見出し画像

摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~「痩せたい」と「食べたい」のその先へ~118


新山さんは、背が高く、スッとしていていつ見ても『カッコいい』という言葉がぴったりの人だった。

それに加えて服装やバッグ、髪型やメイクなど、どれも派手さはないけれど余計なものもない感じで、まさに『洗練された』美しさがある、憧れの人だ。

「紗希さんは、一人暮らしだったっけ?」

「あっ、はい、そうです」

「ご飯とか、自分で作っているの?」

「いやぁ……私、料理ってほとんど出来ないので、基本コンビニが私のキッチンです」

「ふぅ~ん『コンビニが私のキッチン』ねぇ。それはおもしろいけど、しっかりと食べられてる?」

「まぁ、それなりに考えて食べているつもりですけど、それほど『しっかり』はしてないかもしれません」

摂食障害のことは知らないはずだけれど、新山さんもやっぱり私の体型が気になるのかもしれない。

「そう?だったらいいんだけど。紗希さん、ちょっと遅いけど軽くご飯食べていかない?」

「えっ、いいんですか?」

「もちろん、紗希さんが良ければ」

「行きます、行きます!」

摂食障害になってからというもの、会社の人とご飯を食べることは避けてきたけれど、憧れの新山さんに誘われたからか、反射的に『行きます』と言っていた。


今日もありがとうございます。

この記事が参加している募集

私の作品紹介

眠れない夜に

よろしければサポートお願いいたします。いただいたサポートは、今後、摂食障害で悩む方々のサポート活動に、大切に使わせていただきます。