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【詩】きしの

毎日が淡々とならいいが
粛々とならいいが
バタバタと過ぎていく


家に帰るのだって一苦労
電車に乗ること歩くこと
全てを放棄したい



部屋のドアを開けると
3か月前岸野からもらった
岸野がいる


名前を付けるのが面倒だったから
可愛い白い猫に岸野と名付けた
一緒に遊んでいるうちに
岸野の名前は呼ぶのには
あまりに気持ち悪く
名前はキッシーになった


それでも気持ち悪さは否めなく
キイちゃんと徐々に
岸野色を薄めて落ち着いている


そんなキイちゃんは帰って来るや否や
全速力で足元に寄ってくる
頭をなでなでお腹をモフモフすると
1日の疲れが自然と半減


帰って来てよかった
3か月前にはなかった感情だ


昼休み 電車の中 トイレ
ふとキイちゃんのことを思い出す


気が付くと僕はキイちゃんのために
生きていた


いろいろあるけど
それも悪くないかと
キイちゃんの寝顔を見て
頭を撫でた


3か月前に来た僕の幸せだ


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