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【詩】紙ヒコーキ

紙ヒコーキ
目を瞑って飛ばす
青い空
たった一つ空を切る


どこにも行けない
自分を飛ばす
叶わないと決めこんだ
願いを乗せて


思い通りにならない
日常の雑音
投げつけられる石に
答えられる体力はない


一歩一歩が
半歩半歩になり
立ち止まって
空を仰ぎ見る


一体何のため


叶えたいものは
ひとつひとつ地面に
落として進んで来た


最後に手に残るものは
何だというのか


あの日広げた羽は
山の向こうを見据えていた


一人立つ周りは
自分のことを射す無数の指先
上手く操れない心を抱えて
逃げられない

自分で羽をもぎ取って


甘い汁を吸って
がんじがらめの果て


あの日の山の向こうは
いつだって心の中にある


壊れた願いの代わりに
秘めたままの希望を乗せて



青空に力いっぱいの
紙ヒコーキを飛ばす



天使たちが飛ぶ向こうへ
あの時の希望とともに






©2022 Haru kuzumi

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