジェクト」 By AdGang(2016) ※画像も上記記事よりお借りしました。

―-Would you dare to question who are really are?
自分がほんとうは何者なのか 思い切って問いかけてみませんか?

この映像がとても素敵で、カフェで思わず涙ぐむ・・・。
「DNAの旅」日本語版

ルーツを知ることで、今まで自分に無縁だと思っていた国が、民族がずっと近くなる。現に、純粋な日本人であるNにはチベット系の血が流れているそう。
その他にも、DNAは健康面だったり身体の状態だったり、あらゆる情報が詰まっているとのことで、なんだか生き物の神秘性を感じます。

エストニアという初めての国で、DNAについて考える。
とても特別なひと時のように思えました。



別行動しているKとCとは連絡がつかず(残念・・・/おそらくWi-Fiないために連絡が繋がらない・・・)、再び街の中へ。

雨に濡れた石畳が、明かりに照らされてキラキラしています。

可愛いドア... ♡


エストニア歴史博物館にやってきました。


1410年に建てられたという、タリンの中でも古い建築物の一つとのこと。
展示室の大ホールは3つのアーチ柱で支えられているとのことで、その建築技術に驚かされます。

展示品は壁に沿って飾られているのではなく、広い空間にショーケースがあったり、大きなガラスケースがあったりと様々。
まるで、「好きな順番で見てください」と、見る者に自由を与える、そんな感じ。なんだか、プロテスタントの個人の信仰を大切にする、という考え方を表しているみたい。

カメの上に、象。その上には、ヨーロッパの地図。

これは・・・古代インド関連のもの?いや、でも蛇はいないしなぁ。
なんだかとても気になったのだけど、特に説明もされておらずわからず終い。


地下に進むと、剥き出しの石造りの空間が。銃など、戦いの道具が展示されています。


なんだかとても畏れ多い...そんな気持ちにさせられる椅子にも出会いました。

博物館を後にし、トームペアの方へ足を延ばすことに。
店先に、手作り感あふれる人形たちが・・・笑 みんな個性的かつシュール笑





トームペアは旧市街地の中でも城壁に囲まれた丘の上にあります。城壁に囲まれた石畳の道を進むことに。

絵描きのおじいさんが、もくもくと絵を描いています。街並みを描いたもの、花瓶に飾られたお花など、様々なモチーフがありました。

坂を上り終えて、トームペアへ。
振り返ってみると、こんな感じ。


これは「ひったくり注意」の看板かな。

靴屋さんの看板!雨水用のパイプ?みたいなもので作っているのかな?ナイスアイディア!




アレクサンドル・ネフスキー聖堂。

こちらは、1901年に帝政ロシアによって建てられたロシア正教の教会。
トームペア、貴族側のエリアに、このようなロシア正教の建造物があることに、当初「歴史を伝えるために、あえてこの場所に残しているのかな?」と思いましたが、どうやら、エストニアが独立を果たした時には移転する計画もあったけれど、実現しなかったらしい。

エストニアの人々のロシアへの想いについて、奥深くのところはわからないけれど、いつ何時侵攻されるかもわからない、、という気持ちは感じているはず。きっと心穏やかではないよね。

だけど、帝政ロシアの終焉、ニコライ2世とその皇帝一家・・・。
歴史の中で、だれが悪い、何がいけなかった、というのは一括りには言えないと思うのだけれど、彼らの最期はやはり無残・・・。
(事件が起きたのは、1918年7月17日。エストニアにアレクサンドル・ネフスキー聖堂が建てられた17年後。)

BOJIШEБHИК КOHЦA BEKA
The Last Wizard of the Century
・・・
「世紀末の魔術師」の中で、エッグに込められた秘密が露になったときの
「皇帝一家が殺害されずにこのプレゼントを手にしていたら・・・」「これ程素晴らしいものはなかったでしょう・・・」というセリフが身に染みます。(またまたコナンのネタ)

歴史的にも大きな意味や存在感をもつであろう、アレクサンドル・ネフスキー聖堂。この立ち居振る舞いに触発され、私はイコンを購入。(信者ではなくすみません)

この日記を書いている8月現在。後ろにあるのは、ウズベキスタンから持ち帰ったモスクのタイル。

建物の壁に、こんなボタンが、インターフォンかな?

