【詩】つくる手
ろくろを回して作る器
何回やっても上手くいかなくて
途中でぐちゃぐちゃになってしまう
そっとあなたが手を添えると
美しい曲線の器が
目の前にあらわれる
わたしが何かをすると
あなたは静かに眺めて
見守ってくれる
転げるように
繕っていたものが
剥がれ落ちてゆく
もがけども
望んでいた方向とは
逆の方向に流されてゆく
座り込んで空を見ている
ただのわたし
そんなわたしをあなたは
名を呼び
引き寄せ
抱きしめ
温め
赦して
涙をぬぐってくれる
あなたが行くところへ
連れて行って
その場所を教えて
離さないで
美しい音楽が流れ
透明で清らかな湧き水のある
優しい場所
まるで子供みたいに
あなたと一緒にいたい
わたしの手を包むように
あなたが手を添えて
優美な器を作りたい
わたしだけで作ると
素直じゃない器が出来てしまうから
それだけじゃない
いつもあなたと一緒にいたいから
©2022 Haru kuzumi
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