【詩】意味などない
この日になると聞こえる
玉音放送の声
真夏に熱が降り注ぐサトウキビ畑
終ったはずの戦いは
何一つ終わることなく
知らせる言葉もなく
言われた通りの最後を決める
玉音放送が流れる
手榴弾を持って戦車に飛び込む意味
100人が手に棒をもって
ライフルで全員が倒れていく意味
どうして何も教えてくれなかった
机の周りでどこもダメじゃないか
と言う狡猾な国の偉い人達
確信した後になぜ多くの人の
人生を終わりにさせた
机の周りで
お前が悪いと責任を押し付けて
言いあったところで
消えていく命の数は減らない
自分の人生を自分で決められない
悪魔が決めた決まり事
生きて捕まるよりは
これを使いなさい
逃げるところはもうない
火が降り注ぐ地で
私たちは何をしたのでしょうか
どうしてこうなったのでしょうか
何を見せられているのでしょうか
終戦記念日
決まりきったその日に
なんの意味もない
それからも続く地獄を
誰がとめることが出来たのか
100人の少年が手榴弾を持って
こっちを見る
何も言えず静かに涙が流れる
太陽の下のサトウキビ畑
全てを覆い隠すように
風に揺れている
©2022 Haru kuzumi
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