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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~375


何年かぶりに会うことが出来て話をしてくれたからといって、今までの空白の数年間がすっかり埋まった訳ではないのだから、これから昔のような関係を取り戻すためには、タイミングというものも考えなければいけないのかもしれない。

『人との繋がり』……この2週間は、妹の由希や陽子を誘って話を聞いてもらったりすることが出来た。と言っても、ただ単に一緒にカフェでパフェを食べただけのことなのだけれど。それでも、今までの私からしたらあり得ないような進歩だった。

すっかり忘れていたけれど、そういえば由希と陽子に会った日は、過食材の買い物も過食嘔吐もしていなかった。仕事帰りには、どうしても行きたい訳ではないのにほぼ間違いなくコンビニのはしごをやめられないのに、二人に会った日は買い物をしないで家に帰っていた。

人に会って、話を聞いてもらったりしたことで精神的に落ち着いたからなのか、パフェを完食したからなのか。とにかくその日は夕飯も何か適当に済ませて寝た気がする。

「やっぱり休みの日には、出来るだけ人と会ったり、出かけたりする方がいいのかな。家に一人でいるとどうしても時間があり過ぎて食べ物のことを考えてしまうから、なるだけ予定があった方がいいのかもしれない」

そうは言っても、摂食障害が酷くなってからはほとんど誰とも会っていなかったから、急に予定を入れる、といっても何をしたらいいのかよくわからなかった。

そう考えると、今までどれだけの時間を買い物と過食嘔吐に費やしてきたのか、どれだけのお金を過食のために使ってきたのか、そしてどれだけ『食べること』と『痩せること』に頭の中が支配されていたのか。考えただけでも恐ろしい。それだけ、私は摂食障害という病のために時間とお金と心と身体を使い果たしてきたということになる。

今だから言えることかもしれないけれど、何だかとても虚しくて、辛くて、苦しくて、寂しい病気。一日でも早く、いや一刻でも早くこの病気から解放されたいし、克服しなければならない。そしていつの日か、みんなと笑顔で食べることが出来る日を取り戻したい。今私が思うのは、ただそれだけだった。


今日もありがとうございます。

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