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DCD(発達性協調運動障害)をとりあげます_その1

みなさんこんばんは。
E×Wのトラです。

前回、ちょっとだけ記載をしていたこの協調性の運動における発達障がいについて、事例をあわせてご紹介します。

前回お伝えしていた・・・



・・・とても偏りがある大学生さんたち…@スポーツ・運動場面、の根本にあるこの障がい。

…障がいという名称…実はわたくし、あんまり好きではないので、むしろ、スペック、的な感じとして受容してました。

特別な能力があまりにもまさりすぎて、そことバランスとるために・・・
脳があえて 苦手な内容物も据え置いた…
そんな感じでしょうか。
ただ、今日は定義等を含め、ちょっとだけお勉強+事例をご紹介します。

本日の流れ;
1.協調性の運動発達しょうがい(発達性協調運動障害);定義
2.事例


1.定義


…発達性協調運動障害 (DCD=Developmental Coordination Disorder、 以下DCDとします) は、 神経 発達症群/神経発達障害群 (Neurodevelopmental Disorders) の中の運動障害群 (Motor Disorders) に含まれます。

 アメリカ精神医学会(2013)では、以下のように伝えられています。

・協調運動技能の獲得や遂行が、生活年齢や技能の学習に応じて期待されている者よりも明らかに劣っている状況
・技能を使用する機会の際に、日常生活活動や、何らかの運動遂行時に、ほぼ毎回支障をきたすレベルである状況
・症状の始まりは発達段階早期であること
・脳性まひとは異なる/筋ジストロフィーとも異なる


日本の小児科医の間で発達性協調運動障害の認知が真に高まるようになったのは、、、、
ほんとにまだ10年くらい前なのです。2013年の第110回日本小児精神神経学会:メインテーマで、小児科医の中井氏(2013)が発言したことがおおきな話題となりました。
子どもの不器用さとその心理的影響~発達性協調運動障害を中心に~
のお話があったことがきっかけ…でした。

「極端な不器用さ」に悩む
☞就学時の体育で露呈する:動けない
☞就学時の学習でつまづく:学べない
☞発達障害と併用しているケースが多数
☞つまづき・不器用☛理解されないと…?
 ☛いじめ・不登校・自己肯定間の欠如等に
  繋がっていくケースがある(加藤, 2012)…
こんなことが議論されていました。

とても大事な大事なお話ですよね…その子の自尊心まで傷つけてしまうのですから…


これを大学生におみせしますと、「あ!?」と必ず気づく子がいます。自分のことだったり、お友達のことだったり・・・思い出すようです…



この話をすると、
どうしても、スポーツ場面や運動場面ばかりを思い浮かべられることが多いのですが…
(例えば、体操などは、肩を回しながら屈伸をしたり、縄跳びであれば縄をまわしながら、その縄をとばないといけません、というように、様々な関節が協調性をもっていないとできないよね、っていう場面が圧倒的に多いですよね…事例では、夏休みのラジオ体操で、ママが「あれ?」と気づいた、という内容を後ほどお届けします)


なかなか手と足のリズムが合わない…お子さん、いらっしゃいませんでしたか?

いわゆる日常生活動作…ボタンをとめる、縫物をする、ハサミを使う、調理をする…など、いわゆる細かな協調運動も、DCDのお子さんは苦手としています。

昭和の時代…不器用、のひとことで片づけられることが多かったと思います。とっても苦労していた方、周囲にいませんでしたか?

これ、とても大変なことなのです…。

DCDの場合、、、、
不器用だけではなく、ケガのリスクも高い傾向があります。
(さきほどの縄跳びもそのひとつ…)

だからこそ、、、、
ちょっとした訓練が必要になります。
そのためにも、早期の発見が実は大切なんです…

よく間違えられるのが、
身体の一部の機能が損なわれている、という視点です。
そうではなく…
様々な感覚入力をまとめあげて、「運動として出力」するまでの…脳の仕組みそのものに問題があるんですね。
だからこそゆえに、入力を色々な方向からサポートしてやることが大切になってくるんですね…(この辺は次回その2~お伝えします)

2.事例


4歳の男の子を育てていたお母さま(Aさん)から 実際にお聞きした、事例です。

とある夏休み…ラジオ体操にて…Aさんは「あれ?」と感じました。
なぜか?
お子さんの、手足の動きがあまりにもバラバラすぎて、、、、第一声が
「おかしすぎる…!?」…
(まねできないほどバラバラ)と判断したようです。


どうにもこうにも手と足がバラバラ過ぎたんです…とのおはなしでした…

そのあとも、、、、

・ボタンが全然とめられない
・ハサミもうまく使えない
・靴磨きを教えても、靴をおとしてしまう
・お盆でお皿を運ぶことができなかった(割ってしまった…)など、、、、


色々な事例が散見されたようでした。

小児科へ何件か尋ねても、かえってくるのは

「成長とともにできるようになりますよ」       「お母さん、慌てすぎじゃないですか??」

…どこに相談しても明確な答えがなく、お母さまはとても苦しい状況にありました。

「絶対おかしい、なんか違う」…


色々と調べて、ようやく納得のいく答えが返ってきたのが調査しはじめて11か月後…すでに1年近く経過していました。

…ようやく「納得のいく診断」にありつけ、「リハビリテーション運動が必要なくらい」お子さんが大変な状況にあったことを知ったお母さま…

「幼児期からの療育が重要って先生にいわれました。第一声が、これはDCDですねって…何それって…」
「作業療法士さんからも、もう少し早めにきてくださったら、もっといろんなトレーニング、できたんですけどね、って…」
「この長い長い長い長い空白の時間については、、、、
いまでも本当にくやしい…と思ってます。たらいまわしにされたあの時間、かえしてほしい…」


他にも事例をこれまでいくつか頂いてきました…。

医師にこのDCDの知識が欠落していたり、、、
認知が低い状況であったり、、、、

これらが招く、訓練の後回し、、、、
リハビリテーション運動開始の遅延、、、

これは絶対に避けないといけません。
それでもまだまだ、現場は追いついていない状況にあります。

ようやくここ数年でDCDが知られるようになってきましたが…
もっと多くの人が認知すべきと感じます。
不器用さ、は肯定感だけの問題ではないからです…
怪我、につながること、交通事故などにも発展すること…(自転車にのれない、乗れたはいいけどコントロールができない…等)も
ぜひお知り置き頂きたいのです…。

次回は、事例の続き、そして克服するための訓練の一部ご紹介、
などをお届けします^^

最後まで御一読いただきありがとうございます_(._.)_




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