藤澤ノブユキ

物書きの未熟者です。

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紙の音と毎日 #1

世界の真理を、今朝の朝刊の片隅に殴り書きで書かれているのを発見した 新聞社に問い合わせし、書いた記者を出して欲しいと要望したが 書いた人間は愚か、そんな殴り書き…

藤澤ノブユキ
1か月前

「幼心」

窓の外、眺めてみたら 大きな人の顔が、僕をジッと見ていた 眠たげな目 僅かなクマが目を惹く、見覚えのある目 あれはそうだ 五歳の僕 笑っている 嗤っているのかも…

藤澤ノブユキ
5か月前

ある夜

俺はその夜、途方に暮れていた。場所は自宅のリビング。ソファに座りながら、木っ端みじんに、はじけたように壊れた窓を睨んでた。  正確には、窓自体の事はそこまで気に…

藤澤ノブユキ
6か月前
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紙の音と毎日 #1

世界の真理を、今朝の朝刊の片隅に殴り書きで書かれているのを発見した

新聞社に問い合わせし、書いた記者を出して欲しいと要望したが

書いた人間は愚か、そんな殴り書きは他のには書かれていない、とのことだった

謎は謎のままに

とりあえず書かれてた部分だけを切り取って

机の前の壁に貼り付けておく

答えは思いがけないところから

これが本日の教訓

「幼心」

窓の外、眺めてみたら 大きな人の顔が、僕をジッと見ていた

眠たげな目 僅かなクマが目を惹く、見覚えのある目

あれはそうだ 五歳の僕

笑っている 嗤っているのかも知れない

悔し紛れに僕は窓に向かって言葉を投げた

割れる窓と共に 彼は消えた

そして気づけば 僕が彼になっていた 

身体が縮んでしまったようだ 心も小さくなった
いや

それは元からか

ある夜

俺はその夜、途方に暮れていた。場所は自宅のリビング。ソファに座りながら、木っ端みじんに、はじけたように壊れた窓を睨んでた。
 正確には、窓自体の事はそこまで気にはとめていなかった。床に転がるのは、ピエロ姿の男。右手に包丁、左手には時計。どちらにも血痕があり、彼の胸元は赤く染め上げられている。
 ほんの数分前のことだ。寝支度を済ませ、寝室の扉を開けようとした。だが、ふと窓の外から聞こえる怒声が気にな

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