お土産物のお店の前に甲冑が。
これを見て思い起こすのが、コナン4巻収録の美術館オーナーの事件・・・。「天罰」という絵画になぞらえて、中世の甲冑がオーナーを・・・(以下略)


日本語を話す、お豆屋さんのお姉さん。民族衣装がとってもよく似合って可愛い...!奥にいるお兄さんはとってもシャイでした笑


トームペアの北側には、見晴らしの良い展望台があります。私たちが向かうと、すでに多くの人が。

城壁と教会の塔、オレンジの屋根が建ち並ぶ、まるで絵葉書のような世界観。
雨上がりで、ちょっとまだ快晴とまではいかないけれど、素敵な眺めです。


丘の上からの景色を堪能した後は、下町エリアへと戻り、聖ニコラス教会へ。

実はこの教会、エストニアで一番行きたかった場所・・・!船乗りの守護聖人・ニコラスに捧げられ、13世紀前半にドイツ商人の居住区の中心に建てられました。1944年のソ連による空襲で破壊され、現在は博物館やパイプオルガンのコンサートホールとして使用されている。(「地球の歩き方」より一部抜粋)

私の目当ては、ここに展示されているという、ベルント・ノトケの作品「死のダンス」。法王や国王といった高位の人々が、「死」とダンスを繰り広げる。その何処かちぐはぐで、あやうく、ぞっとする感じ。皮肉めいた世界観。

いよいよこの絵に会える...!(どきどき

建物の中に入ろうと、ドアノブに手を掛けようとしたら、不意にドアが開いたので、脇による。と、、そこに現れたのがKとC!!!
数時間ぶりの再会!しかも超偶然!肩を抱いて喜び合うというちょっと不思議な光景。笑 ドアの前で4人記念撮影をしました。

今から、聖ニコラス教会行こうと思ったんだ~と私たち。
それじゃ、XX時に「ショコラテリエ」で待ち合わせしよう~!ということで、再び別れることに。

気を取り直して、いざ建物内へ。

しかし!!!どうやら、入館時間を過ぎており、入れないとのこと・・・涙 オーマイガァァァ!!!
あまりの衝撃に(自分のせいですが)受付のお姉さんに、「ちょっとだけでも・・・」と目と手振りと拙い英語でアピール。困り顔のお姉さん、首を振ってごめんね。

本能のままに動くのも良いけど、開館時間はしっかり事前にチェックしておきましょー。(今回の教訓)

まぁ、バルト三国を巡りたいし、エストニアに再訪する明確な理由もできたということで・・・笑
※バルト三国の一つ、リトアニアの「十字架の丘」にも興味が湧いている私。笑 ソ連統治下にあった三国だけど、それぞれ異なる歴史を歩んできているという、その背景をもっと知りたい、感じたい・・・という欲求が生まれてます。。

ちなみに、こちらのブログに内部の様子が掲載されています。
-「死のダンス」は必見!エストニア・タリンが誇る中世芸術の至宝を展示する聖ニコラス教会

見れば見るほど、ぞっとする美しさ・・・。


待ち合わせまで少々時間が空いてしまったので、教会前にある本屋さんへ。

所狭しと、本や切手、雑貨の類が並べられていて、それがまた可愛くて。
本が至る所に積まれています。

Sherlock Holmes 発見!


A Study in Scarlet(緋色の研究)
The Sign of Four(四つの署名)
The Hound of the Baskervilles(バスカヴィル家の犬)
The Valley of Fear(恐怖の谷)
どうやら、ホームズ物語60作品中の長編4作品を収録しているらしい。

「恐怖の谷」の第二部、事件が起こる背景や因縁を綴ったこの第二部の描写が大好きで・・・。シドニー・パジットの挿絵にもグッときたなぁ。。焼印・・・。(黒の組織潜入において、焼印とか無さそうで良かったよね ←コナン)

ちなみに、先日のコナンのTV放送では、懐かしの「ホームズフリーク殺人事件」が。
「作品中の踊る人形を全て書き記せ」
ホームズがきっかけで罪を犯した者が、ホームズを通じて罪を自白させられる。この演出と、サントラが最高すぎてしびれる。。この緊迫感、たまらない・・・。
この犯人の彼、アイリーンを敬愛するあまりの行動というのは、わからなくないのだけれど、実際の恋人に対する扱いがひどすぎて・・・。そりゃあ、自分が大切にしているものが侮辱されるのは、苦しいけれど。
綾子さんは、「あのひと」を侮辱もしていない。ただ、トリックを見破ってしまっただけ...。犯人の保身のための罪。

原作の青山先生が、ホームズ作品の中で、一番好きというアイリーン。だからこそ、先生はこの作品で、この動機をもった犯人を登場させたのかな、と思う。

ちなみに、なんとなんと
先日もちらっとお伝えした 「劇場版コナン特集」と銘打って、過去作を上映中している千葉のキネマ旬報さん。今週(8/25-8/31)は、「ベイカー街の亡霊」です...!!

