地元には信頼と愛がある
結婚しよー。
と言われたのは1月1日の深夜もしくは1月2日の早朝。
久しぶりの地元の飲み会で飲み過ぎてしまって、正直いうと記憶は曖昧である。
それでもLINEにもその6文字がちゃんと刻まれているのだから、言われたのは事実である。
彼女は中学から高校まで一緒に学生生活を過ごしてきた友人で、なんと奇跡的に6年間ずっとクラスが同じだった。
6年間クラスが同じ人は過去を含めても彼女一人だけだと思う。
運動神経が良く、容姿も端麗な、男女問わずモテる女の子である。
素敵な相手が見つからないのは正直意外である。
地元が小さすぎるのかもしれない。
そんな欠点の”なかった”彼女にも、成人してからお酒を嗜むようになり、酔うととても変になるという事実が判明した。
よく笑い、スキンシップも多くなり、勘違いする男も多いんじゃないかなとか思ったりもする。
でもそれはそれで彼女の良いところ。
だから今回のあの6文字も、酔った勢いで思考回路がぶっ壊れたせいだと思っている。
”ばかやろう。”を変換したらこうなったのかもしれない。
頭の重たい朝をなんとか乗り切って、実家のふかふかな毛布からスマホを構う。
”付き合ってくれてありがとう!”
これを見て、”飲み会に”と文の頭に修飾語をすぐに付け足すことができるのは彼女との長年の付き合いがあるからかもしれない。
これがテレビに出ているあの女優からだったとしたら、”はい!一生大切にします!”とか言うのかもしれない。
女の子というのは本当に分からない。
いや、女の子からすれば男もよく分からないか。
こんな冷めたような話し方をしているけど、あの6文字を言われたことに関しては内心嬉しかったりする。
恐らく嫌いな人には言わないだろうし。
酔った勢いだとしても、男女間で信頼関係が構築されているのはそれなりにすごいことだと思っている。
”また飲みに行こう!”
と彼女のあざとさに何も触れないのは、これも一種のあざとさなのかもしれない。
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