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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~250


どれだけ時間が経ったのか、いつの間にか目の前で走り回っていた子供たちはどこかへ行ってしまった。いっそのこと、私も一緒に連れて行ってほしかった。元気に、楽しそうに、笑いながら走り回っている仲間に入れてほしかった。そんなことを考えている自分が、ますます惨めに思えてしまった。

いっそのこと、私も一緒に連れて行ってほしかった。元気に、楽しそうに、笑いながら走り回っている仲間に入れてほしかった。

そんな発想自体が、そもそも良くないのかもしれない。誰かに連れて行ってもらったり、仲間に入れてもらうことを、ただ黙って待っているだけでは、いつまで経っても何も変わらない。もしどこかに行きたいのであれば自分から誰かを誘ったり、仲間がほしいのであれば自分から仲間に入れてくれるように働きかけなければならないのではなかろうか。心も身体も、ただじっとして動かなければ、状況は変わらないし、昨日と同じ今日、今日と同じ明日を繰り返すばかりになってしまう。

それに、今の私の状況や置かれている環境のせいにしたところで、何かが変わる訳でもない。この世の中のみんなは、きっとそれぞれに自分の力ではどうにもならないことを抱えていて、それでもその中から楽しみや嬉しいことを見つけて、前を向いて生きている。私も私なりに辛かったり苦しかったりするけれど、そんな中でも笑顔になれるようなことを見つけなければ。見つかるように考えたり、行動したりしなければ。必ず見つかるって、信じて前を向いて生きていかなければ。その積み重ねが、私を辿り着きたいどこかへ導いてくれる。誰かに頼って、ただだたじっとしていても、黙っていてもどこにも辿り着けないのかもしれない。

「私も、私なりに、今私が出来ることを考えて、行動して、ほんの少しでも昨日と違う今日、今日と違う明日を過ごさなければ。少なくともそういう心構えでいなければ。たとえ出来なかったとしても、たとえ昨日と同じ今日を過ごしたとしても、この公園で見かけた子供たちのように、暑さも気にしないで笑顔で走り回るくらいの気力を持たなければ。ただ下を向いて、出来ないことやどうにもならないことを嘆いていても、自分が惨めになるばかりよね」

木陰とはいえ、さすがにずっと座っていられるほど涼しくはなかった。お昼のピークも過ぎているから、どこかしら席も空いただろう。今度こそ、室内でゆっくりと落ち着いて、冷たいものでも飲みたかった。


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