【詩】白線

最後は最悪だった
今も最悪の中にいる

白線を通り越し
助けに行く
助けに行く自分を
助けに行く

確認作業は自分の中にはない
他の誰かの価値で自分を
確認する

白線を越えて
手を伸ばして助けられたら
その手は何があろうと離さない
相手が憔悴し力を奪われても
まだ離さない

耐えられず逃げ出しても
自分につけた血液の赤で
それさえも許さない

自分以外の景色を見るなら
全ての時間を奪ってでも
自分のものにする

二人のためなら
全てが消え去ろうとも
厭わない

正しく回転する歯車が
徐々に狂いだす
おかしな芝居を見ている人は
苦笑いをする
決して口に出さずに

狂った空間の狂った時間

わかっているでしょう
あなたはまた同じことをしている

わかっているでしょう
あなたはまた最悪の中にいる

白線から出るのです
すぐに

そしてもう二度と白線を
越えてはならない

あなた自身を守るために
自分を認めてあげるために

©2022 Haru kuzumi