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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~233


「先生、普通自分を変えたり、なりたい自分になるためには『考え方の特徴』や『性格的傾向』を改善した方がいいと思うのですが、特徴や傾向を活かした対処方法を探っていく、ということでもいいのですか?」

もちろん、そういう方法もありますが、私の考えでは『考え方の特徴』や『性格的傾向』を変えていくのには、相当なエネルギーを必要とします。すると、改善のためのエネルギーが、逆にストレスになってしまって、ますます自分を変えたり、なりたい自分になることが困難になってしまう場合があるのです。

「なるほど、そういうことなのですね。なりたい自分になるための改善のはずが、逆にストレスになってしまったら本末転倒ですよね」

そういうことになってしまう可能性がある、ということです。ですから『考え方の特徴』や『性格的傾向』を良く理解した上で、なるべく大幅な変化を伴わない形で出来ることは何なのか、あるいは無理していたり、今は出来ないのではないかと思われることをじっくりと分析していく。そういったことを踏まえた上で対処方法を一緒に探っていく、ということが大切になってくるのです。

「確かに『考え方の特徴』や『性格的傾向』を変えたい、と思っても本当に変えることは難しくて『どうして私はいつまでたっても何も変わらない、何も変えられないのだろう……』と自分自身に苛立って、虚しくなることばかりだったような気がします。『考え方の特徴』や『性格的傾向』って、大人になってから身に付いた訳ではなくて、多分物心ついたころからそんなに変わっていないものだし、長い間積み上げてきたものでもあるから、そうそう簡単には変えられないと思います。それに、大幅に変えるとなるとそれこそいろいろなことを我慢したりしなければならないだろうから、相当なストレスになる場合もあるのかもしれませんね」

その辺は、ご自身も経験されて思うところもあるのかもしれませんね。いずれにしても、人は『安定』を好むものなので、なるべくならば『考え方の特徴』や『性格的傾向』の流れに沿った対処方法を一緒に探っていく、という方が取り組みやすいし、続けることもそんなに苦にならないと思います。そして、その『取り組みやすさ』や『続けられるか』ということを感じられるかどうか、ということが大切なことなのです。


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