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【詩】出来ること

変わった子


何度言われても慣れない


どうして兄さんのように出来ない
そう言われたのはいつだった
記憶の一番昔に刻んである


何かが違うと思ったのはそこから


皆と同じことを同じように出来ない
同じようにしようとすると
頭の中がぐるぐるになる


頭の中は
追いつこうとする力よりも
無理だの声の方が大きい


忘れるなと言われた鍵は
数えきれないくらい消えた
なんでと言うのは聞きたくもない


どうしてこんな子が家の子なの


出来る限りの普通を
してみたのに
一つも普通にならない


また出来ないの
また間違えてる
また忘れてる


なんで出来ないの


手の動かし方も
話し方も
歩き方も


普通がわからない



僕に出来るのはただ絵を描くだけ


褒められるのも
楽しい時も
誰に何も言われないのも
ただ絵を描く時だけ


僕はただ絵だけを頼りに生きてきた


そして僕はただ一つ残った絵で生きている


言葉に添える僕の絵は
絵本として本屋に並んでいる


僕は普通じゃなかった絵を描くことで
いま生きている















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