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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~276


やっぱり今日も、相当疲れていたようだった。電車に乗って、運良く空いていた席を見つけると、頭で考えるより先に身体が動いていた。座って一息ついた直後から熟睡してしまった。

(紗希ちゃん、いつでも100点満点じゃあなくたって、いいんだよ。90点だって、80点だって、十分なんだから。紗希ちゃんが精一杯やった結果なんだから、ダメだなんて思わなくたっていいんだよ。人間誰だって、調子のいい時もうまくいかない時もあるもんだよ。また次に100点満点目指せばいいんだから。どんなに立派な人間だって、うまくいかないことはあるもんなんだから、紗希ちゃんだけじゃあないんだよ。それに、もう終わってしまったことをいつまでも考えてても、結果が変わる訳じゃあないからね。それよりも、これからのことを考えることの方が、大事なんだから。おばあちゃん、紗希ちゃんがいつもいつもいっぱい頑張ってること、知ってるよ。そのいつもいつも頑張ってることが、いつか必ずでっかい成功に繋がるんだよ。ほら、さっき買ったお菓子でも食べて。甘いもんは心の栄養だからね、悩んでる時には、ぴったりだよ~)

(お母さんはね、90点や80点じゃあ怒るかもしれんけど、気にせんでもいいんだよ。お母さんにはお母さんの立場ってもんがあるんだから、仕方がないんだよ。紗希ちゃんはさ、何でも『はい』って言って言うことを聞く素直で聞き分けがいい子だから、怒られると落ち込んじゃうけどさ、時には由希ちゃんみたいに聞き流すことも大事なんだよ。いつもいつもまともに聞いてたら、身が持たないよ。ほら、500円持ってさ、お菓子でも買っておいで。おばあちゃんと一緒に食べよう。甘いもん食べると、嫌なこともすっかり忘れちまうからさ)

夢の中で、亡きおばあちゃんが話をしてくれた。

「私は、いつでも『完璧』『100点満点』を目指していた。それが『普通』だったし『当たり前』だった。そうすることを『期待』されていたし、それが出来ると信じていたし、実際そうすることが出来ていた。でも、ある時からそれがだんだん出来なくなってきて、辛くなってきて、自分を責めることが多くなっていった。もしおばあちゃんがその時も、今もずっと生きていて、私のそばにいてくれたら、多分夢の中のように話をしてくれた気がするし、そうだったら私も少しは救われたのかもしれない」


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