(コナン映画は22作品あるけれど(注:ルパンとのコラボ除く)、この作品についてもっとも語れると思う・・・。それほどに思い入れがある作品です。今は亡き野沢尚のメッセージが光る、”血筋”と”人工頭脳”へ問題提起した本作品、今の時代も異彩を放っております・・・ ← 製作に一切関わってません)


勿論、見に行・・・(以下略

2018 ゼロの執行人
2016 純黒の悪夢(4D)
2002 ベイカー街の亡霊
1999 世紀末の魔術師

2018年、過去作をまたスクリーンで観られるなんて... (感涙 ありがたや...!


さて、本屋さんもじっくり堪能し、「ショコラテリエ」へ向かいます。

職人の中庭、と呼ばれる下町内のエリアで、ガイドブックにも掲載されている有名なお店。

通りから石畳の小道、トンネルを抜け、職人の中庭へ。う~ん可愛い。

店内は、薄暗い照明で照らされ、これもまた素敵な雰囲気が出ています。

私の中の勝手なイメージ:中世ヨーロッパのマダムの部屋

せっかくなので、チョコレートケーキとミントティーを。(本日ケーキ2つ目)

KとCとも無事合流し、また運良く同じツアー参加者であるK兄とも会えました。
K兄は独立してAI、教育、ファシリテーションと多方面に活躍しており、持ち前の愛嬌でいじられ役にもなる、多才なアニキです笑

しばらくカフェでおしゃべりし、5人でフィンランドへ帰ることに。


あんまりIT部分について伺い知ることができなかったので、次回再訪の際はそこに着目したいな。
あと、聖ニコラス教会リベンジ!笑

ありがとう、エストニア♡また来るね!

2時間のフェリー旅。
座席はどこも混んでいて、フェリー内のバイキングスペースに行くことに。
(ここなら座席も確保できるし、食事もできる...!ナイス!!)ちなみに、このバイキングでは、ワインもビールも完備。お酒得意じゃない癖に、せっかくだからと飲んでみる・・・笑

バイキング席のすぐ近く。
フィンランドから小旅行に来ていたというご夫婦とお子さんが。
保育の仕事をしているKが、手荷物から折り紙を出してぱぱっと作ってプレゼントする。笑顔が生まれる。その様子が、とても微笑ましかった。
他の面々も、なんだかんだ賑やかしに徹する。笑

お父さんが、「僕の一番すきなチョコレートだよ」とラズベリー味の分厚い板チョコをプレゼントしてくれた。
こんなところで、こんな素敵な交流が芽生えたことに素直に感動する。
(自分が何か事を起こしたわけではないですが)人ってあったかいなぁ。

バイキング席で記念撮影♡窓側に面した、カフェのようなテーブルです。

実際、このシリーズのチョコレートは、いろんな味が出されていて、本当に美味しい。。(お土産用にいっぱい買いました♡)
とうがらし味もあったけど、ほんのりとした甘みとちょっとピリッとした辛さがおいしかった笑


フィンランドに戻ってきました。
現在時刻は、20~21時くらい。

雨に濡れ、モヤがかかり、ほんのり暗くなった景色に明かりが照らされ、なんだか幻想的。

ホテルへの帰り、トラムに乗車。
トラムの座席...!これは路線図では?!(可愛い。。。


ホテル近く、ヘルシンキ中心部も幻想的な雰囲気に包まれています。


素敵な発見いっぱいのエストニアでの一日でした。明日はフィンランド、ヌクーシオの森に向かいます。

おやすみなさい。



北欧旅のダイジェスト記事です。よろしければ、ご覧頂けると嬉しいです...!
- 気になるモノに触れる幸せ | 北欧のプロダクト・教育・方法論に触れる旅

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